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第二章:自由と束縛と
第79話:冒険者アリシア 4
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「俺たちの未来だと?」
「確かに、アリシア様の未来がなければ、私たちの未来もないに等しいですもんね」
「えっと、そういう意味じゃないんだ。実は――」
ここでアリシアは今から一〇年後にはザナルウェイズ王国が地図上から消えてなくなることを伝えた。
そして、近い将来――正確には二年後には、ここラクドウィズがなくなることも。
「……おいおい、嘘だろ?」
「……そ、それは本当なのですか、アリシア様?」
「うん。未来が変わっていなければ、きっとそうなる」
驚きのまま声を失ってしまった二人を見て、それでもとアリシアは凛々しい表情で口を開いた。
「それでも私は、この未来を変えるためにここに来たの。可能であれば魔獣の大氾濫、スタンピードを防ぐ。もしもそれができなくても、スタンピードを終わらせてラクドウィズを守り抜くのよ」
アリシアの表情を見た二人は冷静さを取り戻し、表情を引き締めて彼女を見た。
「……あぁ、その通りだな。それならやっぱり、俺たちは冒険者として活動しながら実力を上げて、その時を迎えなければならん」
「できれば仲間も増やしたいですね! あ、でもそれじゃあ、みんなも連れてきた方がよかったんじゃ?」
ケイナが口にしたみんなというのは、共にオークとの戦闘を切り抜けた田舎騎士たちのことだ。
だが、アリシアは首を横に振ってそれを否定した。
「ううん、みんなにはみんなの選択があるわ。二人は私についていくという選択をしてくれたからこうして伝えたけど、そう簡単に信じられることでもないものね」
「まあ、そうだよな。俺だってにわかには信じられんよ」
「ゼーアさん! アリシア様が嘘をついていると言いたいのですか!」
「違うって。ただ俺は、ホールトンを相手に堂々としていたアリシアや、聖女としての実力を全てこの目で見てきたから信じられるって言いたいんだ。そうでなけりゃあ、あいつらも信じられんだろうよ」
「それは! ……そうですけど」
そこまで話をしたあと、二人の表情は暗くなってしまう。
自分たちは信じることができたが、他の誰もアリシアの言葉を信じることはできないだろう。
それこそ彼女の父親や信頼している者たちでなければ。
「二人とも、そんな深刻な顔をしないで。実力をつけるのは当然として、ここの冒険者たちだってスタンピードが起こればきっと力を尽くしてくれるはず。そこに事情を知っている私たちがいれば、きっと乗り越えられるはずよ」
「……あぁ、そうだな。くそっ、辛気臭いのは性に合わんな」
「……そうですね! やっぱりさっさと冒険者になって活動しちゃいましょう!」
「そうね! 私も冒険者のことはあまりわからないし、知らないことを知れるいい機会だわ」
気持ちを切り替えるため、アリシアたちは宿屋の部屋をあとにすると、そのまま冒険者ギルドへと足を向ける。
そこでアリシアは思わぬ出会いを果たすことになろうとは、この時は考えもしなかったのだった。
「確かに、アリシア様の未来がなければ、私たちの未来もないに等しいですもんね」
「えっと、そういう意味じゃないんだ。実は――」
ここでアリシアは今から一〇年後にはザナルウェイズ王国が地図上から消えてなくなることを伝えた。
そして、近い将来――正確には二年後には、ここラクドウィズがなくなることも。
「……おいおい、嘘だろ?」
「……そ、それは本当なのですか、アリシア様?」
「うん。未来が変わっていなければ、きっとそうなる」
驚きのまま声を失ってしまった二人を見て、それでもとアリシアは凛々しい表情で口を開いた。
「それでも私は、この未来を変えるためにここに来たの。可能であれば魔獣の大氾濫、スタンピードを防ぐ。もしもそれができなくても、スタンピードを終わらせてラクドウィズを守り抜くのよ」
アリシアの表情を見た二人は冷静さを取り戻し、表情を引き締めて彼女を見た。
「……あぁ、その通りだな。それならやっぱり、俺たちは冒険者として活動しながら実力を上げて、その時を迎えなければならん」
「できれば仲間も増やしたいですね! あ、でもそれじゃあ、みんなも連れてきた方がよかったんじゃ?」
ケイナが口にしたみんなというのは、共にオークとの戦闘を切り抜けた田舎騎士たちのことだ。
だが、アリシアは首を横に振ってそれを否定した。
「ううん、みんなにはみんなの選択があるわ。二人は私についていくという選択をしてくれたからこうして伝えたけど、そう簡単に信じられることでもないものね」
「まあ、そうだよな。俺だってにわかには信じられんよ」
「ゼーアさん! アリシア様が嘘をついていると言いたいのですか!」
「違うって。ただ俺は、ホールトンを相手に堂々としていたアリシアや、聖女としての実力を全てこの目で見てきたから信じられるって言いたいんだ。そうでなけりゃあ、あいつらも信じられんだろうよ」
「それは! ……そうですけど」
そこまで話をしたあと、二人の表情は暗くなってしまう。
自分たちは信じることができたが、他の誰もアリシアの言葉を信じることはできないだろう。
それこそ彼女の父親や信頼している者たちでなければ。
「二人とも、そんな深刻な顔をしないで。実力をつけるのは当然として、ここの冒険者たちだってスタンピードが起こればきっと力を尽くしてくれるはず。そこに事情を知っている私たちがいれば、きっと乗り越えられるはずよ」
「……あぁ、そうだな。くそっ、辛気臭いのは性に合わんな」
「……そうですね! やっぱりさっさと冒険者になって活動しちゃいましょう!」
「そうね! 私も冒険者のことはあまりわからないし、知らないことを知れるいい機会だわ」
気持ちを切り替えるため、アリシアたちは宿屋の部屋をあとにすると、そのまま冒険者ギルドへと足を向ける。
そこでアリシアは思わぬ出会いを果たすことになろうとは、この時は考えもしなかったのだった。
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