エナジークエスト

リョウタ

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第12エナジー  「渇き」

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アリ星では「竜牙」「愛」「良太」がミクロアリと攻防を繰り広げていた。


二人ともエナジーが尽きかけているので、「竜牙」は腕を伸ばし、二人を片手で持ち上げ、飛ぶことに消費するエナジーを節約する作戦に出た。


「『竜牙』ありがとう。アリたちがあんたの足を集中攻撃してくるわ。」


ミクロアリは「竜牙」エナジー体の足を数匹がかりで噛んできている。


「痛くはねーが、足が引きちぎられるかもしれないな。だったら、これならどうだ!!」


「竜牙」エナジー体の体が膨張し始めた。「竜牙」エナジー体は20mくらいの巨人になった。


「このサイズなら簡単に破壊できないはず。これで時間稼ぎができそうだ。まだか。本体の俺!!」


地球では「竜牙」本体と「さこ」の交渉が続いていた。


「頼むよ。『さこ』!!『まこ』が見つからないから助けてくれよ。」


「今回の修行は、おまえのためじゃなくて、あの二人のための修行だろ?問題はやつらにあるんだ。自身の弱点克服のための良い修行じゃないか。筋肉バカの『まこ』にしてはよく考えたな。」


「もうすぐエナジーが切れて二人とも死んじまうんだよ。お願いだよ。」


「はぁ~。じゃあヒントだ。お前ら人間は喉が渇けば水を飲むだろ?普段は、お店に売ってある美味しい水を贅沢に飲んで渇きを癒すだろう。だが、突然何もない砂漠に何日も放り出されたらどうする?もちろんお店もない。自販機もない。そんな極限状態の中だったら、降ってきた雨や水たまりの水を当然飲むだろう。今、二人が行っている修行はそういうことなんだ。」


「よくわかんないけど、二人にそう伝えてみるよ。」


場面変わって、またアリ星。


「『さこ』が言ってたんだけど、これは喉が渇いたときと同じような修行らしい。」


「あんた、いきなり何言ってんの。わけわからなくてエナジー切れそうだったじゃない。」


「何か市販の水が飲めない状況だったら、水たまりの水を飲むだろって言ってたぜ。」


「もしかして、そういうことか。『エナジーアックス』。」


「良太」は斧をエナジーで出現させた。


「俺のエナジーもってくれよ。『エナジーアックスアブソーブ』(エナジー吸収)!!」


「良太」は斧をミクロアリの方へ向け、ミクロアリたちのエナジーを吸い込んでいる。


「おい。『愛』!!お前も早く吸収しろ!!『エナジーボール』で!!」


「わかったわ。『エナジーボールアブソーブ』!!」


「愛」も三つのエナジーボールを使い、アリたちのエナジーを吸い上げている。


「うっ。アリたちのエナジー気持ち悪い。匂いが移りそう。おえ~。」


「何かよくわかんないけど、我慢しろよ。『愛』。エナジー吸収いいな~。俺も使いてぇな~。」


エナジー吸収を覚えた二人は、100匹ほどのミクロアリのエナジーを吸ったので、吸われたアリたちは倒れていた。「まこ」の指示通り100匹倒したことになった。目的を達成したので、「竜牙」本体は「まこ」を探し、地球に返してもらおうとしていた。


ここは、「竜牙」の家。すっかり夜の7時になっていた。


「『さこ』!!『まこ』がまだいないんだけど、知らないか?」


「『まこ』のやつ。エナジー無効化リボン付けてやがるから、エナジーで探索できないな。『竜牙』うるさいから、『さこ』があいつら地球に戻してやるよ。」


「さこ」はエナジーで空間をこじ開け、「竜牙」「愛」「良太」を取り出した。


「わっ。びっくりした。あっ。『さこ』様。地球に戻していただいてありがとうございます。また、本日はエナジー吸収の勉強もさせていただいてありがとうございます。私たちは普段の甘えた生活が当たり前だと思い込んでいました。本日のエナジー修行で『シールド』の重要さ、『母星』に甘えていたこと、二つの大事なことを教わりました。また、明日からご指導ご鞭撻よろしくお願いします。もう7時!!やばっ。帰って勉強しなきゃ。」


「『さこ』はお前らの師匠じゃないからな。」


「愛」はエナジー化し、猛スピードで飛んで帰った。


「『愛』のやつ。どこであんな難しい言葉覚えてるんだ?」


「『竜牙』も今日はいろいろありがとな。お前がいなかったら俺たち死んでたらな。明日は、俺とお前でエナジーバトルしよーぜ。」


「『良太』とバトルか。楽しみだな。俺は今日覚えた巨人化で闘うから覚悟しろよ~。」


「じゃあ、また明日の放課後な!!」


「良太」もエナジー化し、飛んで帰った。


「うー。今日は精神的に疲れたな~。でも今日の俺一番頑張ったんじゃね。えへへ。」


次回。  第13エナジー   「エナジー測定」
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