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イチ
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俺…いや俺たちが家ごと異世界転移?異世界転生?してもう5年目になる。12…中一の年齢だった俺はもう17、だいたい高2くらい?
初めはめちゃくちゃびっくりしたし、元々母親が居なかった俺たちの、唯一の肉親だった父さんがその時丁度死んだ辺りだったから、これはこれで良かったのかもーなんて、自暴自棄になったり…
兄ちゃんと姉ちゃんが居たからここまで来れたって感じだな。
異世界に巡り人…黒髪黒目の幸運児として来た俺たち3人は、こっちに来て半年もしないうちにそれぞれ旦那見つけたり、俺の場合は王様の勧めで貴族学校に通ったり…
なんともまぁ、俺たち巡り人の地位は王族以上王様以下らしく…この通り、第3王子のエルも俺に敬語を使う。
まぁ…コイツの敬語はもう癖みたいなもんだけど。
「ユウマ?お食事は気に入りませんでしたか?」
「んぇ?違ぇよバカ…考え事だ。」
「そうですか、体調が悪いとかじゃ無いなら良いんです。」
朝、本気ですよ宣言したエルは、俺の部屋にあれからそのまま居座り、なんなら朝食を準備していた。
そんでもってずっと隣にいた俺ですら見た事ない…甘ったるい顔を、それこそ…恋人とかに見せるような顔を俺に向けてくる。
「…あ…」
「ふふ…気が付きました?好きでしたよね、クロワッサン。」
「……わざわざ作ってもらったのか?」
「…ユウマの為ですから。」
「職権乱用…」
日本じゃ見慣れたパンの山も、この世界では割と異様な光景。
いや、パンはあるんだよ、でもクロワッサンは無かった。
そう…兄ちゃんが作ったんだよ…
あの人マジ天才…そのレシピ王様に売ってぼろ儲けしてるし…
ほんと…今じゃ高位貴族クラスの食卓に並んじゃうんだもんな…
「ん…普通のより甘くて美味い…」
「ユウマは甘いのも好きでしょう?」
「………すき…」
「…あぁ、ユウマは本当に可愛らしいですね……ぁ…口が滑りました…つい思った事が口に…」
わざとらしい事しやがって…このやろう…
大体…175越えの男に180行きそうな男が言う言葉じゃねぇんだよな~!?
ったく…この世界の平均身長どうなってんだよ…
「ユウマ、今日の帰りは何時予定で?」
「今日?普通だけど…」
「そうでしたか、ならお迎えに上がりますね。」
「え…いーって!いーって!わざわざ別棟まで来んの大変だろ?」
「ユウマと長く一緒に居たいですからね。その位どうってことありません。」
俺たちが通う貴族学校…ハウメア学校は分かりやすく言えば10歳から15歳までが通う小中一貫校。
貴族の子供達は幼少を家庭教師と共に過ごすから10歳からの入学で…17歳の俺は15で卒業したあと、その付属である高校…というより大学?に近いのか…まぁそのような魔法学研究機関に身を置いている。
一応学校内の建物だけど、エル達在校生の棟とは場所が違うんだ。
「…まぁ…お前が良いならいいよ。」
「…良かった。」
俺もコイツに大層甘い…そこはちゃんと自覚してる。
つい…昔のくせっつーか…仮面だとはわかってても、子犬みたいな顔されると許しちまう…
「…やっぱり…すきだな…」
「…っ~…今は飯食うから黙ってろ…」
初めはめちゃくちゃびっくりしたし、元々母親が居なかった俺たちの、唯一の肉親だった父さんがその時丁度死んだ辺りだったから、これはこれで良かったのかもーなんて、自暴自棄になったり…
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異世界に巡り人…黒髪黒目の幸運児として来た俺たち3人は、こっちに来て半年もしないうちにそれぞれ旦那見つけたり、俺の場合は王様の勧めで貴族学校に通ったり…
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「…あ…」
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「……わざわざ作ってもらったのか?」
「…ユウマの為ですから。」
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「………すき…」
「…あぁ、ユウマは本当に可愛らしいですね……ぁ…口が滑りました…つい思った事が口に…」
わざとらしい事しやがって…このやろう…
大体…175越えの男に180行きそうな男が言う言葉じゃねぇんだよな~!?
ったく…この世界の平均身長どうなってんだよ…
「ユウマ、今日の帰りは何時予定で?」
「今日?普通だけど…」
「そうでしたか、ならお迎えに上がりますね。」
「え…いーって!いーって!わざわざ別棟まで来んの大変だろ?」
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俺たちが通う貴族学校…ハウメア学校は分かりやすく言えば10歳から15歳までが通う小中一貫校。
貴族の子供達は幼少を家庭教師と共に過ごすから10歳からの入学で…17歳の俺は15で卒業したあと、その付属である高校…というより大学?に近いのか…まぁそのような魔法学研究機関に身を置いている。
一応学校内の建物だけど、エル達在校生の棟とは場所が違うんだ。
「…まぁ…お前が良いならいいよ。」
「…良かった。」
俺もコイツに大層甘い…そこはちゃんと自覚してる。
つい…昔のくせっつーか…仮面だとはわかってても、子犬みたいな顔されると許しちまう…
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