ある日の絶望。

早坂 悠

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第二章 ユウコの絶望(全14話)

ご褒美の食い違い

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うぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!

 俺はまだ一言も
彼氏のフリやるなんて言ってねぇーぞ!!!!
どういう頭してんだよアイツはよっ!!!

 あれか?カッコイイだけの飾り物の頭か?!中身は空っぽかよっ!

 勝手に話し進めてんじゃねぇーよ!これだからキラキラの陽キャ嫌いなんだよ!自分が主人公みたいな振る舞いしてやがるけどただの自己チューだからなおめぇはよっ!!(叫)

 と直樹なおきは心の中で絶叫した。とりあえずチャラチャラした不良の横を不釣り合いに歩いてる美少女のユウコに訂正しなくてはいけない。

「頼まれただけで、まだやるなんて言ってねぇーよ。それにアイツにも言ったけど、俺になんのメリットがあるの?それ?」

 と直樹は”俺へのメリット”について少し緊張してしまう自分がいた。

 ユウヤはユウコのフェラを提案していた。もしかしてユウコもそのことを知って……る?

 それを知っててユウコも彼氏のフリを快諾してるならもしかしてユウコにフェラしてもらう世界線に足を踏み入れることは可能なのか?

と思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまう直樹。ユウコは美少女だか遊んでいるような女の風貌ではない。

 整った顔立ちと肩まで伸びたサラサラな黒髪は清純さを感じさせる。真面目で頭もよく、一緒にバイトしてるから直樹には分かるが他人への気配りや気遣いもさりげなくて、

俗に言う「イイ子」という表現がピッタリの女の子だ。

 そこに美少女というチートが加わっているのでもはや最強女子高生だと思えた。

 ユウコの唇は艶があり、ほんのりピンクっぽかった。口は大きくも小さくもないが形は整っている。あの口の中に自分の性器を突っ込めると想像すると直樹はたまらなく興奮した。

 サラサラ黒髪の清純派の美少女に卑猥なことが出来ると想像すると少し下半身が反応してしまいそうだった。

「1人で食べるのは恥ずかしいから、駅前のファミレスで直樹さんと一緒にパフェを食べて欲しい、と兄から聞いています。うふふ、直樹さん甘いもの好きなんですね。私も好きです。」

 と嬉しそうに微笑むユウコ。直樹はガクリと自分の膝が崩れ落ちそうになるのを感じた。

ちーがーうだーろーっ! 
違うだろーォッ!!

 なんだよ!その設定はなんだよっ!!甘いもの好きってそんな話してねぇーだろうがぁっ!(いや甘いものは確かに好きだけど)ちげぇだろ!そこはご褒美の設定が違うだろっ!

 フェラはどこ行ったんだよーーーっ!
お兄ちゃーーーーん!!
できればそこまで話しておいてよ!
まったくもう!

 と心の中で再び叫び散らす直樹。もうここははっきりさせるしかないなと思い思いきり息を吸って直樹は一気にユウコに向かって言い直す。

 「パフェはいいや。食べない。それは俺のメリットにならない。それよりもユウコちゃんがフェラしてくれるって兄貴が言ってたよ。してくれんの?フェラ」

とはっきり彼氏のフリの条件を伝えると
ユウコは少しキョトンとした顔つきになり、

「あのすみません。
その………フェラってなんですか?」

と真面目に聞くのだった。

あーーーーもーーーっ!!
そこで清純派パワーを
発揮してこないでっ!!

どうして俺がコイツらに双子の兄妹に
振り回されないといけないのか……
と直樹は少しずつ疲れを感じ始めていた。

「えーー…うん…なんでもない。
フェラはあとでスマホで調べてみてね。
それでもういいや。なんかちょっと疲れたし。
俺は駅前のバス停に行くから、それじゃあ。」

「あ!ちょっと待ってください!
 私とLINEの交換してくれませんか?」

「今の話の流れでなぜそうなる?!」

というツッコミをしたがユウコは
モジモジとしながら

「兄から”直樹とLINEの交換してきて”と
頼まれました………」

と言うのだった。

(さてはおまえはキラキラブラコン属性か?!)と心の中でツッコミ突っ込みつつ、もう直樹はあれこれと考えるのがめんどくさくなって、

どうせ同じバイト先だしな……LINEの交換ぐらいはという理由でユウコとのLINEの交換をしてユウコと別れてバス停に向かうのだった。
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