電脳恋愛のすゝめ

コトシナミノル

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第20話 君が抱く闇の名は

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『YUNIさんこんばんは。前回からはそんなに日が経ったわけでもないのに、なんだか久しぶりな気がします』

『今日は狩りではなく、話を聞いてもらいたかったので誘いました』

『本来このボイスチャットは狩りの際の連携を向上させる目的で始めさせていただいたものです。そのため本来の趣旨と外れた使用法となってしまうことを初めに謝罪しておきます。嫌ならいつでも回線を切っていただいて結構です』

『……了承してもらえたということで、続けさせてもらいます。今日お話ししたいのは僕の友人の話です』

『僕の友人を仮にAと呼びます。Aはとあるゲームをしているのですが、ひょんなことからBさんという方と知り合い、定期的に遊ぶようになりました』

『Aは些細なきっかけから実はBさんは自分の高校に在籍しているんじゃないかと思うようになりました』

『Aは学校内で調査をした結果、Bさんが自分のクラスの人間であり、また2年生に進級してから今まで学校に来ていないことを突き止めました』

『Aは調査を続け、Bさんの不登校の原因にはCという女子が関与していることを知り、AはCにBさんがどうして学校に来なくなってしまったのかを聞きました』

『高校一年生の頃、CはBさんと親友とも呼べる間柄でした。2人は入学式の日に意気投合し、以来好きなゲームで遊ぶ仲だったと言います』

『しかし、そんな2人の仲も唐突に終わりを告げました』

『CにBさん以外の友達ができたのです』

『Cは中学まで友人がおらず、高校に入って初めてできた友達がBさんでした。しかしちょっとした趣味がきっかけでCには新しい友達ができました』

『Cは喜びました。新しくできた友人から受ける未知の刺激が自身を成長させてくれていると強く実感したからです』

『次第にCはBさんと遊ぶ時間が少なくなり、ついには会話をすることすら無くなりました』

『終業式が終わり、CはBさんに呼び出されました。最近自分とは遊ばなくなってしまったのは何故なのか?何か自分に悪いところがあったのか?BさんはCに問いました』

『目の前のBさんを見て、Cは思いました。会わなかった数ヶ月間、新しい友人が増えていった自身と対照的にBさんは相変わらず1人でした』

『元々Bさんは極度の人見知りで、Cと同様に高校に入るまで友人はいませんでした』

『そしてCという友人ができ、疎遠になろうともBさんは変わろうとしなかったのです』

『このままBさんと付き合っていて良いのだろうか?自分の存在が、Bさんの成長の機会を阻害しているのではないか?とCは思います』

『最終的にCはBさんと決別する道を選びました。そうすることがお互いにとって一番良いとCは思ったのです」

『しかし、それは最悪の結果に終わりました』

『春休みが終わり、新学期に入ってもBさんの姿は教室にありませんでした。それから今に至るまで学校内でBさんの姿を見た人は誰もいません』

『以上がBさんが不登校になってしまった流れです』

『Bさんの件について、Aはこう思っているそうです』

『学校に来たくないのであればそれは仕方がない。別に学校に行かなくても死ぬわけでないし、嫌なことを進んでやる意味もないだろう……と』

『しかし』

『しかし、Bさんが仮にとも』

『ただ、その為にはBさんが今どう思っているのか?真意を聞かなければなりません』

『既にAはBさんにどうして学校に来なくなったのかということを聞こうとして、失敗してました。Bさんに明確な拒絶をされてしまったのです』

『そのため自分にまで相談されたわけなのですが、僕自身どうしたらいいのか分からず、こうしてYUNIさんにご相談させていただいている状況です』

『まずはここまで聞いていただき、ありがとうございました』

『きっとYUNIさんは大いに戸惑われていることでしょう。なんなら怒りを覚えているかもしれません。僕とあなたの関係は単なるゲーム仲間であり、リアルの相談を持ち込むのはルール違反です』

『そのことを覚悟の上でこうしてあなたに話しています。もしよろしければ、何か助言をいただけないでしょうか?』



『質問をしても……いいでしょうか?』

『結構です』

『し、CさんはBさんのことを……き、嫌いになったわけじゃ……ないんでしょうか?』

『正直に言えばCの中でBさんが占めるウェイトは最初の頃よりも小さくなったと言っていました。しかし、Bさんを嫌いになったことは決して無く、むしろ自分の友人になってくれたことを感謝していると。信じてもらえないかもしれないが、Bさんのことが好きだからこそ敢えて突き放したのだとCは言っているそうです』

『そう……ですか。じゃあ、最後に一つだけ』

『はい』

『え、AさんはどうしてBさんに関わろうと思ったのでしょうか?く……いえ、AさんがBさんにそこまでする理由が……私にはわからないのです』

『そう……ですよね。ええ、おっしゃる通りだと思います。ただしそれを知るにはAについて話さなければならないことがあります。あまり楽しい話でもないですし、聞いて後悔するかもしれません。……それでもYUNIさんは聞きたいですか?』

『はい……Aさんが……良いのなら』

『わかりました』

『話を続けましょう』
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