1 / 52
イントロダクション~ある訪問客の述懐~
しおりを挟むその城で過ごした時間をあえて表現するならば。
――歴史に思いを馳せ、再誕の情趣を味わう。贅沢な憩いのひととき――
あるいは、
――がんばった自分への褒美。ゆったりのんびり大人の安息日――
だろうか。
イゼルラント領・イゼリア半島中央部。
かつて存在した城下町は放棄され、周辺には小さな農村が細々と残るのみ。
半島南部の港へ向かう者が、馬をかえるために立ち寄る程度の場所だ。
しかしその古城を再利用した施設が、一部の貴族の間で話題になっている。
話を小耳に挟んでから、ずっと気になって仕方なかった。
ついに念願叶い。私は噂の【道の城】とやらを訪れたのだった。
凹凹†凹凹
「ようこそお越しくださいました」
なだらかな丘をのぼると城門が見えた。馬車を降りる。
堅牢そうな城壁を背に、跳ね橋の手前で可憐な美少女が立っていた。私を見ると微笑み、優雅に一礼する。
さっそく女主人自らの出迎えだ。
まだ10代半ばほど。鈍色の髪にローズピンクの瞳。どこか奥ゆかしい笑顔がなんとも愛らしい。
一緒に出迎えた精悍な青年に馬車を預け、女主人の先導で城の中へと進む。
~城壁~
壁に沿って作られた歩廊に足を踏み入れ、私は思わず息を呑んだ。
古きよき防衛拠点。悪く言えばありきたりで野暮ったい要塞……そんな先入観を、良い意味で裏切られた。
「ステンドグラス狭間ですわ」
等間隔に穿たれた、敵を射撃するための隙間。そこに色とりどりのガラス片がはめこまれていた。
縦に細長いものが多いが、十字型もある。それらが陽を受け、無骨な石造りの歩廊に鮮やかな影を投げる。
王都の大聖堂には及ばない素朴なものだが、むしろ趣きがあっていい。しばしその無垢な色彩で目を楽しませた。
「もう本来の用途はございませんから。平和に感謝し、従業員一同で手作りいたしました」
血生臭い戦闘の遺構は、見る者の心をなごませる光の歩廊へと生まれ変わったのだった。
~本館1階~
どこかノスタルジックな光景を堪能した後、城館へ。
1階は主に従業員用のようだ。せわしげに働く者たちの足音が耳に届く。繁盛しているのだろう。
内部は堅固な砦だった頃の面影がうかがえる。侵入者を捕らえる、または確実に仕留める罠の名残を見物した。
試しに似たようなものを自宅に設置してみようか……。
~本館2階~
古城らしさ満点の廊下を進み、広々とした優美な部屋に入る。
この広間は現代的なサロンふうの内装だ。応接間兼、パーティー会場にもなるメインホールといったところか。奥にはピアノも置かれている。
よく見ると左右の壁面は、広範囲が鏡張りになっていた。
入った瞬間やけに広く感じたのはこのためか。鏡の反射で部屋が実際より広く、明るく見える。面白い工夫をしたものだ。
~本館3階~
この階は客室が並んでいるようだ。今夜宿泊する一室に案内された。
小さく素朴な暖炉があたたかみを感じさせる、風通しのよい清潔な部屋。バルコニーからは中庭を一望できる。
寝具や調度類をみるに、地方の上級宿に等しい。予想通り。
だが予想外だったのは、左右の壁に描かれた絵画だ。
白い翼の天使たち。黒い翼は堕天使たちか。両者が手をとりあって踊り、楽器を奏で、祝杯をあげている。
「当館のコンセプト、『清濁併せ呑んでこー』を表現した作品です」
大胆な構図、鮮烈かつ精緻な筆遣い。新進気鋭の画家に違いない。後でゆっくり観覧するとしよう。
~塔 最上階~
部屋で女主人と別れ、ぶらぶらと散策しつつ塔へ足を運んだ。
自然豊かな景色に癒される。遠く山々のふもとに美しい湖が見えた。
……しかし内部は真夜中のように暗い。これは牢獄塔だったそうだ。なにか奇妙な気配すら感じるような……。
眺望を楽しんだあとは寄り道せず、そそくさと脱出した。
~大浴場~
城館の裏手にある入浴施設で軽く汗を流す。ここは王都の上級宿にも引けをとらない。快適だ。
そして何故か石を焼いているストーブを置いた小部屋があった。
じわじわと……暑い。……むり。……出よう。
ベンチから腰を浮かせた時、半裸の男が入ってきた。馬車を預けた青年だ。
「この石に水をかけるんです」
青年が桶の水をひしゃくでかけると、焼き石から勢いよく蒸気が吹きあがる。
おおう……! 蒸気を全身に浴び……よけい暑くなったのだが!?
「で、この枝で身体を叩く!」
ええぇ……!? なんのために!??
室内にあった若葉がしげる木の枝を手にとり、鍛えぬかれた肉体をバシバシ打ちはじめる。だからなにそれ??
謎の自傷行為(?)は遠慮して、サウナというらしい部屋を出た。
暑かった……が、外に出ると不思議な爽快感に包まれた。心なしか全身が軽い。
次回はもう少し長く耐えてみよう。
~本館3階 ゲストルーム~
部屋へ戻るとテーブルにティーセットが用意されていた。気がきいている。
傍らには珍しい茶菓子も置かれ……、
ん? 華やかな布の化粧箱がある。
中には青い羊の置物が入っていた。なんだこれは? 女主人からのメモを読む。
『当地方の伝統工芸品、幸せを呼ぶ“青メリーノ”でございます。新たに頭を振るかわいらしい動きを追加いたしました。※本館2階おみやげコーナーにも是非お立ち寄りください』
化粧箱から置物をとりだし、テーブルに置く。
するとゆらゆら頭を揺らしはじめた。首元に仕掛けがあるようだ。
単調な動きをなぜか見続けてしまう……。この中毒性は一体……。
「……もうこんな時間か」
気付けば少し早めの夕食時。今回の旅の目玉だ。
私は身支度を整え、軽い足取りで階下へと向かった。
~本館2階 メインダイニング~
ほどよいオレンジ色の照明が心地良い。
食器が触れ合うささやかな音、ただよう香ばしいかおりで空腹が加速した。
広い室内のおよそ半分、入口側の席は、洗練された優雅な内装。
だが奥半分は……あの牢獄塔さながらの、岩肌がむき出しの壁。床以外はでこぼこと複雑に隆起している。天井も低い。
さらに光を抑えた照明で、まるで洞穴にいるようだ。観葉植物も雰囲気を出している。
食卓と椅子まで石造りだ。……インテリアにこだわりすぎじゃないか?
そのうえまともな座席側との境界線は鉄格子で仕切られている。どこから持ち出された物かは考えるまでもない。
どちらの席にするか? もちろん奥の牢獄ふうを選んだ。
牢獄(ふうの場所)で食事をとるなど、めったにできる体験ではない。
ある種の興奮すら感じつつ、全てシェフ任せのコースを頼んで待つ。
前菜が運ばれてきた。
カリカリのバゲットの上に、色彩豊かな野菜がふんだんに盛られている。
内装のわりにシンプルな料理だ。とはいえ地場野菜の美味さに驚いた。ふだん王都で食べるものと同じ野菜とは思えない……。
添えられた濃厚なパテをはじめは少なく思ったが、いっそ必要ないくらい。
続いてスープ。これも地場野菜を使ったポタージュだ。
地産地消、侮りがたし。現場におもむく重要性を野菜から教わるとは。
「スネーク・イン・ザ・ホールでございます」
……おっと。なにかヤバそうな料理が来たな。
一見なんの変哲もない、円形のパイ。こわごわ蓋部分をくずして中を見ると。
そういうことか!
まるで蛇のようにとぐろを巻く魚。小型のウナギ、または近縁種か。
いわれてみれば牢獄塔から眺めた湖は、この種の名産地だったな。
ふくよかで滋味深い味わい。思いの外あっさりしている。
旨味がしみ込んだパイ生地がまた絶品だ。時折ピリリと舌を刺激する香辛料もいい仕事をしている。
ふぅ……美味に全細胞が歓喜した……。
だが戦いはまだ終わっていない! メインディッシュはこれからだ!
「お待たせいたしました。ワイルドローズボアのスペアリブでございます」
お……おおお!!!!! うおおおおオオオオオオ!!!!!!
じゅうじゅうと心かき乱す音色を奏でる、鉄皿からはみだした骨付き肉!!!
なんという野趣!! 艶めく脂、はじける豊満体(の切り身)!!
給仕が笑顔で、ぶ厚い肉の塊から突き出た骨を指し示した。
「火傷にお気をつけ、是非かぶりついてお召し上がりください」
相手にとって不足なし!!!!!
視線を感じて顔を上げる。貴族らしい男性客と鉄格子越しに目があった。
ふふふ……羨ましそうな顔だ。上品な席、さらに御婦人連れとあっては、骨付き肉に素手でかじりつくのは気が引けるのだろう。ナイフとフォークを使っている。
私は腹をすかした囚人、もしくは荒々しい海賊のごとく。
貴族の矜持を捨てきれない彼に、骨付き肉への豪快なかぶりつきを見せつけた。
……ワイルドで……ジューシー!!!
それでいて、花咲き乱れる庭園を愛でる王の気品すら感じさせる……!!!
ワイルドローズボアとは、バラを好んで食べる野生のイノシシだ。
農作物の食害もするため、定期的に狩猟の対象となる。
彼らがこんな美味とは知らなかった。害獣だが、国宝にも指定したい。
豚より強い弾力としっかりした肉の旨味。ほのかに高貴な香りが、肉汁とともに口いっぱいに広がり……。
食べ終える頃にはたかぶった心に平穏が戻っていた。バラの香りにはリラックス効果があるそうだ。
〆は赤ワインのジュレ。
バランスのいい爽やかな甘さ。口内の平穏が盤石になった。
牢獄塔をイメージしたグラスに盛るという少々クセの強い遊び心も、美食に酔いしれる今は素直に賞賛したい。
このワインジュレのように鮮やかによみがえった拠点――
【道の城】の前途を祝し、乾杯!!!!!!
凹凹†凹凹
実に大満足の小旅行だった。
……それにしても。いわくつきの古城だと記憶していたが。いい意味で斜め上の変貌をとげたものだ。
あの女主人の溌剌とした存在感が、不吉な伝承の影を吹きとばしたのだろう。
陰で毒婦とささやかれる母君同様、彼女も悪女だの、つける薬のないワガママ娘だのと噂されていたようだが……。
楚々とした令嬢だ。細やかな気配り、愛のあるもてなし。
思わずファンになってしまいそうだった。まったく、噂など当てにならないな。
あれだけのサービスを提供できるようになるまでは、相当な苦労があったはず。
彼女、それから姫君を守る騎士のように寄りそう貴族令息たちの、並々ならぬ努力と開拓精神たるや。感じ入るものがある。
そのあたりの話は近々、事情に詳しい友人へたずねてみることにしよう。
「さて。今日もがんばるか」
窓辺に飾った青メリーノの額を軽くつつく。
心なごます地味な動きをしばらく見つめ、私は自室を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる