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えっ?ゲームの世界だったの?
領地での農業の発展に寄与したリチャードの名は王宮にまで轟いていた。
貴族というより裕福な紳士に過ぎない男爵のそれも三男ときたら、歯牙にもかけないはずの貴族からもお声がかかるようになったが、遠方を理由に断りを入れていた。
宰相の息子である侯爵家からお茶会の誘いがあり、流石に断ることが出来ず、初めて上級貴族と対面することとなった。
その場には宰相の息子の幼馴染として第二王子や騎士団長の息子、魔術師長の息子もいた。
えっ…
レオポルド…ギルバート…マキシミリアン
キラキラ輝く見目麗しい子息達が視界に入ったとき、リチャードは瞠目した。
彼等は…
前世で何度もプレイしたアダルトな乙女ゲームのメインキャラクターだった。
可憐なヒロインと恋愛模様を繰り広げる、眉目秀麗で秀でた才能をもつ攻略対象だった。
俺はあのゲームの中の世界に転生したのか…
ここがゲームの中の?
ゲームの中で俺は一体どういう存在なのだろうか…
ゲームの中にリチャードという名前は登場していない。
そもそもしがない男爵家子息が煌びやかな世界で活躍するわけもない。
リチャードは愕然とした。
自分はゲームの世界の脇役…いや…背景にしか過ぎないのだと…
自分の世界がガラガラと音を立てて崩れ落ちるような気がした。
「君がザヴォイ男爵家のリチャードだね。噂には聞いているよ」
動揺し顔が真っ青になって固まったリチャードの様子を、緊張のあまり動けないのだと思い違いしたらしい。
主催者の宰相の息子レオポルドがリチャードへ声をかけてきた。
リチャードはレオポルドの声で、ハッと正気を取り戻し、恭しく礼をした。
「シャティオン侯爵家ご子息様、この度は私のようなものをお誘いいただきありがとうございます」
「いやいや、子ども同士の内輪の会なのだから堅苦しい呼び名は控えてくれたまえ。私のことはレオポルドと」
頬を緩ませ微かに笑みを浮かべる姿は麗しくも破壊力がある。
さすが攻略対象だな。
恐ろしい…
彼の笑顔に婦女子たちがころっとおちるわけだ。
「ああ、君がリチャードだね。私は第二王子のギルバートだよ。私のことはギルバートと呼びたまえ」
「僕はジラール侯爵家のマキシミリアンだよ。僕のことはマキシミリアンと」
いつのまにか周りを攻略対象に囲まれていた。
俺がゲームにハマった女子ならあまりの眩さに卒倒してしまっていたな。
かろうじて正気を保って攻略対象を観察する。
艶やかな黄金の髪に王家の証のブルーの瞳。洗練された仕草に凛とした雰囲気はオーラを放っている。
さすが第二王子。生まれながらの王者ってこういう人のことをいうんだろうな。
黒い髪に赤い瞳のマキシミリアンは、煌びやかな二人の容姿に対し、艶やかでしっとりとした色気を放っていた。
正統派の王子ギルバート、ツンデレ派のレオポルド、溺愛派のマキシミリアンか
そういえばゲームは既に開始しているはずだが、ヒロインとの仲はどのようになっているのだろう。
貴族というより裕福な紳士に過ぎない男爵のそれも三男ときたら、歯牙にもかけないはずの貴族からもお声がかかるようになったが、遠方を理由に断りを入れていた。
宰相の息子である侯爵家からお茶会の誘いがあり、流石に断ることが出来ず、初めて上級貴族と対面することとなった。
その場には宰相の息子の幼馴染として第二王子や騎士団長の息子、魔術師長の息子もいた。
えっ…
レオポルド…ギルバート…マキシミリアン
キラキラ輝く見目麗しい子息達が視界に入ったとき、リチャードは瞠目した。
彼等は…
前世で何度もプレイしたアダルトな乙女ゲームのメインキャラクターだった。
可憐なヒロインと恋愛模様を繰り広げる、眉目秀麗で秀でた才能をもつ攻略対象だった。
俺はあのゲームの中の世界に転生したのか…
ここがゲームの中の?
ゲームの中で俺は一体どういう存在なのだろうか…
ゲームの中にリチャードという名前は登場していない。
そもそもしがない男爵家子息が煌びやかな世界で活躍するわけもない。
リチャードは愕然とした。
自分はゲームの世界の脇役…いや…背景にしか過ぎないのだと…
自分の世界がガラガラと音を立てて崩れ落ちるような気がした。
「君がザヴォイ男爵家のリチャードだね。噂には聞いているよ」
動揺し顔が真っ青になって固まったリチャードの様子を、緊張のあまり動けないのだと思い違いしたらしい。
主催者の宰相の息子レオポルドがリチャードへ声をかけてきた。
リチャードはレオポルドの声で、ハッと正気を取り戻し、恭しく礼をした。
「シャティオン侯爵家ご子息様、この度は私のようなものをお誘いいただきありがとうございます」
「いやいや、子ども同士の内輪の会なのだから堅苦しい呼び名は控えてくれたまえ。私のことはレオポルドと」
頬を緩ませ微かに笑みを浮かべる姿は麗しくも破壊力がある。
さすが攻略対象だな。
恐ろしい…
彼の笑顔に婦女子たちがころっとおちるわけだ。
「ああ、君がリチャードだね。私は第二王子のギルバートだよ。私のことはギルバートと呼びたまえ」
「僕はジラール侯爵家のマキシミリアンだよ。僕のことはマキシミリアンと」
いつのまにか周りを攻略対象に囲まれていた。
俺がゲームにハマった女子ならあまりの眩さに卒倒してしまっていたな。
かろうじて正気を保って攻略対象を観察する。
艶やかな黄金の髪に王家の証のブルーの瞳。洗練された仕草に凛とした雰囲気はオーラを放っている。
さすが第二王子。生まれながらの王者ってこういう人のことをいうんだろうな。
黒い髪に赤い瞳のマキシミリアンは、煌びやかな二人の容姿に対し、艶やかでしっとりとした色気を放っていた。
正統派の王子ギルバート、ツンデレ派のレオポルド、溺愛派のマキシミリアンか
そういえばゲームは既に開始しているはずだが、ヒロインとの仲はどのようになっているのだろう。
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