希望が丘駅前商店街~黒猫のスキャット~

白い黒猫

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After Hours

Off Beat

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 もう彼此一時間以上の時間凛さんは俺に透さんの子供時代の写真を見せ続けている。凛さん飽きる事をしらないようで、一頁一頁説明しながら見せてくれて、今漸く小学生中学年へと進んだ所。その内容もお気に入りの写真は切り抜いてコラージュしていたり愛のコメントの書かれていたりと手が込んでいる。

 「ね、透は小さい時は小さいときならではの可愛さあるでしょ? この頃の透は女の子みたいでカワイイの! 私と並んでいたら、『カワイイお兄ちゃんと妹ね』って良く言われたのよ!」 
  確かに写真の透さんは可愛い。そして窓際で本読んでいる写真は、文学部少女という感じで、女の子間違えられても仕方が無い雰囲気をもっている。しかし、お兄ちゃんって言われるとは、凛さんどんだけ腕白だったのか?
 「ところで、凛さんのこのころどんな感じだったんですか?」 
  そう聞くと、凛さんさんは少し照れくさそうに笑う。サッカー部にマネージャーでなく選手として所属していたため全身真っ黒に日に焼けた子供だったようだ。今の色白で染み一つない綺麗な肌からは信じられない状態である。
 「へぇ~。見てみたいその頃の凛さんを」 
  そう言うと凛さんは真っ赤になって慌て出す。 
 「そ、そんな見る程の物ではないよ! 本当にどこの国の人だ?! って感じで黒いし ……」
  でも、この凛さんの子供時代なら絶対可愛いと思う。
 「可愛いんでしょうね。その頃の凜さんの写真ないんですか?」 
  そう更に頼むと凛さんは真っ赤な顔のまま俯き視線だけ上にあげる。この途轍もなくカワイイ表情に俺の鼓動が速くなる。
 「でも、まだ透の写真四冊目だし、先長いから ……」
  凛さんは目を逸らしテーブルの上のアルバムに目を向ける。 
 「透さんの昔の写真集も面白いけど、俺はそれ以上に凛さんの昔の写真見たいです」
  目を見開き凛さんは俺を見つめてくる。 
 「え ……」
 「そりゃそうですよ、俺は透さんより凛さんの方が好きだから凛さんの子供時代の方が気になります。見るなら赤ちゃんの凛さん、少女時代の凛さん、全ての時代の凛さんを見たい」 
  当然の事言ったと思うのに凛さんの顔がみるみる赤くなる。そのまま俯いてしまう。どうやら照れているようだ。
 「見たいな~凜さんの子供時代」
  俺がそう言うと。顔を真っ赤にしたままスゴスゴと本箱の方に行き簡単なポケットアルバムを持ってくる。自分の写真はただ適当にポケットに入れただけと雑に管理しているようだ 。

  もっと子供時代のモノは実家にあるようで、高校時代くらいからの写真だったが、今より髪の毛も短くてより活発な凛さんの個性を出ていて可愛かった。
  俺が感動しながら見つめていると、手をバタバタ動かし異様に照れて俺を叩いてくる。
  俺が何かコメントする度に、ワタワタする様子がまた可愛い。サラサラのロングヘアがその度に揺れる。今の凜さんの姿がやはり一番美しいとも思う。というか俺の中の凛さんは、こういった時代を経て作られた今の凛さんだからだろう。
 「あのさ、なんかズルくない? 私だけ辱めうけて、ダイちゃんの子供時代も見せなさいよ」 
  辱めっ ……となると俺に子供時代全て晒されようとしている透さんはどうなるのか……。
 「俺の子供時代こそ見る程の価値ないよ」 
 「私も見たいわよ! ダイちゃんの全て!」 
  真剣な表情に俺はどうしたものかと思う。
 「構わないけど、実家にしかないから ……」
  フーと凛さんが興奮しているかのような息を吐く。 
 「実家ね、お母さんが管理しているのよね、そうか、ならば……」
  そう呟いていたので諦めてくれたかと思い気にしなかった。

  後日、凛さんの部屋に行くと俺の子供時代の写真のアルバムがシッカリつくられているのに驚いた。どうやら出張のついでに俺の実家に行ったらしい。母と思い出話で盛り上がり、写真を焼きまして貰ってきていた。そして俺よりも母親と仲良くなっている。
  俺の家は息子の俺一人しかいないだけに娘が出来て嬉しいという母親。知らないうちに俺のより連絡もとりあっていて、女同士だからなのか意気投合している。
  気が付けば実家なのに、俺の方が婿のような存在になっていた。まあ、皆が幸せそうだからいいかと思うことにした。


 ※   ※   ※

Off Beat  弱拍子のこと
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