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エピローグ
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目を開けると見知らぬ天井が見えた。
ゆっくりと見回すと、心配そうにベッドの横に座るマキシミリアンの姿が目に飛び込んできた。
「助けを呼んでくださって、ありがとうございます」
記憶は定かではないが、消えゆく意識の中で飛び込んでくるマキシミリアンを見かけた気がする…
「いや。遅くなってすまなかった。リチャードをあんな酷い目に遭わせてしまって…」
マキシミリアンが辛そうに目を伏せる。
「いいえ。マキシミリアン様の所為ではございません。私がもう少し早くあの植物の正体に気づいていたら…それに私は男性ですのでこんなこと…平気です」
マキシミリアンの手を両手でぎゅっと掴む。
今思うとゲームのイザベラはすぐに助けられてよかったなと思うよ。女性が好きな人の前であんな目にあってたらと思うと…
「っ⁉︎そんなこと…リチャードの身体だってとても大切だ。それをあんな…あんな魔木など全て根絶やしにしてやります。僕のリチャードに…」
根絶やし⁉︎苛烈な発言にギョッとする。
僕の?
とりあえずマキシミリアンは興奮しているようだ。
怒るマキシミリアンと対照的に自分の心が落ち着いてきた。
「いったいどうして巨大化したのでしょう?女性しか襲わないという魔木ギヴォンがなぜ私を?」
マキシミリアンと反応して巨大化したんだよな…
特殊なアイテムとか持っていたのかなぁ
「私から漏れ出た魔力に反応したようです。調べたところ私の魔力と相性がよいようで………
魔木ギヴォンは女性を好んで襲いますが、ごく稀に男性を襲うこともあったようです。
男性が口をつぐんでいたために公には知られてなかったようです。
この度の事情について確認されると思いますが、この事は公にはいたしません。殿下に確認済みです」
とても申し訳なさそうに肩を落として俯いている。
マキシミリアンの魔力との相性って…ゲーム補正かなぁ…まぁ、やむを得ない。
男性が事を揉み消す理由はわかる…女性も出来るものならオープンにはしたくないだろう。
「そうだったのですね。予想し得ない特性ですのでマキシミリアン様はお気になさらないでください。
私のことそこまで配慮いただきありがとうございます。殿下にもお伝えください」
「でも…」
凹んだまま立ち直れないマキシミリアン。
「こんなのは、蚊にでも刺されたようなものです。些末な事ですのでマキシミリアン様も気になさらないでください」
俺なら予想し避けられたかもしれないのに、それをしなかったのは俺の責任であってマキシミリアンの責任ではない。
「でも…僕は僕の大切なリチャードを僕の手で傷つけてしまったことが許せない。自分で自分が許せないよ」
マキシミリアンは俺に非常に好意を持っているようだ。
何度も悔しそうに唇を噛み締めるマキシミリアンに顔を近づけるとキスをした。
目を大きく開け呆然として固まっている。
「それでしたら…マキシミリアン様が忘れさせてくれませんか?私では嫌ですか?」
マキシミリアンはごくりと喉を鳴らすと、俺に覆い被さってきた。
*
ゲームはどうなったのだろう。
ガツガツとしたヒロインは俺と同じく前世の記憶持ちのためイレギュラーな行動をしていたのだろうか。
ヒロインは不敬な態度を何度か注意を受けたが無事卒業した。王子ともレオポルドとも恋愛することなく、婚約者と結婚したという。
俺はマキシミリアンと農業と魔法の融合の研究に明け暮れる毎日を過ごしている。
今では俺の世界の主役は俺だ。
ゆっくりと見回すと、心配そうにベッドの横に座るマキシミリアンの姿が目に飛び込んできた。
「助けを呼んでくださって、ありがとうございます」
記憶は定かではないが、消えゆく意識の中で飛び込んでくるマキシミリアンを見かけた気がする…
「いや。遅くなってすまなかった。リチャードをあんな酷い目に遭わせてしまって…」
マキシミリアンが辛そうに目を伏せる。
「いいえ。マキシミリアン様の所為ではございません。私がもう少し早くあの植物の正体に気づいていたら…それに私は男性ですのでこんなこと…平気です」
マキシミリアンの手を両手でぎゅっと掴む。
今思うとゲームのイザベラはすぐに助けられてよかったなと思うよ。女性が好きな人の前であんな目にあってたらと思うと…
「っ⁉︎そんなこと…リチャードの身体だってとても大切だ。それをあんな…あんな魔木など全て根絶やしにしてやります。僕のリチャードに…」
根絶やし⁉︎苛烈な発言にギョッとする。
僕の?
とりあえずマキシミリアンは興奮しているようだ。
怒るマキシミリアンと対照的に自分の心が落ち着いてきた。
「いったいどうして巨大化したのでしょう?女性しか襲わないという魔木ギヴォンがなぜ私を?」
マキシミリアンと反応して巨大化したんだよな…
特殊なアイテムとか持っていたのかなぁ
「私から漏れ出た魔力に反応したようです。調べたところ私の魔力と相性がよいようで………
魔木ギヴォンは女性を好んで襲いますが、ごく稀に男性を襲うこともあったようです。
男性が口をつぐんでいたために公には知られてなかったようです。
この度の事情について確認されると思いますが、この事は公にはいたしません。殿下に確認済みです」
とても申し訳なさそうに肩を落として俯いている。
マキシミリアンの魔力との相性って…ゲーム補正かなぁ…まぁ、やむを得ない。
男性が事を揉み消す理由はわかる…女性も出来るものならオープンにはしたくないだろう。
「そうだったのですね。予想し得ない特性ですのでマキシミリアン様はお気になさらないでください。
私のことそこまで配慮いただきありがとうございます。殿下にもお伝えください」
「でも…」
凹んだまま立ち直れないマキシミリアン。
「こんなのは、蚊にでも刺されたようなものです。些末な事ですのでマキシミリアン様も気になさらないでください」
俺なら予想し避けられたかもしれないのに、それをしなかったのは俺の責任であってマキシミリアンの責任ではない。
「でも…僕は僕の大切なリチャードを僕の手で傷つけてしまったことが許せない。自分で自分が許せないよ」
マキシミリアンは俺に非常に好意を持っているようだ。
何度も悔しそうに唇を噛み締めるマキシミリアンに顔を近づけるとキスをした。
目を大きく開け呆然として固まっている。
「それでしたら…マキシミリアン様が忘れさせてくれませんか?私では嫌ですか?」
マキシミリアンはごくりと喉を鳴らすと、俺に覆い被さってきた。
*
ゲームはどうなったのだろう。
ガツガツとしたヒロインは俺と同じく前世の記憶持ちのためイレギュラーな行動をしていたのだろうか。
ヒロインは不敬な態度を何度か注意を受けたが無事卒業した。王子ともレオポルドとも恋愛することなく、婚約者と結婚したという。
俺はマキシミリアンと農業と魔法の融合の研究に明け暮れる毎日を過ごしている。
今では俺の世界の主役は俺だ。
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