エナジークエスト

リョウタ

文字の大きさ
32 / 184

第31エナジー  「夢」

しおりを挟む
朝、7時15分。「竜牙」の目覚まし時計が鳴り響いた。


「う~。もう朝か。なんか昨日はイヤな夢をみたな~。」


窓を開けると、太陽の日差しが激しく、太陽光を吸収するには絶好の日和だった。「竜牙」はエナジー体を発現させ、「サンライト・エナジー」を強化するため、エナジー体を空高く飛ばし、ひなたぼっこさせた。


小学校に向かう途中、「竜牙」は珍しく考えごとをしながら歩いていた。昨日の夢の内容が恐すぎたのだ。夢の中では「愛」や「良太」にかっこいいことを言ったような気がするが、やっぱり「さこ」が言っていたようにエナジーの使用をやめさせようと考え直していた。


小学校の校門では、珍しく報道関係の方たちがたくさん集まっていた。芸能人でもきてるのかなっと思った「竜牙」だったが、いきなりインタビューされた。


「この学校の生徒さんですか?『鈴中 愛』さん『田中 良太』くんを知っていますか?昨日から行方不明なんですよ?お知り合いですか?」


この大人たちは何を言っているのか?と「竜牙」は思った。


「竜牙」は自分の教室に着いた。同じクラスの生徒たちも大騒ぎをしていた。


「おい。『竜牙』!!おまえ『良太』と仲良いだろ?なんでいなくなったのか知らねーのか?」


「『唯』くん。(「竜牙」の名字)『愛』ちゃん。どこいったの?連絡取れないそうなのよ。私、恐い。」


先生が来て、朝の会が始まった。先生の話では、マスコミは突如いなくなった「愛」と「良太」が神隠しにあったと騒いでいるようだ。そして、先生からも


「『竜牙』。ほんとに二人のこと知らないか?些細なことでもいいんだ。何か知っていたら教えてくれ。」


俺は何にも知らない。だって昨日ことは夢に決まってるし、二人のことだ。エナジー修行だとか言って、宇宙に出て行ったに決まっている。俺もエナジー体の充電が完了したら、宇宙に行こう。あいつらを探すんだ。


俺は頭の中ではポジティブに考えていた。だが、徐々に心のどこかが濁りを感じるような気持ちの悪い感覚に襲われて、今日一日授業に集中することができなかった。(いつもしていない)


学校が終わり、「竜牙」は帰宅途中、以前「まこ」たちがエナジーが使えなくなって、落下して大きな穴ができた公園に寄った。


「竜牙」はブランコに乗りながら、現実を受け入れつつあった。昨日起こったことは、全て現実だということを。あいつら、本当に死んでしまったのか?そんな終わり方ってあるか。死ぬときの最後ってみんなに病院で見守られながら死ぬんじゃないのか?ひいおじいちゃんが死んだときみたいな感じじゃないのか?こんなことって絶対ありえない。嘘に決まっている。


「竜牙」はエナジー体を発現させ、自身のエナジーを研ぎ澄ませ、他人のエナジーをどうすれば、探索することができるのか、考えた。


そのとき、公園にある大きな穴の中から、モゾモゾと何かが動いているのを感じた。


「『愛』!!『良太』!!もしかしてそこにいるのか?」


穴の中から、飛び出てきた。「まこ」だった。


「あれ?『まこ』じゃん。おまえら地球から出て行ったんじゃねーの?」


「は?なんの話だ?オレはずーと『エナジー無効化リボン』を付けたまま、エナジーなしで地球の最深部まで行ってきたぜ。マグマがドロドロだったぜ。いい風呂にだったぜ。」


「『さこ』たちは二日ほど前に『恐竜星』に行ったぜ。」


「はぁ~?なんであんな弱小ミクロどもの星に行ったんだ?どうせ『まよ』のワガママだろ。あいつ一度シメる。それにしても『竜牙』。元気ないな。」


「まこ」は「エナジー無効化リボン」を外した。


「おっ。久しぶりのエナジー。エナジーなしの方が弱い奴の気持ちがわかるから面白いけど、今の状況をいち早く知るためにはやっぱエナジーが便利だな。そうか、マクロのエナジーの残留とミクロのエナジーの消滅が感じ取れるな。どこかのマクロが来て、「愛」と「良太」が死んだか。」


「死んでない。」


「おまえ、その場いたんだろ?なぜ、嘘をつく?」


「『愛』と『良太』は別の星に行ってるんだ!!」


「無理だ。やつらのエナジーでは、月以外の惑星に辿り着くためには何十年もかかるだろう。弱小ミクロだからな。それより現実を受け入れろ。先に進めんぞ。おまえはどうしたい?そのマクロを殺したいのか?」


「俺は・・・。」


次回。  第32エナジー  「対策」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

Husband's secret (夫の秘密)

設楽理沙
ライト文芸
果たして・・ 秘密などあったのだろうか! むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ  10秒~30秒?  何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。 ❦ イラストはAI生成画像 自作

アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)

三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。 佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。 幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。 ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。 又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。 海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。 一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。 事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。 果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。 シロの鼻が真実を追い詰める! 別サイトで発表した作品のR15版です。

アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

ma-no
ファンタジー
 神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。  その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。  世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。  そして何故かハンターになって、王様に即位!?  この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。 注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。   R指定は念の為です。   登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。   「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。   一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

後宮薬師は名を持たない

由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。 帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。 救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。 後宮が燃え、名を失ってもなお―― 彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。

愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました

由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。 尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。 けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。 そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。 再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。 一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。 “尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。 静かに離婚しただけなのに、 なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

あまりさんののっぴきならない事情

菱沼あゆ
キャラ文芸
 強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。  充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。 「何故、こんなところに居る? 南条あまり」 「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」 「それ、俺だろ」  そーですね……。  カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。

処理中です...