冷たいアイツとジェラテリア

結城 鈴

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 日曜日。今日もいい天気だ。日が高くなれば、暑くなるだろう。
目が覚めてリビングに行くと、ランはパジャマのままベランダに出て、水やりをしているようだった。
「おはよう。」
「おはよう楓李。よく眠れた?」
ばっちり、と返してランの背中越しに覗き込むと、いくつか鉢植えがあり、ミニトマトが実っていた。
「ベランダがあったんだね。カーテンしてるから、気がつかなかったよ。」
「うん。ミニトマト、摘む?」
赤いのとって、とランが言うので、入れ替わりにサンダルを借りて外に出る。
「ん-・・・気持ちいい。」
大きく伸びをしていると、ランがザルを持ってきた。
「日曜は、天気が良ければ走りに行くんだ。広めの公園があって、ランニングコースがあって。」
朝から走るなんて、陸上部を引退してからまったくやってないな、と苦笑する。
「ランは体力ありそうだね。・・・ジムは週何回くらい行くの?」
「三回行きたいけど、現実は一回とかの週もあるよ。遅くまでやってるけど、仕事に差し支えるし。」
そっか。と頷いて、摘んだトマトを渡す。カラリと窓を閉めて、カーテンを引いた。
「ありがと。これも食べよう。オムレツでいいかな?」
「うん。」
時計を見ると、まだ七時前だ。もしかして、とキッチンに行ったランに声をかけた。
「オレが泊ってるから、走りにいけないの?」
「・・・うん。一緒に行きたいけど・・・。靴のサイズまでは分からなかったから。」
サイズがわかってたら、ランニングシューズを用意するつもりだったのだろうか。
「それはさすがに自分で用意するよ。」
じゃぁ、次に泊まりに来た時ね、と嬉しそうに笑う。
「急に走るのは無理だけど、散歩くらいならどう?」
「いいの?あ、じゃぁTシャツ貸すね。ご飯食べてから?」
お腹は空いていたけれど、夏の日差しは強い。あっという間に気温が上がるだろう。行くならもう出た方がいい。
「お茶だけちょうだい。散歩してからご飯にしよう。」
「あぁ。なら、帰りにパン屋に寄ろう。焼きたての美味しいのが食べられるよ。」
焼きたてのパンか。そう言われると食べてみたい。
「よし決まり。顔洗ってくる。」
「うん。着替えだしておくね。」
仕事以外で体動かすの、久しぶりだなぁ。楽しいかも。
洗面所に向かうと、後をついてきたアドリーナが、客間に入っていった。

 ランに借りた、ゆったり目の白いTシャツを着て、公園があるという方向に歩いている。ランは歩幅を合わせてくれているらしく、人気のない細い道を急ぐでもなく進む。ランは、黒のTシャツだ。いい男は、服を選ばないな、とため息する。
見上げると、顎のあたりがキラキラしていて、ひょっとして髭が伸びてるのか?と思わず手を伸ばしてしまった。急に顎に触れられて、ランがびくりと立ち止まる。
「わ?」
「あ、ごめん。髭?」
チクリとした感触に、ランも髭が生えるんだな、などと思い、なんだか感心してしまう。
「気になる?剃っておけばよかったな。」
「オレもだし。・・・っていうか、髭剃りどうしよ。」
さすがに衛生用品は借りられない。
「コンビニにあると思うけど、いつもは電気シェーバー?」
「ううん。カミソリ。」
なら、それも買って帰ろう、とランの手がそっと背中に触れた。布越しに、大きな手のひらを感じて、パーツがいちいちでかい、と苦笑した。
「ほら、ついた。」
「へぇ。広いね。」
公園は、子供が遊ぶようなそれではなく、どちらかと言うと緑地といった雰囲気だ。大き目の木が生えていて、日陰を作っている。気の早い蝉が鳴き始めていた。犬の散歩だろうか、まばらに人がいる。
「外周がだいたい一キロで、二周くらい走るんだ。」
マンションとの往復を入れると、適当な運動量といったところか。
「走るの久しぶりだから、少しずつかなぁ。」
「楓李、やっぱり走ってた?」
筋肉の付き方で、そうかなと思ってた、とランが首をかしげる。
「高校の時までね。陸上部で・・・。でも短距離だったから、軽く流すくらいから慣らしていきたいな。」
それがいいね、とランが頷く。
「一周してパン屋とコンビニに行こう。」
「うん。」
木陰の道は気持ちがよく、誰かとこんな風に散歩するなんて、考えたこともなかったな、とのんびり歩いた。
「ご飯の後はどうする?」
「ランは・・・日曜はどうしてるの?」
問で返すと、少し困ったような顔をして、ジムに、と返ってきた。
「あー・・・。そっか。留守番してようか?」
そろそろ、帰るでもいいなと思っていると、ランは少し考えて、一緒に行く?と言った。
「見学もできるし、日曜は確か、会員にならなくても使えるマシーンがいくつかあるんだよ。」
面白そう、と思ったが、右手が気になった。ディッシャーに慣れなくて、傷めているのだ。筋トレどころではない。
「ごめん。ちょっと、手首傷めてて・・・。」
「あぁ。気がつかなかった。腱鞘炎?」
ランの視線が右手に移る。さす、と撫でて、手のひらを握ったり閉じたりと動かしてみた。休ませているから、痛みはさほど強くないが。悪くしたら仕事に支障が出る。
「慣れないとやりがちだよね。・・・ジムの近くの整骨院、腕がいいよ。俺も研修で傷めて、診てもらった。」
不破に聞いたのを思い出す。ランに教えてもらえ、と言っていた。
「不破さんが、教えてもらえって。」
俺に?とランが首をかしげる。
「・・・不破さんにはあとでお礼しなきゃ。」
「?」
ぽそ、とランが呟いた言葉の意味がよくわからず、顔を窺うと、ニコリと笑われた。
「人脈と地位と権力は大事だって話。」
「??」
ますますわからずに、まぁいいか、と頷いた。

 朝ごはんにパン屋で買った食パンをトーストにしたのと、オムレツを食べて、洗濯をしてから、二人でバスに乗った。ジムには歩いても行ける距離だとランは言ったが、気温が上がってきていたので、マンションの前のバス停から乗ることにしたのだ。
「すぐだから。」
言われて座ろうか迷う。まばらに席は空いていたが、ランは座らないようだった。なんとなく、そばに寄り添って窓の外を見ていた。乗り降りも少なく、あっという間に目的地についた。
重厚な鈍色(にびいろ)のタイルに覆われたジムは、そうと知らされていなければ何の建物だかわからないデザインで、外から中の様子を窺うこともできない。控えめなプレートには金文字で会員制と書かれていた。ランが自動ドアをくぐったので、後についていく。受付のカウンターには小柄な男性が一人。想像していたよりも細い見た目に、拍子抜けする。
こういうところの人は、みんなマッチョなのかと思ってた。
「あ、伊住さん。こんにちはー。河原木さんいますよ。
・・・めずらしい。お友達ですか?」
そんなやり取りが聞こえてきて、ランの背中越しにぺこりと挨拶する。
「見学、できそうです?混んでたら今日はやめときますけど。」
ランがそう言うと、カウンターのモニターを少し見て、見るだけなら、と返した。
「マシーンの体験は無理かな。トレーナー欠員が出ちゃってて、ついてあげられないから。」
「そうですか。じゃぁ河原木さん、キリの良いところで呼んでもらっていいです?紹介したいので。」
お願いしますとランが言うと、受付の男性は、了解です、と返して奥に消えた。
「お友達、がきてるの?」
「友達というか、専属のトレーナーさん。話が合うから、個人的にも少し付き合いがあって。」
ふうん?と首をかしげていると、受付の先のドアが開いて、ランと同じくらいの背の、不破よりも筋肉の発達した、金色がかった茶色の髪の男性が現れた。こちらをみて、ニッコリと笑う。若い見た目だが、年は不破と同じくらいだろうか。
「マユミさん。こんにちは。」
「こんにちは。いらっしゃい。ごめんね、今日はちょっと手が足りなくて。」
「ごめんなさい。連絡してから来ればよかった。」
ランが、親し気に話すのを見て、この人が河原木さんか、と思う。
「マユミさん、前に話した・・・高梨さん。」
紹介されて、体をそちらに向ける。すると、河原木は、首から下げた身分証を両手の親指と人差し指でつまんで見せた。
「河原木雅弓(かわらぎまゆみ)です。伊住さんのトレーナーしてます。よろしくー。」
人懐こい感じで挨拶されて、どぎまぎしてしまう。
「高梨楓李です。」
どうにかぺこりと頭を下げると、河原木は目じりの皴を深くして、どうもーと言った。
「筋トレ興味ある?」
「や・・・えっと・・・。」
思わず言い淀むと、河原木は、あはは素直だ!と苦笑した。
ランと一緒なら、たまにはいいかもだが、受付のカウンターにある料金表に、驚いたところである。会員になるのは難しい。今の収入で、筋肉にお金をかける余裕はない。
「会員の連れなら、ビジターで使えるマシーンもあるから、たまには来てみて。伊住さんのお友達なら、仲良くしたいし。」
「・・・はぁ。」
たとえて言うなら、大型犬に興味を持たれた感じだろうか。固まっていると、ランが間に入ってくれた。
「マユミさん、俺の連れなので・・・。その・・・。」
「わかってるって。応援してるから!それより、今月、アンドレア帰ってくるから、食事でもどう?パートナー同伴で。」
ランが、ちら、とこちらに視線をよこす。
「・・・楓李、一緒に食事とか、大丈夫?」
へ?
え?ちょっとまって?ランのパートナーってオレなの?
「逆に、オレが行っていいの?」
「もちろん。みんなフレンドリーだから、すぐに仲良くなれるよ。」
ランはそう言ってご機嫌だが。
「都合が合えば・・・。」
「もちろん。連絡は伊住さん経由でするね。
あ、待たせてるから、また今度。ゆっくり。」
失礼しますーと言い置いて、河原木はまたドアの向こうに消えていった。
なんか・・・びっくりした。
ランの交友関係を覗き見られたのは良かったけれど、状況についていけてない。
オレってパートナーなの?友達になったばかりなのに?
ランの方を見ると、なぜかほんのり耳が赤くなっていた。
 歓迎会の飲みの後、ランの家に泊まった時に、コンビニで話していた「マユミさん」が、河原木だと気付いたのは、マンションに帰ってからだった。
女性じゃなかった。
くわえて、マユミにもどうやらパートナーがいるようで、ほっとしている自分に首を傾げた。

 「そういえば・・・。もしかして月曜の朝は、出勤早いの?」
前回泊った時、ランはかなり早い時間に、家を出たのを思い出した。
ジムの帰り。そろそろお昼だからと、軽食屋に入った。ランが、お気に入りのサンドイッチがあるのだという。勧められるままに、クロワッサンの生ハムサンドと、海老アボカドサンドとカスクートを食べた。食後にコーヒーフロートを飲んでいる。きつめにエアコンの入った店内が心地いい。日曜の昼時で込み合っているから、男二人でもあまり気にならなかった。
「あぁ。先週は、月初の月曜だったから。今週は八時半くらいに出れば間に合うよ。」
そうなのか。ジェラート屋の本社が、どんな仕事をしているのか、いまいちピンとこない。ランが、新しい商品を作っているのと、確かコーヒーを扱っているのは知っている。
「俺は直接関係ないけど、営業と経理は、各店舗の売り上げみたりするんで、棚卸の次の日は早いんだよね。実は俺もまだよくわかってない。」
え?あぁそうか。同い年なんだから、ランも今年入社したってこと?
「なんか・・・理不尽。」
「何が?」
ランが、きょとんと首をかしげる。グラスの氷がカランと音を立てて崩れた。バニラが溶けて沈んでいく。それを、スプーンでつついた。
「同い年の同じ男なのに、なんでオレはブラック企業に入っちゃって、二ヵ月で辞めた上にバイトなんだろ、って。」
フラゴラが駄目なわけじゃないけどさ、とため息してしまう。
明楽フーズは、バイトに至るまで福利厚生のちゃんとした、優良企業なのに。
「うーん・・・。まぁ・・・そこらへんは俺も別に選べたわけじゃないから・・・なんとも。楓李のことに関しては、そのおかげでこうして会えたわけだし、悪いことばかりじゃないよ。」
ランに会えたことがいいこと?
ハッと占い師の言葉を思い出す。
俺の幸運は、ランに会えたこと。
もしかして・・・いや・・・まさかね・・・。
ランに会えたこと以外、いいことない、なんてこと。
「楓李?」
「えあっ?」
「ごめん、気を悪くした?」
ランが不安そうな顔をして首をかしげている。
「えっ?なんで?」
「いや・・・違うなら、いいんだけど。」
そろそろ出る?とテーブルの端にある伝票をつまむ。
「あ、オレのぶん出すから!」
「食べたかったの俺だから。付き合ってもらって嬉しいし。」
気にしないで、と席を立つ。慌てて追いかけたが、ランは支払わせてくれなかった。
男が、同い年の男に、ご飯奢られるのって、普通?
友達なのに?
付き合いたての男女のカップルみたいじゃない?
それぞれなのは、重々承知だけど。
お金がないの・・・気を使われてるのかな・・・。
先月半ばの入社だから、今月入る給料は少ない。ほとんど家賃で消えてしまう。貯金を切り崩しての生活で、遊ぶ金は贅沢だ。
もやもやしながら、あとをついて歩いた。

 夕食を一緒に、と誘われたが、ランにこれ以上食べさせてもらうのは、なんだか矜持がうずくので帰ることにした。
せめて送っていかせて、と言うので、助手席に収まっている。
日曜の夕方、今日も暑かったから、まだ外は危険な気温だ。空気が重く、夕立がありそうだった。空の半分が暗く、遠くで雷が鳴っていた。
住所を告げると、ランはナビに入力して、アパートまでを案内させている。車なら三十分くらいの距離だった。
ランが無言でステアリングを握っているので、流れている音楽を聴きながら、外を見る。知った場所に出るのに、そう時間はかからなかった。駅の駐輪場に自転車を預けたままだと気付いたのは、アパートまでの坂道を登っている途中だった。
自分は明日も休みだし、歩いて取りに行けばいいか、そんなことを考えているうちに、車はアパートについた。
 アパートの敷地を囲む低い玉柘植の生垣、その向こう。隣の部屋の前に人影かある。見知った大家の夫人と、住人の母子だ。何か話しているようだが、もめているようにも見える。そんな様子に、体がこわばった。
「楓李・・・?ついたけど・・・。」
ここでいい?とランが言うが、声が遠く感じる。降りなければと思うのに、指が動かない。
どうしよう。
帰りたくない。
「楓李?」
「・・・うん。ごめん。・・・もうちょっと、いい?」
せめてあの人たちがいなくなるまで。
俯いて膝に視線を縋らせる。
「うん。」
ランは、何も言わずに頷いてくれたけれど、いつまでもここにはいられない。車を停めていていい場所じゃないし、こちらに気付かれたくない。
もう・・・なんでこうなの?
嫌だ。逃げたい。
誰か助けて。
ポタ、と膝に雫が落ちた。
え?うそ・・・。
オレ、泣いてんの?
そう思ったのと、ランの手が肩を掴み、強引にそちらを向かせるのがほぼ同時だった。
一瞬視線がかち合って、ランが目を伏せる。シートベルトがシュル、と音を立てて、ランが身を乗り出した。
唇が触れる・・・。
そう思ったら、固まっていた体がわずかに動いて、背中をそらした。
「っ・・・。」
びっくりして、ランの胸を押し返す。
ランは、眉根を寄せてこちらを見ていた。
「・・・ごめん。」
低く、かすれた声がランの唇を震わせる。
「・・・えっと?」
キス・・・しようとした?
聞けずに、しかしどうしようもなく否定できない状況に、頭が混乱する。
「ごめん。勘違いだった・・・?」
ランはそう言うが・・・。
「勘違い・・・って?え?」
ランの顔から血の気が引いて、唇が震えている。
「あ・・・。え?いや・・・うそぉ・・・。」
何か言わなきゃと思うのに、まともな声が出ない。
キス?キスしようとしたよね?
経験のない自分にも、わかる距離だった。
「ごめん。どうしよう。俺・・・。」
ランが泣き出しそうな声でごめんと繰り返す。
どうしたらいいの・・・。
「えと・・・。送ってくれてありがとう。・・・じゃぁ。」
カチンとシートベルトを外し、ドアを開ける。外に出て、ランを振り返るけれど、俯いていて表情が読めない。
どうしよう。
『またね。』って、言えない。
小さな声で、ありがとうと言い置いて、その場を後にし、逃げるようにアパートの中に入った。
ザァッと大粒の雨がアスファルトを叩く音が聞こえ始め、埃っぽい匂いがする。近くに雷が落ちる、どぉんと空気が振動を伝える。
久しぶりの雨は、いわゆるゲリラ豪雨というやつで。
隣人と大家は、いつの間にかいなくなっていた。

 ドアに背中を預けてしゃがみ込む。心臓がドキドキとうるさいのは、走ったからではないだろう。
キス、されそうになった?
なんで?
泣いたから?
同情された?だとしても、キスするか?文化の違い?
でも、男が男にキス・・・する時って・・・。
冗談とかでは、ない雰囲気だった。
どうしよう。逃げてきちゃった・・・。
 
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