公爵家のワガママ義妹、【道の城】はじめました!

パルメットゑつ子

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イントロダクション~ある訪問客の述懐~

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 その城で過ごした時間をあえて表現するならば。

――歴史に思いを馳せ、再誕の情趣を味わう。贅沢な憩いのひととき――
 あるいは、
――がんばった自分への褒美。ゆったりのんびり大人の安息日――
 だろうか。


 イゼルラント領・イゼリア半島中央部。

 かつて存在した城下町は放棄され、周辺には小さな農村が細々と残るのみ。
 半島南部の港へ向かう者が、馬をかえるために立ち寄る程度の場所だ。

 しかしその古城を再利用した施設が、一部の貴族の間で話題になっている。

 話を小耳に挟んでから、ずっと気になって仕方なかった。
 ついに念願叶い。私は噂の【道の城】とやらを訪れたのだった。


   凹凹†凹凹


「ようこそお越しくださいました」

 なだらかな丘をのぼると城門が見えた。馬車を降りる。
 堅牢そうな城壁を背に、跳ね橋の手前で可憐な美少女が立っていた。私を見ると微笑み、優雅に一礼する。

 さっそく女主人自らの出迎えだ。
 まだ10代半ばほど。鈍色にびいろの髪にローズピンクの瞳。どこか奥ゆかしい笑顔がなんとも愛らしい。

 一緒に出迎えた精悍な青年に馬車を預け、女主人の先導で城の中へと進む。


 ~城壁~


 壁に沿って作られた歩廊に足を踏み入れ、私は思わず息を呑んだ。
 古きよき防衛拠点。悪く言えばありきたりで野暮ったい要塞……そんな先入観を、良い意味で裏切られた。

「ステンドグラス狭間さまですわ」

 等間隔に穿たれた、敵を射撃するための隙間。そこに色とりどりのガラス片がはめこまれていた。
 縦に細長いものが多いが、十字型もある。それらが陽を受け、無骨な石造りの歩廊に鮮やかな影を投げる。
 王都の大聖堂には及ばない素朴なものだが、むしろ趣きがあっていい。しばしその無垢な色彩で目を楽しませた。

「もう本来の用途はございませんから。平和に感謝し、従業員一同で手作りいたしました」

 血生臭い戦闘の遺構は、見る者の心をなごませる光の歩廊へと生まれ変わったのだった。


 ~本館1階~


 どこかノスタルジックな光景を堪能した後、城館へ。
 1階は主に従業員用のようだ。せわしげに働く者たちの足音が耳に届く。繁盛しているのだろう。

 内部は堅固な砦だった頃の面影がうかがえる。侵入者を捕らえる、または確実に仕留める罠の名残を見物した。
 試しに似たようなものを自宅に設置してみようか……。


 ~本館2階~


 古城らしさ満点の廊下を進み、広々とした優美な部屋に入る。

 この広間は現代的なサロンふうの内装だ。応接間兼、パーティー会場にもなるメインホールといったところか。奥にはピアノも置かれている。

 よく見ると左右の壁面は、広範囲が鏡張りになっていた。
 入った瞬間やけに広く感じたのはこのためか。鏡の反射で部屋が実際より広く、明るく見える。面白い工夫をしたものだ。


 ~本館3階~


 この階は客室が並んでいるようだ。今夜宿泊する一室に案内された。

 小さく素朴な暖炉があたたかみを感じさせる、風通しのよい清潔な部屋。バルコニーからは中庭を一望できる。
 寝具や調度類をみるに、地方の上級宿に等しい。予想通り。

 だが予想外だったのは、左右の壁に描かれた絵画だ。
 白い翼の天使たち。黒い翼は堕天使たちか。両者が手をとりあって踊り、楽器を奏で、祝杯をあげている。

「当館のコンセプト、『清濁併せ呑んでこー』を表現した作品です」

 大胆な構図、鮮烈かつ精緻な筆遣い。新進気鋭の画家に違いない。後でゆっくり観覧するとしよう。


 ~塔 最上階~


 部屋で女主人と別れ、ぶらぶらと散策しつつ塔へ足を運んだ。
 自然豊かな景色に癒される。遠く山々のふもとに美しい湖が見えた。

 ……しかし内部は真夜中のように暗い。これは牢獄塔だったそうだ。なにか奇妙な気配すら感じるような……。
 眺望を楽しんだあとは寄り道せず、そそくさと脱出した。


 ~大浴場~


 城館の裏手にある入浴施設で軽く汗を流す。ここは王都の上級宿にも引けをとらない。快適だ。

 そして何故か石を焼いているストーブを置いた小部屋があった。
 じわじわと……暑い。……むり。……出よう。
 ベンチから腰を浮かせた時、半裸の男が入ってきた。馬車を預けた青年だ。

「この石に水をかけるんです」

 青年が桶の水をひしゃくでかけると、焼き石から勢いよく蒸気が吹きあがる。
 おおう……! 蒸気を全身に浴び……よけい暑くなったのだが!?

「で、この枝で身体を叩く!」

 ええぇ……!? なんのために!??
 室内にあった若葉がしげる木の枝を手にとり、鍛えぬかれた肉体をバシバシ打ちはじめる。だからなにそれ??

 謎の自傷行為(?)は遠慮して、サウナというらしい部屋を出た。
 暑かった……が、外に出ると不思議な爽快感に包まれた。心なしか全身が軽い。
 次回はもう少し長く耐えてみよう。


 ~本館3階 ゲストルーム~


 部屋へ戻るとテーブルにティーセットが用意されていた。気がきいている。
 傍らには珍しい茶菓子も置かれ……、

 ん? 華やかな布の化粧箱がある。
 中には青い羊の置物が入っていた。なんだこれは? 女主人からのメモを読む。

『当地方の伝統工芸品、幸せを呼ぶ“青メリーノ”でございます。新たに頭を振るかわいらしい動きを追加いたしました。※本館2階おみやげコーナーにも是非お立ち寄りください』

 化粧箱から置物をとりだし、テーブルに置く。
 するとゆらゆら頭を揺らしはじめた。首元に仕掛けがあるようだ。
 単調な動きをなぜか見続けてしまう……。この中毒性は一体……。

「……もうこんな時間か」

 気付けば少し早めの夕食時。今回の旅の目玉だ。
 私は身支度を整え、軽い足取りで階下へと向かった。


 ~本館2階 メインダイニング~


 ほどよいオレンジ色の照明が心地良い。
 食器が触れ合うささやかな音、ただよう香ばしいかおりで空腹が加速した。

 広い室内のおよそ半分、入口側の席は、洗練された優雅な内装。
 だが奥半分は……あの牢獄塔さながらの、岩肌がむき出しの壁。床以外はでこぼこと複雑に隆起している。天井も低い。
 さらに光を抑えた照明で、まるで洞穴にいるようだ。観葉植物も雰囲気を出している。

 食卓と椅子まで石造りだ。……インテリアにこだわりすぎじゃないか?
 そのうえまともな座席側との境界線は鉄格子で仕切られている。どこから持ち出された物かは考えるまでもない。

 どちらの席にするか? もちろん奥の牢獄ふうを選んだ。
 牢獄(ふうの場所)で食事をとるなど、めったにできる体験ではない。

 ある種の興奮すら感じつつ、全てシェフ任せのコースを頼んで待つ。

 前菜が運ばれてきた。
 カリカリのバゲットの上に、色彩豊かな野菜がふんだんに盛られている。

 内装のわりにシンプルな料理だ。とはいえ地場野菜の美味さに驚いた。ふだん王都で食べるものと同じ野菜とは思えない……。
 添えられた濃厚なパテをはじめは少なく思ったが、いっそ必要ないくらい。

 続いてスープ。これも地場野菜を使ったポタージュだ。
 地産地消、侮りがたし。現場におもむく重要性を野菜から教わるとは。

「スネーク・イン・ザ・ホールでございます」

 ……おっと。なにかヤバそうな料理が来たな。

 一見なんの変哲もない、円形のパイ。こわごわ蓋部分をくずして中を見ると。
 そういうことか!
 まるで蛇のようにとぐろを巻く魚。小型のウナギ、または近縁種か。
 いわれてみれば牢獄塔から眺めた湖は、この種の名産地だったな。

 ふくよかで滋味深い味わい。思いの外あっさりしている。
 旨味がしみ込んだパイ生地がまた絶品だ。時折ピリリと舌を刺激する香辛料もいい仕事をしている。

 ふぅ……美味に全細胞が歓喜した……。
 だが戦いはまだ終わっていない! メインディッシュはこれからだ!

「お待たせいたしました。ワイルドローズボアのスペアリブでございます」

 お……おおお!!!!! うおおおおオオオオオオ!!!!!!

 じゅうじゅうと心かき乱す音色を奏でる、鉄皿からはみだした骨付き肉!!!
 なんという野趣!! 艶めく脂、はじける豊満体(の切り身)!!
 給仕が笑顔で、ぶ厚い肉の塊から突き出た骨を指し示した。

「火傷にお気をつけ、是非かぶりついてお召し上がりください」

 相手にとって不足なし!!!!!

 視線を感じて顔を上げる。貴族らしい男性客と鉄格子越しに目があった。
 ふふふ……羨ましそうな顔だ。上品な席、さらに御婦人連れとあっては、骨付き肉に素手でかじりつくのは気が引けるのだろう。ナイフとフォークを使っている。

 私は腹をすかした囚人、もしくは荒々しい海賊のごとく。
 貴族の矜持を捨てきれない彼に、骨付き肉への豪快なかぶりつきを見せつけた。

 ……ワイルドで……ジューシー!!!
 それでいて、花咲き乱れる庭園を愛でる王の気品すら感じさせる……!!!

 ワイルドローズボアとは、バラを好んで食べる野生のイノシシだ。
 農作物の食害もするため、定期的に狩猟の対象となる。
 彼らがこんな美味とは知らなかった。害獣だが、国宝にも指定したい。

 豚より強い弾力としっかりした肉の旨味。ほのかに高貴な香りが、肉汁とともに口いっぱいに広がり……。

 食べ終える頃にはたかぶった心に平穏が戻っていた。バラの香りにはリラックス効果があるそうだ。

 〆は赤ワインのジュレ。
 バランスのいい爽やかな甘さ。口内の平穏が盤石になった。

 牢獄塔をイメージしたグラスに盛るという少々クセの強い遊び心も、美食に酔いしれる今は素直に賞賛したい。

 このワインジュレのように鮮やかによみがえった拠点――

 【道の城】の前途を祝し、乾杯!!!!!!


   凹凹†凹凹


 実に大満足の小旅行だった。

 ……それにしても。いわくつきの古城だと記憶していたが。いい意味で斜め上の変貌をとげたものだ。
 あの女主人の溌剌とした存在感が、不吉な伝承の影を吹きとばしたのだろう。

 陰で毒婦とささやかれる母君同様、彼女も悪女だの、つける薬のないワガママ娘だのと噂されていたようだが……。

 楚々とした令嬢だ。細やかな気配り、愛のあるもてなし。
 思わずファンになってしまいそうだった。まったく、噂など当てにならないな。

 あれだけのサービスを提供できるようになるまでは、相当な苦労があったはず。
 彼女、それから姫君を守る騎士のように寄りそう貴族令息たちの、並々ならぬ努力と開拓精神たるや。感じ入るものがある。

 そのあたりの話は近々、事情に詳しい友人へたずねてみることにしよう。

「さて。今日もがんばるか」

 窓辺に飾った青メリーノの額を軽くつつく。
 心なごます地味な動きをしばらく見つめ、私は自室を後にした。

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