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1章
首の痛み
しおりを挟む「どうかしたの?空ばかり見て。」
学校からの帰り道。
雲の流れをボーッと見ていた私に、瑠偉が話しかけてきた。
「……もうすぐ満月だなぁって考えてたの。」
「ああ。あれ? 満月を見ると悲しくなるっていう。」
「そう。それ」
ふぅと息を吐いて、カバンを持つ。瑠偉と帰るのはもう日課だった。家も隣だし、何より恋人同士だしそれが当たり前のような気もしている。
「……真理亜はいつか狼になるんじゃないかって心配になるよ」
「なにそれ……怖い……」
ふふっと笑って席を立ち今日もまた彼の隣に肩を並べた。
靴を履き替える際、つけているネックレスが揺れる。
「真理亜……。今日もそれつけてるの……? 新しいの買ってプレゼントしようか?」
「ううん。なんだか落ち着くの。だってこれ……小さい頃から側にあったから、かわいくない?」
「……君が気に入っているならいいけど……」
物心ついた頃から持っていたネックレス。
私は何故だかこれをずっと大事にしていて、もしかしたら昔ルイさんがマリアさんにプレゼントしたものではないかと思ってる。
おとぎ話のような話だけど、ここまで奇跡というものが身近にあるなら、そんなことを考えても罰は当たらないかなと。
瑠偉に言ったら照れてしまいそうだから、まだ内緒にしとこう。
そんなことを考えながら、校舎を抜け外を歩きだすとフワリと風が通り抜けた。
その刹那
「……っい」
ズキッと首が何かに刺されたように痛む。
まただ……17になってから最近やたらと首に痛みを感じる。
それも満月が近付くにつれ痛みが増してきてるような……?
「真理亜……?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと首が」
「痛む? 勉強か読書のしすぎかな。」
「そうかも……」
特に目立った外傷もないし、もしかしたら瑠偉の言う通りかもしれない。
最近夜更かしもしてるし、ちゃんと寝ないと。
「無理しないでね……真理亜は頑張り屋だから」
ポンッと頭に手を置いて撫でてくれる彼に笑顔を送った。
もうすぐまた満月が来る。
苦しくて、悲しくて、切なくて、どうしようもないほど涙が止まらない夜が来る。
私は……そんな満月の日が、なんだか恐ろしくて怖い。
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