イジュース・ファンタジー

辻 雄介

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緑の帝王編

第20話 また会う日まで…(最終回)

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サンディルは空を仰いで見つめていた。
そして、辺りを見回して観客が一人残らず消えていたことに驚いた。
「やけに静かだなとは思ったけどいつの間に人が消えてたの!?」
するとダンドルとサンクチュアリが木の影から出てきた。
「サンディル!!」
サンディルは2人に気づいた。
「ダンドル!!サンクチュアリ!!2人は残って見守っていたのね!!」
「あぁ!何度も飛ばされそうになったけど何とか無事だ!!」
ダンドルは言った。
「それよりサンディルは大丈夫??
身体、まだ光ったままだけど……。」
サンクチュアリはサンディルの身体の心配をした。
「えぇ……じきに消えるわ。」
サンディルの身体の光はスっと消えていった。
その瞬間サンディルの身体に痛みが走った。
「痛っ!!」
「おい大丈夫か!!」
2人は心配した。
サンディルはその場で倒れ、仰向けになった。
「起こすぞサンディル。」
ダンドルはサンディルの腕を持とうとした。
「待って……2人とも空を見て。」
「空?」
空を見上げるとそこには大きな雲と小さな雲が寄りかかっていた。
「きっと、壁の女神とオルトゥンスは2人であの世に逝けたのよね。」
「2人はやり直せるのかな?」
サンクチュアリは言った。
「きっと…やり直せるさ……。」
ダンドルはそう答えた。
「2人とも…肩を貸してくれる??
もう体が動かなくて……。」
ダンドルは急いでサンディルをおぶってその場を離れ、ダンドル宅へ向かった。

ダンドル宅にて……。
「私たちこれでお別れね……。」
サンディルはポツンと言った。
「そんな寂しいこと言うなよ。
帰らなきゃいけないのは分かるけどたまに遊びに来いよ。」
ダンドルは寂しげな声で言った。
「もう二度とここには戻れないの??」
サンクチュアリが言った。
「さぁね。多分もう戻る事は出来ないわ。
ヘライクマーがなんて言うかによるけど。」
サンディルはそう言うと2人を抱きしめた。
「ダンドル!!体調崩さないでね!!もう違法な葉っぱを口にするんじゃないよの!!」
「分かってる二度としないよ。体調も崩さない。」
「サンクチュアリ!!あなたも体調崩したらダメよ!!いい大人になってよね!!あなたならきっと何でも成し遂げられる!!」
「分かった!!僕!立派な大人になるよ!!」
「それじゃぁ私もう行くわね。」
「ちょっと待った!!」
ダンドルとサンクチュアリが止めた。
「君こそ立派な大人になってくれよ!!」
ダンドルがそう言った。
「そして体調も崩さないでね!!約束だよ!!」
サンクチュアリも言った。
「ありがとう2人とも…ありがとう!」
サンディルは泣きながらずっと2人を抱いていた。
「それじゃぁ私、行くわね…。」
そしてサンディルは、ボタンを…押した。

サンディルの部屋にて……
「やったな!!やったんだなサンディル!!!」
ヘライクマーが興奮しながら帰ってきたサンディルに話しかけた。
「えぇ…。緑色の結晶、破壊したわ。」
「本の内容が変わったんだ!!
まず、緑の帝王のページが消えた!
そして、グリーン・キングダムと書かれていたページはグリーン・ワールドに変わったんだ!!」
「というと…?」
サンディルは尋ねた。
「恐らく、ページに書かれていたセンピグネスという組織が解体されたんだ!!
グリーン・キングダムはもうどこからの束縛を受けないグリーン・ワールドへと変化したんだ!!」
「もうあの葉っぱは違法じゃなくなるのね。」
「葉っぱ?なんの事だ??」
「気にしないで。」
「お前は任務を果たした上に世界に平和をもたらしたんだ!」
「そう…なのね。」
サンディルはヘライクマーのテンションについていけなかった。
「ねぇ!」
「どうした?」
「そのグリーン・ワールドへはもう戻れないの?」
「緑の帝王を破壊した今、もう戻る必要は無いだろう。
あまり別世界にはしごをかけて移動しまくると良くないことが起こるからな。
もう封印だ。」
「そう…よね。」
ヘライクマーはグリーン・ワールドのページにペンでバツ印をつけ、ページを閉じた。
「またいつかって言わないで良かったわ…。」
サンディルは「またいつか」と言い残したと思っていたが、それで良かったと自分を納得させた。
もう会えないのだから……。
「そうだサンディル、冬の戦士の事なんだが…」
「そうだ、確か冬の戦士っていう物も破壊しないと行けないんだったわ。」
サンディルはやすんでる暇はないと思ったがそれは違った。
「冬の戦士が登場するまでまだ時間がかかりそうなんだ。
約8年から10年の間に出てくるかもしれないって事しかまだ分からなくてな。
本にも詳しい記載が載ってないんだ。
だから冬の戦士が現れるまで俺とも…
お別れだな。
いやお別れじゃないぞ!また現れるからな。」
「そうなのね。ならまた会う日まで待つわ。」
「あまり寂しそうじゃないな。」
「あなたと過ごした時間はまだ短いからね。それにまた会えるし。」
「それもそうだな。」
ヘライクマーは本の中に身体を入れようとした。
「またな。」
「えぇ。また会いましょう。」
「風邪ひくんじゃないぞ。」
「あなたこそ。」
そしてヘライクマーは本の中に消えていった。
時間はもう夜だった。
サンディルは外に出て夜風をあびた。
「不思議な体験だったわ…。
また会う日まで……。」

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