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しつこいのなんとかしてほしい 〜ケンタ〜
04
しおりを挟む「やめ…っ! お湯入っちまう…!!」
慌てて必死にバスタブから上がろうとしたが、ずるいことにワタルは僕自身を握ってきて力が抜けてしまう。
その隙に深く挿入してきて、お湯も入ってきたような感覚に恐怖を覚える。
「大丈夫……俺の指が栓になってるから……」
「そう…じゃ、ないっ……」
ワタルめ、抜き差しをし始めやがった…!
「ひあっ、あっ、やめっ、湯がっ、ああんっ」
抜かれるたんびにお湯が入ってる気がするからやめてほしい。バスルーム内が僕の喘ぎ声で響くのが恥ずかしくてたまらない。
だんだんと波打ちし始めて、泡もふわふわと流れていく。
お湯はそんなに熱くはなかったが、頭がちょっとクラクラする。のぼせそうだ。
「まっ、ちょ、やばい」
「俺も……」
ちょっとまて、今の絶対に意味をはき違えてるだろ。
ケンタの予想は当たっていて、後孔に既にガチガチになっていたワタル自身がするりと挿入してきた。
「ちが、う、のぼせ、るっ、やばいって」
「ケンタのナカ、あっつい……」
違う、こいつ分かってて挿れやがった…!!
水の浮力のおかげでやすやすと揺らされて、外からも中からも熱くて、本当に目が回りそうだ。
そろそろ危ないかもしれない、と思った頃には動きが止まっていて、
「……のぼせると大変だから立とっか」
脇の下に掴まれ、抵抗する暇もなく立たされた。
さすが護衛してるだけであって、難なく持ち上がられたのが悔しい。
心臓がバクバクしていて呼吸が荒くなる。
「せっかく……洗ったのに……」
壁にもたれてそう呟く。言いたいことはもっとあったはずなんだが、上手く考えられない。
足はガクガクしてて力が入らず、ワタルが腰を回して支えてくれていた。
「ナカは出さないでおくから。それにこれで最後にするから」
「絶対、だな…っ!?」
そういえば立ってするとか初めてだな。バスルームでするのも初めてだけどよ。
いつの間にかワタルの行動を受け入れてる自分が恐ろしくなってくる。
……たぶん、好きだから、なんだろう、な。
立ち上がる時に抜けてしまったワタル自身がまた入ってきた。
「……ああんっ、あっ、あっ」
なんかいつもより深く入ってる気がする。
もう何度かイっちゃったから、なかなかイくことができないのがもどかしい。
ワタルが動くたんびにチャプチャプと水音がして余計興奮してしまいそうだ。
ずっと壁を見ながら感じるよりも、ワタルの顔が見たいと思い、上半身を出来るだけひねってキスをねだると、すぐしてくれた。
胸がキュウンとなり、まだ言ってなかったことを伝えようと不意に思った。
「……はぁっ、ワタル……、たぶん、初めて手首掴まれたあの時から、もう惹かれてた、かもしんない……」
——その性処理、俺に任せてみない?
たとえ性欲スイッチが入ってたとしても、本当に嫌だったら思い切り拒否してた。それにあの時そんなに強く掴まれていないと記憶している。すぐにでも逃げられたはずだ。それなのに僕は……。
「気づくの、遅くて、ごめん」
すると突然ワタルから強く抱きしめられ、抜き差しがだんだんと激しくなっていく。
「あっ、あんっ、わたるっ、ああんっ」
初めての立ちバックに、いつもより深く突き上げている気がして、喘ぎ声が止まらない。
「ああっ……」
もう無いかと思っていた精液が少しだけ放出し、壁を汚してしまう。
そしてワタルもイく寸前に抜いて僕の背中に放った。
「も、無理……寝たい……」
「うん、ごめん。身体流そうな」
へたり込んでもう動けない自分を、きちんと清めてもらい、僕の部屋まで抱えてもらった。そこからの記憶はない。
◇
「ねぇねぇ、いってきますのキスしようよ~」
「しない。とっとと行け」
呪いが解け、晴れて恋人同士になった二人は甘々の日々が始まるかと思えば、そんなことなく通常通りだった。
「じゃあせめて愛の言葉をちょうだい♡」
「言わない。だから遅刻するってんだろっ、抱きしめるな!」
二人とも出勤時間になり今から出ようとドアを開ける前に、毎日ワタルから甘えてきて必死に抵抗している。
でも本気で嫌じゃないから困る。
「えー、今日一日頑張るために欲しいのに~」
しつこい。抱きしめてくる力もなかなかだ。
これじゃ本当に遅刻してしまう。
観念して、未だに拗ねているワタルの胸ぐらを掴み引き寄せてキスしてやった。ついでに唇に触れる程度に舐めてやる。
「……これでいいだろっ!」
不意打ちにキスされ硬直した隙にワタルの腕から抜けだし、さっさと仕事へ向かったのだった。
【HAPPY END!】
■■■
完結しました!
なにぶん初心者で何かと力及ばずでしたが、しおりやお気に入りをしてくださった方々、たくさんの作品の中からこの作品を読んでくださった方々のおかげで最後まで書き切れました。
完結しましたが、ワタルとケンタが愛おしいので番外編も書けたらなぁと考えていたりします。
また、新しいのを取り掛かる時には、少しでもレベルアップできたら…と思います。
本当に最後まで読んでくださりありがとうございました~!
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