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第二章:集落誕生?
豪華な屋敷と豪華な食事
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リッフェミー様の屋敷は隠れ里の中央にそびえる一際高い大木を削って造られたものだ。
木の中に入るというのは不思議な感覚になってしまったが、自然の心地よい香りに包まれているようでとても癒される。
「まずは体を流してきてください。ここには体に良い温泉がありますからね」
「……温泉?」
「えっ! スウェイン、温泉を知らないの?」
初耳だが、それは良いものなのか? 風呂の中でも豪華な風呂って事なのか?
「うふふ。人族にはあまり馴染みがないか、貴族くらいしか知らないでしょうしね。肩こり腰痛、その他にも様々な持病に効果のある妖精族自慢の温泉なんですよ」
「うーん……まあ、良いものって事ですか?」
「そんな簡単なものじゃないわよ!」
ど、怒鳴るなよ。知らないものは仕方ないじゃないか。
「皆様が温泉に浸かっている間に夕食を準備しておきますね」
「ここの食事は美味であるぞ! 我はもう魔王城の飯は食いたくないぞ!」
「あら? だったらスウェインの料理もとても美味しいわよ?」
「お前! 変な事を言うなよ!」
お前がそんな事を言うとマジで変な事に――
「……ほほ~う? 勇者よ、貴様は我が娘の胃袋を掴んでいるとでも言いたいのか~?」
ほらな!
「俺が言ったわけじゃないからな! リリルが勝手に言ってるだけだからな!」
「ならば勇者も料理を作るが良い! 我が確かめてやるわ!」
「俺は風呂に入る! それでゆっくりするんだよ!」
「許さん! 勇者も料理を作るのだああああぁぁっ!」
……結局、俺も料理を作る事になってしまった。何故だ!
「あはは! 面白いねぇ、君たちは~」
「笑い事じゃないですよ、リーレインさん」
「まあ、僕もスー君の料理は好きだから楽しみにしてるよ~」
笑いながら立ち去っていくスーレインさんの背中を見送った。
「はぁ。……あれ? スーレインさん、風呂は?」
俺の向かっている方向が男湯のはず。そこへ向かわないって事は……え? もしかして、スーレインさんって、女性なのか?
…………うん、分からない事を考えても仕方がないな。相手はエルフだし、よく分からない事を多いだろう。
「……とりあえず、俺は俺で温泉に入るか」
この後に料理を作らなければならないのかと考えれば不満もあるが、今だけは忘れる事にしよう。そうでなければリッフェミー様に申し訳がない。
俺は『男湯』と書かれた暖簾を潜り、その先にある籠に脱いだ洋服を入れる。
備え付けの大きめの布を腰に巻き付けて先へと進んでいく。
すると、先の方から大量の白い湯気が流れ込んでいる場所を見つけた。
やや匂いはきついが、温泉はそういうものだと事前に教えられているのでそのまま進んでいった。
「……ここがそうか」
乳白色のお湯が張られた場所に辿り着くと、結構な熱気に全身から汗が噴き出してくる。
これが本当に体に良いのか気になるが、俺は言われた通りにまずは体を流すことにした。汚れたままで入るのは衛生上良くないらしいからな。
「まずは体に掛けてっと……うん、少し熱いけど、我慢できない程じゃないな」
全身をお湯で濡らしてからしっかりと体の汚れを落とし、ついにその時がやって来た。
「さて! それじゃあ入るとしますか、温泉に!」
俺は足からゆっくりと温泉に浸からせていく。最初に比べると慣れたもので、そのまま膝、腰と沈めていき、最終的には首まで浸からせた。
……おぉぉ……うん……これは……。
「はああぁぁぁぁぁぁ……ヤバい、気持ちいいなぁ」
「そうであろうなぁ」
「あぁ、そうだなぁ。……ん?」
「なんじゃ、どうした? 勇者?」
「…………どわああああぁぁっ!? な、なんでグラインザ様がいるんだよ!」
俺だけだと思っていたのに、まさかのグラインザ様かよ!
「我も男じゃからな! 男湯にいるのは当たり前じゃろうが!」
「いや、そうだけどさ! そうじゃないんだよ!」
「何が言いたいのじゃ? ああぁぁぁぁぁぁ……気持ち良いのう」
……なんかもう、どうでもいいや。確かにこれは気持ちいいからな。
「……のう、勇者よ」
「……なんですか、グラインザ様?」
「……娘を助けてくれて感謝しておるぞ」
「……まあ、成り行きでしたけどね」
「……それでもじゃよ。魔王の娘を助けるなど、普通はしないからのう」
「……成り行きですよ、成り行き。そこまで感謝される事じゃないですって」
「……」
「……」
そこからの会話はなく、俺たちは温泉を堪能したのだった。
木の中に入るというのは不思議な感覚になってしまったが、自然の心地よい香りに包まれているようでとても癒される。
「まずは体を流してきてください。ここには体に良い温泉がありますからね」
「……温泉?」
「えっ! スウェイン、温泉を知らないの?」
初耳だが、それは良いものなのか? 風呂の中でも豪華な風呂って事なのか?
「うふふ。人族にはあまり馴染みがないか、貴族くらいしか知らないでしょうしね。肩こり腰痛、その他にも様々な持病に効果のある妖精族自慢の温泉なんですよ」
「うーん……まあ、良いものって事ですか?」
「そんな簡単なものじゃないわよ!」
ど、怒鳴るなよ。知らないものは仕方ないじゃないか。
「皆様が温泉に浸かっている間に夕食を準備しておきますね」
「ここの食事は美味であるぞ! 我はもう魔王城の飯は食いたくないぞ!」
「あら? だったらスウェインの料理もとても美味しいわよ?」
「お前! 変な事を言うなよ!」
お前がそんな事を言うとマジで変な事に――
「……ほほ~う? 勇者よ、貴様は我が娘の胃袋を掴んでいるとでも言いたいのか~?」
ほらな!
「俺が言ったわけじゃないからな! リリルが勝手に言ってるだけだからな!」
「ならば勇者も料理を作るが良い! 我が確かめてやるわ!」
「俺は風呂に入る! それでゆっくりするんだよ!」
「許さん! 勇者も料理を作るのだああああぁぁっ!」
……結局、俺も料理を作る事になってしまった。何故だ!
「あはは! 面白いねぇ、君たちは~」
「笑い事じゃないですよ、リーレインさん」
「まあ、僕もスー君の料理は好きだから楽しみにしてるよ~」
笑いながら立ち去っていくスーレインさんの背中を見送った。
「はぁ。……あれ? スーレインさん、風呂は?」
俺の向かっている方向が男湯のはず。そこへ向かわないって事は……え? もしかして、スーレインさんって、女性なのか?
…………うん、分からない事を考えても仕方がないな。相手はエルフだし、よく分からない事を多いだろう。
「……とりあえず、俺は俺で温泉に入るか」
この後に料理を作らなければならないのかと考えれば不満もあるが、今だけは忘れる事にしよう。そうでなければリッフェミー様に申し訳がない。
俺は『男湯』と書かれた暖簾を潜り、その先にある籠に脱いだ洋服を入れる。
備え付けの大きめの布を腰に巻き付けて先へと進んでいく。
すると、先の方から大量の白い湯気が流れ込んでいる場所を見つけた。
やや匂いはきついが、温泉はそういうものだと事前に教えられているのでそのまま進んでいった。
「……ここがそうか」
乳白色のお湯が張られた場所に辿り着くと、結構な熱気に全身から汗が噴き出してくる。
これが本当に体に良いのか気になるが、俺は言われた通りにまずは体を流すことにした。汚れたままで入るのは衛生上良くないらしいからな。
「まずは体に掛けてっと……うん、少し熱いけど、我慢できない程じゃないな」
全身をお湯で濡らしてからしっかりと体の汚れを落とし、ついにその時がやって来た。
「さて! それじゃあ入るとしますか、温泉に!」
俺は足からゆっくりと温泉に浸からせていく。最初に比べると慣れたもので、そのまま膝、腰と沈めていき、最終的には首まで浸からせた。
……おぉぉ……うん……これは……。
「はああぁぁぁぁぁぁ……ヤバい、気持ちいいなぁ」
「そうであろうなぁ」
「あぁ、そうだなぁ。……ん?」
「なんじゃ、どうした? 勇者?」
「…………どわああああぁぁっ!? な、なんでグラインザ様がいるんだよ!」
俺だけだと思っていたのに、まさかのグラインザ様かよ!
「我も男じゃからな! 男湯にいるのは当たり前じゃろうが!」
「いや、そうだけどさ! そうじゃないんだよ!」
「何が言いたいのじゃ? ああぁぁぁぁぁぁ……気持ち良いのう」
……なんかもう、どうでもいいや。確かにこれは気持ちいいからな。
「……のう、勇者よ」
「……なんですか、グラインザ様?」
「……娘を助けてくれて感謝しておるぞ」
「……まあ、成り行きでしたけどね」
「……それでもじゃよ。魔王の娘を助けるなど、普通はしないからのう」
「……成り行きですよ、成り行き。そこまで感謝される事じゃないですって」
「……」
「……」
そこからの会話はなく、俺たちは温泉を堪能したのだった。
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