イジュース・ファンタジー

辻 雄介

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冬の戦士編

第7話 2人目の呪!?

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「リンダリン・リアルについて最近までで分かった情報だ。
まずは性別。
6人兄弟を殺した後に残した紙切れの「リンダリン・リアル」の文字の形や筆圧。
これらを見る限り正体は女だという可能性が高いということ。
これは結構昔に分かったことだ。
そして、リンダリン・リアルを知っているという人間の証言によると、額に6つのホクロが1列に並んでいるという情報があった。他にも、普段は空気のような存在だが、たまにとてつもない存在感を出すという事や八方美人だという証言もあった。
証言から得られる情報はしょうもないものばかりだが、有益な情報がひとつあった。
それは、リンダリン・リアルが殺害した後に埋めたであろう場所に、ミステリーサークルのようなものが発生しているという事が分かった。」
「それで、リンダリン・リアルの居場所は??」
「残念ながら…分かっていない。」
サンディルは途中で口を挟んだが、今いちばん知りたい情報を得ることは出来なかった。
「でも君らが見せてくれた植物の身体をしたミゲルくんや光の魔法……なんっていうんだろう?」
「あぁ、イジュースって言うの。」
「そうなんだ……そのイジュースって言うもののお陰で自分は通常の思考では追いつけないような領域の問題に取り掛かっていることが分かった。これは進展だ。」
カー・リッカーは喜んでいる様子だった。
「喜んでもらえて良かったわ。
とりあえず私たちは今、死んだ兄弟たちがブランデー族目掛けて呪われて蘇るのを防ぐようにしてるの。」
「殺された兄弟達が蘇っている??
どういうことだ??」
カー・リッカーは蘇っているというワードに謎を感じた。
「僕がその殺された兄弟の1人なんだ!」
ミゲルがカー・リッカーの謎に返答した。
その瞬間の事だった。
「うっ……頭が……」
ミゲルが頭痛を訴えその場で倒れたのであった。
「ミゲル!!どうしたの!?」
サンディルが急いでミゲルの側まで寄った。
そして、ヘライクマーがテレビをつけた。
するとそこには速報でパニックになっている状況だった。 
「植物の身体をした化け物が町中で大暴れしています!!頭から赤い光を出してそこら中の物を浮かせているようです!!
みなさん!!近づかずにその場から逃げてください!!」
サンディルはテレビを見て察した。
「兄弟が蘇っていたのね!!」
「やっぱりな。いくぞ、サンディル!ミゲルも連れて行け!!」
ヘライクマーは指示を出した。
「でもどうやって!?私、免許なんか持ってないわよ!!」
「俺が運転しよう。場所はどこだ。」
カー・リッカーが運転役をすることになった。

「サンディル!!俺は恐らく足手まといになるから行かないがしっかりやれよ!!」
「わかったわ。行ってくる。」
そうして、サンディル、ミゲル、カー・リッカーの3人は現場まで車で向かった。
車の中に入った3人。
「場所はカトリーネホルムだな。
カーナビで入力してと…。」
カー・リッカーはナビにカトリーネホルムの場所を入力した。
「ねぇ、カトリーネホルムまでどのくらいまでかかるの」
サンディルは尋ねた。
「ざっと2時間かな。」
「それじゃぁ植物の人間は移動しちゃうわ!!」
「サンディル。君の携帯にワンセグ機能は着いてるかい?
その機能で植物の人間がどこへ向かっているか見ていて欲しいんだ。」
「携帯のテレビの事でしょ?わかったわ!!」
サンディルは携帯のテレビをつけて速報を見ていることにした。
「ミゲルくん、まだ頭は痛むかい?」
「うん、かなり痛いよ。」
ミゲルは後ろの座席で寝ていた。
「とにかく行きましょう!ボーッとしてる暇はないわ!!」
「そうだな。目標は1時間半だ。2時間もかけていられない。
捕まってろ!!」
カー・リッカーの車は法定速度を超えたとんでもない速度で車を走らせ始めた。
1時間40分後……
「この辺だな。何だかものが浮いている。」
カー・リッカーは車を停めた。
「サンディル!何とかなるのか??」
「えぇ、何とかするわ。」
サンディルは車を降りて物の浮く方へ向かっていった。
「さぁ、出てきなさい植物くん!!私が相手になってあげる!!」
サンディルは声をはりあげて言った。
すると、暴れて浮かんでいた物は静止し、
ゆっくりとサンディルの方へ向いた。
そして植物の人間が物の飛ぶ方から現れた。
「これはこれは…ブランデー族の一人娘ではないか……
こっちから向かいに行く必要は無くなったようだ……。
手間が省けたんだな……。
こいつはいい…いいなぁおい……。」
サンディルはハロルのことを思い出した。
「可哀想に…彼か彼女か分からないけどこの人もリンダリン・リアルに操られているのね…。
植物の体になってまで…。」
サンディルはふつふつと怒りが湧いていた。
その時、植物の人間は浮かせたものをサンディルに向かって飛ばし始めた。
サンディルはハロルの時のように全てを受け止めることが出来ないと察し、黄色いイジュースを即座にだしてその場を避けた。
「危ない…!あんなの食らったらひとたまりもないわ!!」
サンディルは考えた。
この状況をどうやったら打開できるかどうかを。
「あれをやるしかないか……!!」
サンディルはヘライクマーに最後の試練で習ったが、まだ1度も成功していない「ペットボトルの蓋を飛ばす」というものをやることにした。

サンディルは宙に浮かんだボルトを手にした。
「やるしかないわ! 
まだ1度も成功はしたことは無いけれど…。
ここでやらなきゃ対処法は……無い!!」
サンディルはボルトを右手の薬指と中指で掴んだ。
そして呼吸を整え、グッと構えた。
その時、ヘライクマーが言っていたことを思い出した。
「赤いイジュースは万能な魔法だ。
想像次第で色んなことが出来る。
このペットボトルの蓋の弾丸だってそうだ。
工夫に工夫を重ねていった結果生まれたのがその蓋の弾丸だ。
イジュースは元々操れるんだろ?
なら赤いイジュースだって操れるに決まってる。
荒ぶる心を落ち着かせて。
もっとクリエイティビティに考えろ。」
サンディルはハッとした。
「そうだ。
ただこのボルトを相手に打ち込むだけじゃそこら辺に浮いてるもので防がれてしまう!
なら、こうするしかない!!」
サンディルはまた構え直した。
今度は薬指と中指を交差させて、中指の先にボルトをおいた。
そして左側頭部を擦った。
「オービエクト!!」
赤いイジュースが飛び出した。
次に右手に赤いイジュースを流し、中指の先っぽに乗っているボルトに力を集中させ続けた。
「今だ!!」
サンディルはそう叫び、ボルトを植物の人間に打ち込んだ。
「残念だったなぁ……!!こんな直線の攻撃……跳ね返して当然だァ……!!」
植物の人間は余裕そうな顔をして、電灯でそのボルトをはね返そうとしていた。
「そうかしら」
サンディルはそう言うと、ボルトは電灯に強い力で跳ね返り、その他に浮いているゴミ箱などに反射し続けていた。
「なんだと……!反射しているじゃないか……!!」
カキン!カキン!カキン!と反射している中、植物の人間は防御を忘れて見ていた。
「もう1発!!今よ!!」
サンディルは植物の人間が防御していない隙に、もう1発のボルトを打ちかました。
ボルトは直線に飛んでいき、遂に、植物の人間の脳天に突き刺さった。
「うっ……まさか……こんなはずじゃぁ……こんなはずじゃぁ……!!!」
植物の人間はそう言うとその場で倒れた。
そして浮いていたものもすべて落下した。
「まずいわ!!逃げないと!!」
その後、全て落下した後に、ミゲルは車から飛び出して倒れている植物の人間の所まで走った。
「君!名前は…?もしかしてフロールか!?」
植物の人間は静かに目を開けた。
「フロール……そうだ…それが僕の名前だ…。
ついさっきまで俺は何を……。」
この植物の人間の正体はフロールと言った。
「お前は……ミゲルか??その喋り方……。」
「そうだよ!!僕はミゲルだ!!」
「会いたかった。」
2人は25年ぶりに抱き合った。
そして……。
「悪いなミゲル……俺はもう天に召されるみたいだ…。
お前との再会…。悪くはなかったぜ……。
ありがとう……。今度はあの世で会おうぜ…。」
「フロール!!待ってくれ!フロール!!」
フロールは本格的に天へ召された。
すると…なけなしの身体から光が浮かび上がってきた。
ミゲルはそれを握りしめて開いたら、光は身体に吸い込まれ、ハロルの時と同じようにまた結晶の1部が手のひらの中にあった。
フロール・フューゲ。
彼の魂は25年振りにリンダリン・リアルの呪縛から解放されたのであった。
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