今宵満月の夜、ヴァンパイアの夢を

ミルク

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2章

突然の来訪者

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 朝からシャワーを浴びて、着替えをして、のんびり1日を過ごすことに決めた。

 最近とても波乱万丈な毎日だったから少しホッとしている。


 だけどそれでもふとした瞬間によぎるのは、カルマさんの顔。あの人今どうしてるのかな……ショックを受けさせたのは不可抗力だけど、それでも気になってしまう。


 きっと家族に言えば飛び跳ねるだろう。娘がヴァンパイアに血を吸われた。なんて、精神科に連れて行かれそうだ。それくらいおかしな出来事。だけど、すんなりと受け入れてしまってるのは、マリアさんのせいでもあると思う。

 普通の人なら卒倒してるよ……



「……はぁ」


 大きくため息をついて、何か飲もうと立ち上がった。お母さんもお父さんも土曜日だというのに仕事だ……おじいちゃんから書物はまだ届かないし、特にやることもない。


 一応病み上がりだから、ゆっくり寝ようかな……そんなことを考えていたら

 ピンポーン
 とインターホンが。



 誰?宅配便??

 
 カメラに映った人物を見ようとインターホンを繋げたけれど、姿が見えない。いたずらかと思い無視したけれど、再び音が鳴り響いた。



 …………


 もしかしてまたおかしなことが起こるのでは……と警戒態勢に入る。だけど鳴ってる以上でなければとゆっくり玄関に向かった。



「……はーい」


 とりあえずチェーンがかかったまま少しだけドアを開けてみる。するとバタバタと黒い塊が家の中に入ってきた。



 え!!?なに!!?虫!!?


 慌ててドアを閉めたけど、謎の物体は明らかに部屋に。


「な、なんなの。もう!!!」


 虫にしては大きすぎるよね……どちらかというと鳥??いや、もう気持ち悪い。一体どこに行ったのか……



 鳥肌を立たせながら物体が入っていった部屋向かう。恐る恐る見渡せば、天井にブランと何かがぶら下がっていた。



 こ、コウモリ!!!?


 もし飛んだら絶対叫んでしまうと息を飲んだ刹那、そのコウモリは煙を巻いて目の前で人間になる。


 「と、突然お邪魔して申し訳ありません。マリア様……」


「…え、や、え?!!えええええ!!?」


 ほらやっぱり不思議なことが起こった。
 まさか、まさかとは思っていたけれど、期待は裏切らない。


「ひ、人の姿で外に出るのは、あまり得意ではないので、あの姿でお邪魔しました。ごめんなさい……僕はウトと言います。」


 ウト……どこかで聞いた名前


 よく見るとこの男の子も見たことがある。初めてカルマさんに会ったあのお屋敷で。


「あ、え、あ、と、とりあえず落ち着くね……」
 

「は、はい。お待ちしてます」


 もう驚いても仕方ないと深呼吸。みんなして私の寿命を縮ませるためにやってるのか、と疑いたくなるくらい信じがたい現象だ。


 何度か息を吸って吐いたところ自然と胸が落ち着いていった。よし、そろそろいいかな。



「……大丈夫ですか?」


「うん。大丈夫。ごめんなさい。」


「いえ、こちらこそ」


 もじもじと照れくさそうに身をよじるウトくんは、なんとも愛らしく可愛らしい。


「本日は、マリア様に謝罪をしに参りました。」



 しかしその顔からでた言葉は、なんとも丁寧で子供にしては堅苦しいものだった。


……謝罪??


 
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