【完】ちょっと前まで可愛い後輩だったじゃん!!

福の島

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『僕は…僕は兄様達と違ってなんにもできないのに…どうして…?どうしてユウマ様は…僕なんかに…!』

……懐かしい声がする…
声変わり前の高めで可愛い声…
懐かしいな…これは…俺とエルが出会ったばっかの頃だ…

自分を追い詰めすぎちゃってたエルに…頑張れよって気持ちより、なんだか共感と心配が勝っちゃって…俺、めちゃくちゃエルに引っ付いてたんだ。

『…もう…放っておいて下さい…!』

……あー…俺…こん時なんつったっけ…

……たしか。



……

…………

………………


「……マ、…ウマ起きてください、ユウマ」

目を開ければ視界に入ってくる柔らかな日差しと…暖かい空気…

……あと…心地いい低音…この声は。

「……える…」

「はい、そうですよ。ユウマ、貴方のエルドレッドです。」

「おれの…?える?」

「ふふふ、そうですよ、貴方のエルです。」

俺の…エル…エルドレッド…なぁんだ…びっくりした…ただのエルか…エル…エル…

「…?」

「…ってなんでお前が俺の部屋にいんだよ!!??」
「おや、お寝坊タイムはもう終わりですか?」

ツヤツヤと輝く手入れの行き届いた金の髪に…項を描く様にスっと細められた綺麗な形の赤い目…本心なのか何なのか分からないその表情に少しドキリとする。

「い…い、いいから!質問に応えろ!!」
「…決めたんですよ」

「な…なにが……?」

…コイツが…まるで昔のように自分の事を僕って言ったり…俺に様を付けて呼んだ時は…大抵ろくな事を言わない…

つかさ…今俺はお前に会いたくない訳よ…!そちらさんは気まずくねぇの…??

「…僕、ユウマ様の事本気ですから。」

……ほら見ろ…!!やっぱりろくな事がねぇ…!

だいたい!俺…ガチで悩んだんだからな?お前から急に…『結婚を前提に御付き合いしてくれませんか?』とかさ!!男同士で…

いや…男同士でのアレコレ気にするつもりもねぇよ?兄ちゃん旦那居るし…!
でもな…?俺めちゃくちゃ新手のドッキリ疑ったわ!!

「ユウマ…?百面相してどうしました?まぁどのお顔も可愛らしいですが…」

「…んだと?!…つか、こ…こ告白ならこの間ちゃんと断っ!」

「シー……本来なら『うるせぇ口だな』ってやつをやりたかったのですが…まぁ無理なので手で抑えますね。聞いて…ユウマ、僕は全力で貴方をオトしに行きます。期間は1ヶ月、それで無理ならば諦めましょう。」

「…今諦める選択肢はねぇの?」
「無いですね。」

コイツ…キッパリ言いやがった…

「ユウマもいつ音を上げるか…楽しみですねぇ…言っておきますが、私好きな物は全力で取りに行くので…」

さっきまで絡めていた手をゆるゆるっと解きながら、エルはまた王子様の仮面を付けた。

「そんな顔しなくても…別に取って食べたりはしませんよ」

……うるせぇ…!

………誰のせいだと…!


…………んも~!こんのやろお…!!!!



「…昔はあんなに可愛かったのに!!!」




「ふふふ、今でも十分可愛いでしょう?」


2歳年下の癖にもう俺よりも背が高いお前なんか、可愛くねぇよ!!
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