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浮かび上がってくる現実
夢か? 現実か?
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どれくらいあのホテルの廊下で先生を呼び叫び続けたのか分からない。
ホテルの人がやって来て何か話しかけてきたようだったけど覚えてない。
その後小さな部屋に連れて行かれて……警察の人が来て……また何か言ってきて……兄が来て……。
気持ちの整理が付かず、その後の事を殆ど覚えていない。
気が付くと自分の部屋で目が覚めた。わたしはベッドに腰かけた格好で部屋を見渡す。身体の横には手から落ちたタブレット。
センセイと逢えたのは、夢だったというのだろうか? タブレットを手に取ると画面の真ん中に【7月11日 日曜日 2:36】の表示。
夢だったのだろうか?
私はタブレットの電池残留が少ないのでコードを刺して画面をタッチする。
【渉る夢】というアカウントのXのページが映し出される。
『愛しい人を求めて私は永遠に彷徨い続ける旅人
ゴールはあの人の腕の中』
『世界中の人にどう見られたって構わない
貴方が側にいるのなら』
元々私の絵師としてのペンネーム【命華】でやってきたのだが、あの男が流した流言により大炎上してしまい削除せざるえなくなり、こちらのアカウントで作り直した。
センセイはXはしておらずFacebookとInstagramのみ。だからXでは繋がれないけど、これは私のセンセイへのラブレター。先生に届けば良いなとネットの海に流すボトルメールのようなもの。
センセイは見てくれていた。あれは夢では無いよね? 確かにホテルにセンセイはいた……と思う。
『ホテルでの一時、あれは幻? それとも……』
そうメッセージを送り、わたしは眠り直すことにした。
起きたらまたなんと八時。起きるには早すぎたけど保温水筒の中のジュースはもうないので水分を捕球するためにも起きるしかない。
起きたら祖母が私に朝ごはんを用意してくれる。それを食べていると、庭を農耕機に乗り畑に出ていこうとする兄と遭遇する。
「全く毎日だらだらと……。
サッサとメシ食ってコッチ手伝え!」
私は溜息をつきたくなる。自分がこの家で厄介者になってあるのは自覚はしているし、申し訳ない気持ちもある。
でも、それをあからさまに示す人達との作業程の苦行は無い。
それまで和気あいあいと話していたのに、私が加わる事で会話もなく不自然な視線のやり取りのある気不味い世界となる。
無視していたが兄はしつこく叱ってくるので、仕方が無いので倉庫の済で一人離れた所で収穫した人参をサイズごと仕分けして箱詰めする作業を黙々とした。
皆のお昼休憩の時間が来て離れたが。私は一人作業を続ける。皆と顔を合わせたくもないから。
コトっとなにか音がして振り向くと作業台の所にオニギリと唐揚げなどのオカズの乗った紙皿とお茶のペットボトルがある。
「昼飯だ。食え!
食事も人に用意して貰わないと食べないなんて。ガキじゃねぇんだから!」
兄が私を睨みながら怒鳴ってくる。
「私があっち行くと空気悪くなるから」
プイっと顔を背けそう返すと兄は大きくため息をつく。
「お前の態度の問題だろ! 不機嫌な顔で黙り込んでいるヤツが居たらそりゃ空気も悪くなるわ!」
兄はそう、言い捨てて去っていった。
私は、紙皿のニンニクの香りの強い唐揚げと目玉焼きを手で掴み口に放り込ん、梅干しのオニギリをお茶で流し込んで手早く食事を終わらせた。
そして意地からも、これ以上兄に文句言われないように作業を続け、皆が仕事済ませたのと同じタイミングで倉庫を去り自分の部屋に引き籠った。
夜、母が部屋の前にお盆に乗った夕飯を部屋の前にソッと置かれたのでそれを食べる。毎日毎日カレーで飽きて来る。
十時頃父がリビングから消えて布団に入ったであろうタイミングでコッソリキッチンに行きお皿を洗い食器棚に戻し、保温水筒に飲み物入れて部屋に戻った。
今は農繁期の為、家族の朝は早い。そのため夜も早い時間に家の中は静まり返る。
少し離れた場所にある兄の家ならば子供もいるのでもう少し賑やかなのかもしれないが、その場所は私の部屋と反対側にあるからここまでその灯りは届かない。
外も暗く世界に一人取り残されたような気分になる。
充電の終わっているタブレットを取りだし絵を描く。
良い感じの絵が描けてもネットにアップしたら、またあらぬ攻撃を受けそうで怖いので描くだけ。
家の中はWiFiが使えるのでネットサーフィンも出来るが、嫌な言葉が出てくるのが怖くて回れない。ただSNSで一方的な言葉を発信をしているだけ。
突然ポップアップ表示が画面に出て少しビビる。
私のXにリコメントが来たというお知らせ。私は恐る恐るそれをタップする。
A_Fという人物からだった。
【聞きたい事がある。
明日の十一時、時庭自然公園の西側の【永遠の幽囚】というモニュメントの所で待っている。】
A_Fの文字を見て思い浮かべる人物は一人。不死原渉夢。センセイのイニシャル。
絵の前の再会は夢ではなかった! だからセンセイは私を見つけられて連絡をしてきてくれた。
明日になればセンセイとまた会える。
私は喜びに悶えベッドの上で転がった。
ホテルの人がやって来て何か話しかけてきたようだったけど覚えてない。
その後小さな部屋に連れて行かれて……警察の人が来て……また何か言ってきて……兄が来て……。
気持ちの整理が付かず、その後の事を殆ど覚えていない。
気が付くと自分の部屋で目が覚めた。わたしはベッドに腰かけた格好で部屋を見渡す。身体の横には手から落ちたタブレット。
センセイと逢えたのは、夢だったというのだろうか? タブレットを手に取ると画面の真ん中に【7月11日 日曜日 2:36】の表示。
夢だったのだろうか?
私はタブレットの電池残留が少ないのでコードを刺して画面をタッチする。
【渉る夢】というアカウントのXのページが映し出される。
『愛しい人を求めて私は永遠に彷徨い続ける旅人
ゴールはあの人の腕の中』
『世界中の人にどう見られたって構わない
貴方が側にいるのなら』
元々私の絵師としてのペンネーム【命華】でやってきたのだが、あの男が流した流言により大炎上してしまい削除せざるえなくなり、こちらのアカウントで作り直した。
センセイはXはしておらずFacebookとInstagramのみ。だからXでは繋がれないけど、これは私のセンセイへのラブレター。先生に届けば良いなとネットの海に流すボトルメールのようなもの。
センセイは見てくれていた。あれは夢では無いよね? 確かにホテルにセンセイはいた……と思う。
『ホテルでの一時、あれは幻? それとも……』
そうメッセージを送り、わたしは眠り直すことにした。
起きたらまたなんと八時。起きるには早すぎたけど保温水筒の中のジュースはもうないので水分を捕球するためにも起きるしかない。
起きたら祖母が私に朝ごはんを用意してくれる。それを食べていると、庭を農耕機に乗り畑に出ていこうとする兄と遭遇する。
「全く毎日だらだらと……。
サッサとメシ食ってコッチ手伝え!」
私は溜息をつきたくなる。自分がこの家で厄介者になってあるのは自覚はしているし、申し訳ない気持ちもある。
でも、それをあからさまに示す人達との作業程の苦行は無い。
それまで和気あいあいと話していたのに、私が加わる事で会話もなく不自然な視線のやり取りのある気不味い世界となる。
無視していたが兄はしつこく叱ってくるので、仕方が無いので倉庫の済で一人離れた所で収穫した人参をサイズごと仕分けして箱詰めする作業を黙々とした。
皆のお昼休憩の時間が来て離れたが。私は一人作業を続ける。皆と顔を合わせたくもないから。
コトっとなにか音がして振り向くと作業台の所にオニギリと唐揚げなどのオカズの乗った紙皿とお茶のペットボトルがある。
「昼飯だ。食え!
食事も人に用意して貰わないと食べないなんて。ガキじゃねぇんだから!」
兄が私を睨みながら怒鳴ってくる。
「私があっち行くと空気悪くなるから」
プイっと顔を背けそう返すと兄は大きくため息をつく。
「お前の態度の問題だろ! 不機嫌な顔で黙り込んでいるヤツが居たらそりゃ空気も悪くなるわ!」
兄はそう、言い捨てて去っていった。
私は、紙皿のニンニクの香りの強い唐揚げと目玉焼きを手で掴み口に放り込ん、梅干しのオニギリをお茶で流し込んで手早く食事を終わらせた。
そして意地からも、これ以上兄に文句言われないように作業を続け、皆が仕事済ませたのと同じタイミングで倉庫を去り自分の部屋に引き籠った。
夜、母が部屋の前にお盆に乗った夕飯を部屋の前にソッと置かれたのでそれを食べる。毎日毎日カレーで飽きて来る。
十時頃父がリビングから消えて布団に入ったであろうタイミングでコッソリキッチンに行きお皿を洗い食器棚に戻し、保温水筒に飲み物入れて部屋に戻った。
今は農繁期の為、家族の朝は早い。そのため夜も早い時間に家の中は静まり返る。
少し離れた場所にある兄の家ならば子供もいるのでもう少し賑やかなのかもしれないが、その場所は私の部屋と反対側にあるからここまでその灯りは届かない。
外も暗く世界に一人取り残されたような気分になる。
充電の終わっているタブレットを取りだし絵を描く。
良い感じの絵が描けてもネットにアップしたら、またあらぬ攻撃を受けそうで怖いので描くだけ。
家の中はWiFiが使えるのでネットサーフィンも出来るが、嫌な言葉が出てくるのが怖くて回れない。ただSNSで一方的な言葉を発信をしているだけ。
突然ポップアップ表示が画面に出て少しビビる。
私のXにリコメントが来たというお知らせ。私は恐る恐るそれをタップする。
A_Fという人物からだった。
【聞きたい事がある。
明日の十一時、時庭自然公園の西側の【永遠の幽囚】というモニュメントの所で待っている。】
A_Fの文字を見て思い浮かべる人物は一人。不死原渉夢。センセイのイニシャル。
絵の前の再会は夢ではなかった! だからセンセイは私を見つけられて連絡をしてきてくれた。
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