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ハッキリしないのなんとかしてほしい 〜ケンタ〜
03
しおりを挟む「おーい、ワタルゥー。何してんだー?」
自分の部屋に閉じこもったワタルの部屋のドアをノックしながら言ってみる。
すると、ドアが開き真剣な顔でこう言われた。
「ほんとに、大丈夫なんだな…? 性欲スイッチが入ったときとは違うんだぞ?」
ケンタは首を傾げる。
「うん、そうだな。違うよな。今は性欲に溺れてないし」
「そういうことじゃなくて……、まぁいいや。いいんだな」
諦めと覚悟を決めたような顔をして、僕を部屋に入れてくれた。
「ワタルのほうこそ大丈夫なのかよ。やってみようとは言ったけどさ、僕は性欲スイッチ入ってる状態じゃないんだぞ? 出来るのか?」
「何をいまさら…当然だろ……」
ワタルが何か言ってたが、ぼそぼそと小さくて聞き取れなかった。
とりあえずベッドの上に座ると、向かい合っていたワタルが僕の肩から胸まで優しく触れるかのように撫でられ、自分が上半身裸だということに気付く。
「…くすぐったいな」
「そうか。性欲スイッチが入ってると感じているのにな」
その後、腰や背中にも撫でられたが、くすぐったいだけだった。敏感だったはずの乳首でさえ。
「……今の状態で下半身を脱ぐっていうのは、可能か?」
おそるおそる訊ねられたが、今の状態で脱ぐのは恥ずかしく、躊躇してしまった。性欲スイッチが入ってるときはすぐ脱げられるけれど……。
「すまん、そうだよな。上から触っても大丈夫か?」
上からというのは間違いなく股間のことだろう。答えるのもなんとなく恥ずかしいので、コクリとうなずいた。
ワタルはそうっと股間に触れ、僕自身の形を確認するかのように撫でていた。
感じることはない。だが嫌悪感もない。
ただ、触れているんだなという感触だけだ。
「……直接触れてみたら?」
ケンタはワタルにそう提案してみる。
「直接触れていいんだな……?」
心なしか、ワタルの声がかすれているような気がする。
ズボンは脱がせず、ワタルの手が中に入り僕自身をキュッと優しく握った。
「んん…。さっきとは、違う、かも?」
服の上ではなく直接触れているからだろうか。しかし、感じることはなく柔らかいままだった。
陰茎をしごいてくれたが全然反応はせず、陰嚢をもみ込んだり、亀頭の先端を親指で擦ったりしてくれたりしたが駄目だった。
感じるよりも先に摩擦で痛くなりそうだ。
これじゃ本当に不感症じゃないか。
「全然感じない……。よし! うしろを使ってみよう!」
さっきまで脱ぐのは恥ずかしかったが、こうも反応がないと、前立腺も直接やってもらったほうがいいだろう。
不感症でも前立腺なら感じると聞いたことがあるし。
「待ってくれ! うしろ準備してくるから!」
「は、え、ああ、分かった」
びっくりしたかのような反応。ここまでするとは思わなかったんだろうか?
そのまま続けてもよかったんだけど、性欲スイッチが入るまでの間隔からして、まだ来ないと思ってうしろの準備はしてなかったんだよな。いつもだったら、前日か、前々日くらいからしてたんだけどさぁ。
◇
「待たせたな!」
しっかり洗浄していたものの、気持ち的に急かしていたからか、うっかりノックせずにドアを開けてしまった。
椅子に座って屈んでいたワタルがビクーッと身体が大きく震え、ゆっくりと顔だけケンタのほうに振り向いた。
「お、おう…」
ワタルに近づいてみると、ズボンから自身を出していて、ギンギンに勃っていた。
「あ、すぐ出来るように準備してくれたのか。すまんな…待たせてしまったか?」
「いやいや! そんなことないぞ!」
実は、ケンタが戻ってくる前に一度抜こうと思ってただけで、タイミング悪く途中で戻ってきてしまったという状態だった。
そんなことを知らないケンタは、僕なんかのためにすぐセックス出来るように今からでも勃ってくれたのだろうと勘違いし、気合いを入れて腰にバスタオルを巻いていたのをはぎ取り、ベッドの上で座った。
「お願いします」
病院で診察される気分で言ってみた。
それがなんかツボだったのかワタルは吹き出した。
「おいっ! こっちは真剣なんだぞ!」
笑われるとよけい恥ずかしくなっちゃうじゃないか。
ごめんごめんと笑いながら僕を優しく抱きしめて、とても真剣な声で言った。
「これから試してみるけど……嫌だったらちゃんと言ってくれよな」
真面目だなぁ。全然嫌じゃないから大丈夫だって……。
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