イジュース・ファンタジー

辻 雄介

文字の大きさ
7 / 36
緑の帝王編

第7話 イジュースを操れ!?

しおりを挟む
タンスを投げつけられてイジュースが無理矢理だが出せるようになってから1ヶ月。
サンディルは側頭葉のトレーニングや筋トレを始めたり、何時でもイジュースが出せるようになるように「ポルテチオ」を何度も言い放って側頭部を擦り、イジュースを何度も出したりしてみた。
それでもって、黄色いイジュースを出せるようになったサンディル。
ヘライクマーはサンディルの成長速度に驚いた。
そして課題は次の段階へ進んでいくのであった。
夕暮れ、ヘライクマーがまた本から出てきた。
「今度はイジュースを操る練習をしてみようか。」
サンディルには自信があった。
何せ、何度もイジュースを出してるうちに、コントロールも少しばかり出来るようになっていたのだ。
しかし、コントロールの練習はそんな次元の話では無かった。
ヘライクマーは帽子から羽ペンを取りだし、サンディルの部屋の至る所に✕マークを書き始めた。
「ちょっと!何してるの??」
「これから、イジュースを飛ばして、この6つの✕マークの真上を通過しながら最終的に自分の腕に吸い込ませてもらう。
腕は力を抜いて前に伸ばしたまんまでいろ。
最後に腕を曲げさせてもらう。
お前は腕を曲げられないようにイジュースで腕を強く固めろ。
力で腕を強くしても俺からしたら簡単に曲がるからな。」
サンディルは聞いて驚いた。
「イジュースってそんなに飛ぶものなの!?」
「あぁ。飛ぶぞ。最長記録はお前の祖父にあたる「グレカ・ブランデー」の1kmだ。
ちなみにイジュースは飛ばせば飛ばすほど威力が下がる。
つまり、飛ばし続けた後でも強いパフォーマンスが出来れば、そんなに飛ばさずにイジュースを使えばより強くなる。」

「えぇ…1kmも??
そんなに飛ばしてなにか意味があったのかしら。」
ヘライクマーは少し笑った
「どういう意味でそんなに飛ばしているかは分からないが、それだけ飛ばせたってことはそんだけイジュースが強かったってことだからな。」
サンディルはイジュースをだして早速試してみようとした。
しかし、いちばん近くにある✕マークにさえ達する前にイジュースが消えてしまった。
「もう1ヶ月あれば出来るようになるかしら………。
いや、いくらかかっても出来るようにならないと!」
サンディルは次なる課題に燃えた。
次の日、学校でサンディルは誰にもバレないようにイジュースを窓から外に向かって長時間飛ばす訓練を自主的にはじめた。
これにより、以前以上に長くいジュースを飛ばせるようになった。
サンディルはこうして、隙間時間を見つけてはそれを上手く使って練習を続けたのであった。
そして、後残す問題はコントロールのみとなった。
家にて、サンディルは✕マークがつけられた部分の真上を通る練習を続けた。
その練習は家でしか出来なかったため、家での時間は食事と風呂以外ずっとイジュースに時間を費やしていた。
それから1ヶ月後…
「ヘライクマー、見ててね。」
「あぁ。分かった。」


サンディルはとうとう、ヘライクマーにテストしてもらう実力に漕ぎ着けた。
「それじゃいくね。」
サンディルは左側頭部を華麗に指でこすり、イジュースを出した。
まずは、✕マークの通過の試練。
サンディルは3つの✕マークを綺麗に通過して、4つめの✕を通過しようとした時に練習をしすぎたせいか頭が少しふらっとしてしまった。
しかし、無事6つの全ての✕を通過した。
そして残るは腕の試練。
全てを通過した光を腕に吸い込ませて、曲がらないように力を与えた。
ヘライクマーはゆっくり近づいてサンディルの腕を掴んだ。
「さぁ、これで結果が分かるぞ。
いちにのさんで曲げるか。」
「わかったわ。いちにのさん!」
そして、ヘライクマーはグッとサンディルの腕を曲げようとした。
結果は、曲がらなかった。
サンディルの努力は勝利した。
「やったーーー!!!
1発でクリア出来た!!!
凄い快感だわ!!!」
「よくやった。見事な捌きだった。」
へライクマーとサンディルはタッチした。
「これだけ出来れば緑の帝王の破壊はできるぞ!」
ヘライクマーはウキウキ声で喋っていた。
「それじゃぁ教えて!緑の帝王は何処にあるの!?」
「待て待て。すぐに準備する」
「準備??」
ヘライクマーは本に手を突っ込みガチャガチャと漁り始めた。
「あった。これだ。」
そしてヘライクマーはピンクのリブタートルニットを出したのであった。
「これなに??」
「見ての通り。ピンクのリブタートルニットだ。
着てみろ。」
サンディルは言われるがままにそのリブタートルニットを着てみた。
「これ、なんか意味があるの??」
「イジュースを浸透しやすくて丈夫な生地出できるている。これがあればどんなことをしても破れる心配もないし、イジュースを最大限に活かせることも出来る。」
サンディルは試しにイジュースを腕の中に流し込んでみた。
「凄い!イジュースのパワーを前よりも感じる!!」
ヘライクマーはその感想に喜んだ。
「それはよかった。
それじゃぁ行ってみるか!「グリーンキングダム」へ!」
「グリーンキングダム??今から行くの??」
ヘライクマーは本のページをパラパラめくり、「グリーンキングダム」のページを開いた。
そして本を机の上に立てて、サンディルを本から2、3メートルの所に立たせた。
「今からグリーンキングダムに行ってもらう。
向こうで何時間、何日過ごしても、こっちの世界では10秒足らずだ。
これから、ミッションを与える。
グリーンキングダムに行って、緑の帝王を破壊してこい。
何度こっちに戻ってきても構わない」
「何だかドキドキしてきた。」
サンディルはこれから起こることの予測がつかずに緊張が高まった。
「それじゃぁ出発5秒前。」
ヘライクマーはカウントダウンを始めた。
「4,3…そうだ、サンディル言い忘れた」
「何!?」
「なるべく死ぬな」
「え??」
本は眩く光だし、サンディルはその光に飲み込まれ…消えた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~

榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。 ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。 別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら? ー全50話ー

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...