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第二章:集落誕生?
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その日の夜、俺はルリエに断りを入れてからボートピアズを後にした。
理由はもちろん、移住者用の家を建てるためだ。
予定は未定とはよく言ったもので、俺はコロコロと変わる予定に四苦八苦しているが、これはこれで楽しくもある。
人出が増えれば最初こそ大変だろうが、後々には楽をできるだろう。
「……なんだか、一人で動くのは久しぶりな気がするな」
村を追い出されてから今日まで、ツヴァイルがいて、リリルがいて、ルリエがいた。
昨日の夜は一人で歩いていたが、それでも街の中だったからな。
夜の街道を進むのは楽しい。
自由であり、目指していたスローライフに近いものがある。
「……しかし、魔獣の数が異常過ぎる気もするがな」
ブレイレッジに戻りながらの道中、俺は何度目になるか分からない遭遇から魔獣を斬り捨てている。
もちろん、空間庫に保存する事は忘れていないが、そろそろ面倒になってきた。
人数が多くなりすぎるのも狙われる要因になるが、少なすぎるのも問題になるようだ。
……出オチ感が強いけどな。
『ガルア――ギャン!』
とまあ、こんな感じで登場と同時に退場してもらっているんだがな。
その方法は色々だ。魔法であったり、剣であったり、殴り飛ばすなんてこともあったか。
日があるのとないのとでも変わるんだろうが……はぁ、マジで面倒だ。
「まあ、人が増えれば食料も必要になってくる。素材だけではなく、食料として考えれば問題はないか」
ある程度進んだところで野営の準備を始めた俺は、空を見上げる。
「……うん、きれいな星空だ」
大きく息を吸い込み、吐き出す。
ただそれだけの行動なのだが、街の中と外では心地よさが段違いだ。
ブレイレッジであれば、外と同じような心地よさがあるんだけどなぁ。
「……軽く故郷が恋しくなってきたかも」
ここでいう故郷は、俺を追い出したあの村ではない。ブレイレッジの事だ。
俺にとってブレイレッジは、第二の人生における故郷になっているんだからな。
「早いとこ戻って、ゆっくり……はできないから、家を建てて、畑を準備して……うん、やることが一杯だな」
周囲に魔獣の気配なし。
これなら、外とはいえゆっくり寝られるかな。
「お休み、みんな」
誰もいないが、俺はそう口にしてから目を閉じた。
◆◆◆◆
「――……ぅぅん」
「フミャ~」
「おぉ、おはよう…………おはよう!?」
「……フミャ?」
勢いよく体を起こした俺だったが、その横には黒い毛並みの猫が首を傾げながら俺を見ていた。
「…………黒、猫?」
「フミャ~」
「……あ、あれ? どうして気配を察する事ができなかったんだ?」
うーん…………あぁ、まあ、敵意がないってのが一番なの、かな?
「……フミャ!」
そう考えていると黒猫は俺の膝の上に飛び乗って来た。
「おい! ……お前、どうしてこんなところにいるんだ?」
「……フミャア?」
……うん、こいつは甘え上手だな。
膝の上で上目遣いなんて、俺でも落ちちまうっての。
「とりあえず……飯、食うか?」
「ミャン!」
とはいえ、何を食べるんだろうか。
魔獣の肉でも食べるかなぁ……だが、さすがに生は無理だよなぁ。
「まあ、出してみたら分かるか」
という事で、俺は道中で狩っていた魔獣を生のまま取り出してみた。
「フミャン! ミャミャ~ン?」
「え? これ、生で食べるのか?」
「ミャン!」
「まあ、食べられるなら、食べていいけど?」
「ミャミャ~ン!」
おぉぉ。凄い食欲だな、黒猫よ。
取り出した魔獣……しかも、黒猫よりも明らかに大きな魔獣をあっという間に平らげてしまった。
「……ミャミャ?」
「……まさか、まだ食べたいのか?」
「ミャミャン!」
たまたま狩った魔獣だし、問題はないか。
どれだけ食べるのか分からないので、とりあえず魔獣を三匹ほど置いておく。
黒猫が食事をしている間に俺も自分の分を焼いて、準備を進めていく。
……おぉ、一匹食べ終わったか。
そのまま調理を進めていきながら、味付けを……うん、これくらいかな。
濃い味付けもいいが、今日は少しだけ薄味でもいいかな。
……あら、二匹目も食べたか。
「よし、出来上がった!」
俺が料理を作り終わると、三匹目を食べている途中にもかかわらず何故か俺の膝に戻ってきてしまった。
「ミャン!」
「……いやいや、これは俺の飯なんだが」
「ミャミャン!」
「…………えっと、俺の飯――」
「ミャミャミャン!」
「………………はぁ。分かったよ、食べていいよ」
「ミャミャ~ン!」
というわけで、俺はさらに飯を作る羽目になってしまった。
……黒猫は途中まで食べていた三匹目も食べていたけどな。食い意地、半端ねぇわぁ。
理由はもちろん、移住者用の家を建てるためだ。
予定は未定とはよく言ったもので、俺はコロコロと変わる予定に四苦八苦しているが、これはこれで楽しくもある。
人出が増えれば最初こそ大変だろうが、後々には楽をできるだろう。
「……なんだか、一人で動くのは久しぶりな気がするな」
村を追い出されてから今日まで、ツヴァイルがいて、リリルがいて、ルリエがいた。
昨日の夜は一人で歩いていたが、それでも街の中だったからな。
夜の街道を進むのは楽しい。
自由であり、目指していたスローライフに近いものがある。
「……しかし、魔獣の数が異常過ぎる気もするがな」
ブレイレッジに戻りながらの道中、俺は何度目になるか分からない遭遇から魔獣を斬り捨てている。
もちろん、空間庫に保存する事は忘れていないが、そろそろ面倒になってきた。
人数が多くなりすぎるのも狙われる要因になるが、少なすぎるのも問題になるようだ。
……出オチ感が強いけどな。
『ガルア――ギャン!』
とまあ、こんな感じで登場と同時に退場してもらっているんだがな。
その方法は色々だ。魔法であったり、剣であったり、殴り飛ばすなんてこともあったか。
日があるのとないのとでも変わるんだろうが……はぁ、マジで面倒だ。
「まあ、人が増えれば食料も必要になってくる。素材だけではなく、食料として考えれば問題はないか」
ある程度進んだところで野営の準備を始めた俺は、空を見上げる。
「……うん、きれいな星空だ」
大きく息を吸い込み、吐き出す。
ただそれだけの行動なのだが、街の中と外では心地よさが段違いだ。
ブレイレッジであれば、外と同じような心地よさがあるんだけどなぁ。
「……軽く故郷が恋しくなってきたかも」
ここでいう故郷は、俺を追い出したあの村ではない。ブレイレッジの事だ。
俺にとってブレイレッジは、第二の人生における故郷になっているんだからな。
「早いとこ戻って、ゆっくり……はできないから、家を建てて、畑を準備して……うん、やることが一杯だな」
周囲に魔獣の気配なし。
これなら、外とはいえゆっくり寝られるかな。
「お休み、みんな」
誰もいないが、俺はそう口にしてから目を閉じた。
◆◆◆◆
「――……ぅぅん」
「フミャ~」
「おぉ、おはよう…………おはよう!?」
「……フミャ?」
勢いよく体を起こした俺だったが、その横には黒い毛並みの猫が首を傾げながら俺を見ていた。
「…………黒、猫?」
「フミャ~」
「……あ、あれ? どうして気配を察する事ができなかったんだ?」
うーん…………あぁ、まあ、敵意がないってのが一番なの、かな?
「……フミャ!」
そう考えていると黒猫は俺の膝の上に飛び乗って来た。
「おい! ……お前、どうしてこんなところにいるんだ?」
「……フミャア?」
……うん、こいつは甘え上手だな。
膝の上で上目遣いなんて、俺でも落ちちまうっての。
「とりあえず……飯、食うか?」
「ミャン!」
とはいえ、何を食べるんだろうか。
魔獣の肉でも食べるかなぁ……だが、さすがに生は無理だよなぁ。
「まあ、出してみたら分かるか」
という事で、俺は道中で狩っていた魔獣を生のまま取り出してみた。
「フミャン! ミャミャ~ン?」
「え? これ、生で食べるのか?」
「ミャン!」
「まあ、食べられるなら、食べていいけど?」
「ミャミャ~ン!」
おぉぉ。凄い食欲だな、黒猫よ。
取り出した魔獣……しかも、黒猫よりも明らかに大きな魔獣をあっという間に平らげてしまった。
「……ミャミャ?」
「……まさか、まだ食べたいのか?」
「ミャミャン!」
たまたま狩った魔獣だし、問題はないか。
どれだけ食べるのか分からないので、とりあえず魔獣を三匹ほど置いておく。
黒猫が食事をしている間に俺も自分の分を焼いて、準備を進めていく。
……おぉ、一匹食べ終わったか。
そのまま調理を進めていきながら、味付けを……うん、これくらいかな。
濃い味付けもいいが、今日は少しだけ薄味でもいいかな。
……あら、二匹目も食べたか。
「よし、出来上がった!」
俺が料理を作り終わると、三匹目を食べている途中にもかかわらず何故か俺の膝に戻ってきてしまった。
「ミャン!」
「……いやいや、これは俺の飯なんだが」
「ミャミャン!」
「…………えっと、俺の飯――」
「ミャミャミャン!」
「………………はぁ。分かったよ、食べていいよ」
「ミャミャ~ン!」
というわけで、俺はさらに飯を作る羽目になってしまった。
……黒猫は途中まで食べていた三匹目も食べていたけどな。食い意地、半端ねぇわぁ。
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