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第40話 アルティメットモール
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「わー、お姉ちゃんの車、風が気持ちいいね~!」
「おい、茜。危ないから両手を上げるのはやめなさい」
助手席に座っている茜が空へ手を伸ばしている。なぜ、こんな状況になった?
「それは茜がヒカリと勝負して勝って、その報酬として私たちと遊びにいきたいと言ったから。つまり、ヒカリの裸を想像したタツミの責任」
「……お前はナチュラルに人の心を読むのをやめろ」
茜の決めた罰ゲームは『お兄ちゃんとアンナちゃんを誘って、明日四人で遊びにいくー!!』というものであった。一ノ瀬さんが申し訳なさそうに俺とアンナを誘ってきた時は、むしろこっちが申し訳なくなった。なんなら茜を止めようかとも提案したが、更に申し訳なさそうな顔になったので、結局茜の思い通りになったわけだ。
(まぁ、四月から茜と一緒に遊びに行くことも減っちゃってたし、たまにはいいかな)
「フッ……、シスコン」
「おい、アンナ? 一応確認するがお前マスターの心を読むとかそういう機能ないよな?」
「……さて、どうでしょーか?」
後部座席で隣に座っているアンナが不敵な笑みを浮かべる。当然、そんな機能はあるわけがないので、ブラフだろう。いや、ブラフであってくれ。
「皆さん、目的地が見えてきましたよ」
「わーいっ、アルモ!!」
「……ホントデカイし、すごい施設だよな、アルモ」
「アルティメットと冠するだけのことはある」
アルモ──最近オープンした複合型商業施設でとにかく広い。ショッピングモール、映画館、水族館、テーマパーク、プール、コンサートホールなどなど、とにかく休日はここに行けば一日時間を潰せるという施設だ。ちなみにアルモの正式名称はアルティメットモールと言い、どこか中二くさい名前だ。
「で、茜はアルモのどこで遊びたいんだ?」
全部回ってたら一日じゃ足りないのは確定的なのである程度絞る必要がある。
「水着買って、プール!」
「えー、だったら家から水着持っていけば良かったのに。つか、アンナはプールとかどうなんだ?」
「完全防水。ぶい」
どうやらオートマタは水につかっても大丈夫らしい。
「さいですか」
「お兄ちゃん分かってないなぁ。水着をみんなで買うのが楽しいんだよ!! 新しい水着でプールに行くともっと楽しいんだよっ!!」
「さいですか」
親父から茜とアンナのためにと貰った小遣い一万じゃ足りないのは確定的になったので、コツコツ貯めておいたバイト代から捻出することになりそうだ。まぁアンナと茜の水着を買うのは良しとするが、自分の水着は痛い支出だな。
「タツミ、内心では大興奮でしょ? ヒカリの水着姿が見れる」
「……ソウダネ」
言えない。お金のこと考えてました、とは言えない。俺は遠い目で窓の外を眺めることしかできなかった。
「さて、そろそろ着くのでルーフ閉めますね」
「はーい」
アルモに着いた。
「人多い」
着いて早々のアンナの一言は責めることはできないだろう。今日は日曜のためか、アルモ内はめちゃめちゃ混んでいた。
「つーか、アンナ絶対人間じゃないってバレてるけど大丈夫なのだろうか」
モーラーの上位陣はダンジョン産の騎獣やロボット的なのを連れているが、やはり相当レアなので日常生活では滅多にお目にかかれない。
「よゆー。認識阻害の魔法を使ってる」
「アンナさん、すごいですね……。そんなことまで」
「うんうん、アンナちゃん流石っ!」
「フフ、それほどでもない」
一ノ瀬さんと茜は素直に感心しているが、本当にそれほどでもない、というかそれは嘘だろう。なぜならさっきから周りの人がめっちゃアンナに視線向けてヒソヒソしてるし、なんなら写メ撮ってるからな。
「まぁ、仕方ないか。さて、水着売り場はどこかなっと」
とりあえず変に気にするのはやめて、総合案内の看板を見に行く。五階のスポーツ用品売り場に水着コーナーがあるとのことだ。
「五階らしい。さ、行くぞー」
「「おー」」
「フフ、辰巳君お兄ちゃんしてますね」
その一言にチラリとアンナの方を見る。
「なに」
「お兄ちゃんとか言うタイプには見えないな、と思って」
「タツミは私に妹になってほしいの?」
「お兄ちゃん浮気っ!?」
「いや、妹は一人で手いっぱいだ。これ以上は面倒見きれん」
「うぅ、茜、お兄ちゃんにめんどくさい子って思われてる……」
「フフ、よしよし。じゃあ茜ちゃんは私の妹になる?」
「なるーっ!!」
浮気された。茜はひょいっと一ノ瀬さんの腕にしがみついて、こちらにアッカンベーだ。
「じゃあ、妹枠が空いたから仕方なく妹になる。おニイちゃん」
アンナにちょこんと手を握られた。なんだろう、犯罪臭が半端ない。というか、この状況を写メで撮ってる皆さんは本当に自重して欲しい。肖像権の侵害とか、盗撮に当たるだろう。性的な目的で撮らなきゃ盗撮にならないとか思ってないよな?
「アンナ、手を振るのはやめろ」
「なんで? ファンサービス」
向けられたカメラに向かって、空いてる方の手を振るアンナ。うん、盗撮とか肖像権の侵害とかには当たらなそうだわ。
「……おい、もう手、離していいか?」
「なんで? おニイちゃん私と手を繋ぐのがイヤなの?」
「お前はSNSの恐ろしさを知らないんだよ」
「……ヘタレおニイちゃんめ。ま、しょうがない」
手遅れ感は否めないが、気にしたら負けだろう。暫くはSNSを開かないことを決めた。
そして長い長いエスカレーターを経て、ようやく水着コーナーだ。
「じゃあ俺はこれにしよっと。みんな決め終わったらラインしてくれ」
俺は入ってすぐの30%オフになっている黒のハーフパンツ型の水着にした。水着には拘りがないため、無難かつ安価なものこそ最強だ。というわけで、水着選びに時間が掛かるであろう三人には好きなだけ時間を掛けていいぞ、と言ったところでレジへと──。
「ちょーーーっと、待った! お兄ちゃん水着一人で選ばなかった!?」
向かおうとしたら、すごい剣幕で茜に止められた。
「おい、茜。危ないから両手を上げるのはやめなさい」
助手席に座っている茜が空へ手を伸ばしている。なぜ、こんな状況になった?
「それは茜がヒカリと勝負して勝って、その報酬として私たちと遊びにいきたいと言ったから。つまり、ヒカリの裸を想像したタツミの責任」
「……お前はナチュラルに人の心を読むのをやめろ」
茜の決めた罰ゲームは『お兄ちゃんとアンナちゃんを誘って、明日四人で遊びにいくー!!』というものであった。一ノ瀬さんが申し訳なさそうに俺とアンナを誘ってきた時は、むしろこっちが申し訳なくなった。なんなら茜を止めようかとも提案したが、更に申し訳なさそうな顔になったので、結局茜の思い通りになったわけだ。
(まぁ、四月から茜と一緒に遊びに行くことも減っちゃってたし、たまにはいいかな)
「フッ……、シスコン」
「おい、アンナ? 一応確認するがお前マスターの心を読むとかそういう機能ないよな?」
「……さて、どうでしょーか?」
後部座席で隣に座っているアンナが不敵な笑みを浮かべる。当然、そんな機能はあるわけがないので、ブラフだろう。いや、ブラフであってくれ。
「皆さん、目的地が見えてきましたよ」
「わーいっ、アルモ!!」
「……ホントデカイし、すごい施設だよな、アルモ」
「アルティメットと冠するだけのことはある」
アルモ──最近オープンした複合型商業施設でとにかく広い。ショッピングモール、映画館、水族館、テーマパーク、プール、コンサートホールなどなど、とにかく休日はここに行けば一日時間を潰せるという施設だ。ちなみにアルモの正式名称はアルティメットモールと言い、どこか中二くさい名前だ。
「で、茜はアルモのどこで遊びたいんだ?」
全部回ってたら一日じゃ足りないのは確定的なのである程度絞る必要がある。
「水着買って、プール!」
「えー、だったら家から水着持っていけば良かったのに。つか、アンナはプールとかどうなんだ?」
「完全防水。ぶい」
どうやらオートマタは水につかっても大丈夫らしい。
「さいですか」
「お兄ちゃん分かってないなぁ。水着をみんなで買うのが楽しいんだよ!! 新しい水着でプールに行くともっと楽しいんだよっ!!」
「さいですか」
親父から茜とアンナのためにと貰った小遣い一万じゃ足りないのは確定的になったので、コツコツ貯めておいたバイト代から捻出することになりそうだ。まぁアンナと茜の水着を買うのは良しとするが、自分の水着は痛い支出だな。
「タツミ、内心では大興奮でしょ? ヒカリの水着姿が見れる」
「……ソウダネ」
言えない。お金のこと考えてました、とは言えない。俺は遠い目で窓の外を眺めることしかできなかった。
「さて、そろそろ着くのでルーフ閉めますね」
「はーい」
アルモに着いた。
「人多い」
着いて早々のアンナの一言は責めることはできないだろう。今日は日曜のためか、アルモ内はめちゃめちゃ混んでいた。
「つーか、アンナ絶対人間じゃないってバレてるけど大丈夫なのだろうか」
モーラーの上位陣はダンジョン産の騎獣やロボット的なのを連れているが、やはり相当レアなので日常生活では滅多にお目にかかれない。
「よゆー。認識阻害の魔法を使ってる」
「アンナさん、すごいですね……。そんなことまで」
「うんうん、アンナちゃん流石っ!」
「フフ、それほどでもない」
一ノ瀬さんと茜は素直に感心しているが、本当にそれほどでもない、というかそれは嘘だろう。なぜならさっきから周りの人がめっちゃアンナに視線向けてヒソヒソしてるし、なんなら写メ撮ってるからな。
「まぁ、仕方ないか。さて、水着売り場はどこかなっと」
とりあえず変に気にするのはやめて、総合案内の看板を見に行く。五階のスポーツ用品売り場に水着コーナーがあるとのことだ。
「五階らしい。さ、行くぞー」
「「おー」」
「フフ、辰巳君お兄ちゃんしてますね」
その一言にチラリとアンナの方を見る。
「なに」
「お兄ちゃんとか言うタイプには見えないな、と思って」
「タツミは私に妹になってほしいの?」
「お兄ちゃん浮気っ!?」
「いや、妹は一人で手いっぱいだ。これ以上は面倒見きれん」
「うぅ、茜、お兄ちゃんにめんどくさい子って思われてる……」
「フフ、よしよし。じゃあ茜ちゃんは私の妹になる?」
「なるーっ!!」
浮気された。茜はひょいっと一ノ瀬さんの腕にしがみついて、こちらにアッカンベーだ。
「じゃあ、妹枠が空いたから仕方なく妹になる。おニイちゃん」
アンナにちょこんと手を握られた。なんだろう、犯罪臭が半端ない。というか、この状況を写メで撮ってる皆さんは本当に自重して欲しい。肖像権の侵害とか、盗撮に当たるだろう。性的な目的で撮らなきゃ盗撮にならないとか思ってないよな?
「アンナ、手を振るのはやめろ」
「なんで? ファンサービス」
向けられたカメラに向かって、空いてる方の手を振るアンナ。うん、盗撮とか肖像権の侵害とかには当たらなそうだわ。
「……おい、もう手、離していいか?」
「なんで? おニイちゃん私と手を繋ぐのがイヤなの?」
「お前はSNSの恐ろしさを知らないんだよ」
「……ヘタレおニイちゃんめ。ま、しょうがない」
手遅れ感は否めないが、気にしたら負けだろう。暫くはSNSを開かないことを決めた。
そして長い長いエスカレーターを経て、ようやく水着コーナーだ。
「じゃあ俺はこれにしよっと。みんな決め終わったらラインしてくれ」
俺は入ってすぐの30%オフになっている黒のハーフパンツ型の水着にした。水着には拘りがないため、無難かつ安価なものこそ最強だ。というわけで、水着選びに時間が掛かるであろう三人には好きなだけ時間を掛けていいぞ、と言ったところでレジへと──。
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