異世界ダンジョン経営 ノーマルガチャだけで人気ダンジョン作れるか!?

渡琉兎

文字の大きさ
157 / 183
様々な動き

ランドン討伐のお祝い④

しおりを挟む
「私がどうかしましたか?」
「あっ! リリーナさん!」

 料理を乗せたお皿を持って現れたのはリリーナとボッヘルだった。

「ゼウスブレイドとかいう不届きものが、リリーナさんが固定してくれた看板を破壊するかもしれないんですよ!」
「あら、そうなのですか?」
「なんだとう! リリーナがわざわざダンジョンに潜って固定した看板を……メグルちゃん、どうにかならんのか!」

 何故か無関係なボッヘルが怒り心頭となり、その隣ではリリーナが苦笑している。

「別に壊されても、また固定しにいけばいいだけの話ですよ」
「だ、だがなぁ……」

 気にするなと声を掛けたリリーナだったが、それでもボッヘルはとても残念そうにしている。
 だが、アルバスとジギルの意見はそんな二人とは異なっていた。

「看板なら大丈夫だろう」
「そうね。ゼウスブレイドの奴らが、双剣のリリーナの固定魔法を破壊できるとは思えないもんね」
「「「……えっ?」」」

 廻もジレラ夫妻も、二人の意見に驚きの声を漏らしている。

「リリーナちゃんはずっとソロで活動してたでしょう?」
「は、はい」
「それで冒険者ランキング27位までいったなら、ゼウスブレイドなんかよりも強いに決まっているわ」
「それに、リリーナの場合は大工が天職だからな。その力も上乗せされれば……絶対に壊されないだろうよ」
「えっ! リリーナちゃん、天職持ちだったんだ! それなら、私でもスキルを使わないと壊せないかもなぁ」
「そ、そんなことないと思いますよ?」

 突然の絶賛にリリーナはどう反応したらいいのか分からず、ただただ照れている。
 こんな姿を見るのが珍しかったのか廻がリリーナを見つめていると、その隣でボッヘルが何故だか歓喜していた。

「さ、さすが俺のリリーナだ! そうだよな、リリーナが固定した看板なんだ、そう簡単に壊されてたまるかってんだ!」
「と、突然強気になりましたね」
「ごめんなさいね。この人、調子に乗りやすいんですよ」

 呆れ声の廻に対してリリーナが苦笑しながら謝っている。
 だが、アルバスとジギルからの太鼓判なら看板については安心だと胸を撫で下ろす。
 ランドンに関しても倒されることはないだろうということなので、とりあえずの目標はライとストナのレベル上げとなった。

「今日の戦闘でどれくらいになったんだ?」
「ライがレベル5、ストナがレベル6ですね」
「まだまだ心許ないな。この後にでももう一回潜ってみるか。ジギルはどうだ?」
「アルバスが潜るなら私も潜るわよ」
「あの、本当にいいんですか?」

 まさかお祝いの席で再び潜ることが決まるとは思わなかった廻は二人が無理をしていないかが心配だった。
 だが、二人とも問題はないと快く引き受けてくれたのだ。

「おっ! だったら俺も行っていいか? ランドンを倒した二人について行けば棚ぼたでレアアイテムが手に入りそうだしよ!」
「「足手まといは必要ない」」
「ひ、酷えじゃねえかよお!?」
「ヤダンを連れて行くくらいなら、リリーナを連れて行く方が断然勝率が上がる」
「そうだ! ヤダンが換金所に立てばいいんじゃないの?」
「できるわけないでしょうよ!」
「そこは私がお断りします」
「メ、メグルちゃんまでえっ!?」

 ヤダンの焦りように机に集まっていた全員から笑いが巻き起こり、そして話はダンジョンに誰が同行するのかに移行していく。
 その中でロンドの同行はすぐに決まった。

「あの、本当に僕でいいんでしょうか?」
「一応、俺は小僧の師匠って立場になっているからな。たまには師匠らしいところを見せておくのもいいかと思ってな」
「ロンド君には私を超える存在になってもらわないといけないからね」
「ジ、ジギル様を超えるっと、それはさすがに無理があるかと」
「おいおい、挑戦する前から諦めていいのか? そんな柔なやつを弟子にした覚えはないんだがなぁ」
「アルバス様まで」

 恐縮しきりなロンドに対して、やる気を出してもらうために廻も鼓舞するために口を開いた。

「今のロンド君にはアークスさんが作ってくれた剣もあるし、ジーンさんから貰った装備だってあるじゃないの。今できることをやるって、大事だと思うけどな」
「今できることをやる、ですか……」

 廻の言葉はロンドの心に何かを訴えかけたようで、顔を上げるとすぐに頷いて同行することになった。
 残る新人冒険者三人も同行を希望したのだが、こちらは却下されてしまう。なんでも、ライとストナのレベル上げが一番重要なので速度を大事にしたいのだとアルバスは口にする。

「小僧なら何度も俺とダンジョンに潜ってついて来れることが分かっているからな。その点、お前達に関してはついてくれる保証がない」
「ごめんねー。ゼウスブレイドがいなくなったら私が付き合ってあげるからさ」
「「「ほ、本当ですか!」」」

 ジギルの言葉に今回の同行は全員が諦めてくれた。

「ジギルさん、いいんですか?」
「いいのよ。それに、後輩に現実を見せつけるのも先輩の役目だもんね。というわけで、その時はアルバスも付き合ってよね」
「お前だけで行くんじゃないのかよ。俺には換金所の仕事が──」
「でしたら、その時は私が窓口に立つのでご安心ください」
「ありがとうリリーナちゃん!」
「……はぁ。分かったよ、行けばいいんだろ、行けばよ!」

 こうして、この後にダンジョンへと潜る人選はアルバス、ジギル、ロンドの三人──と思いきや、駄々をこねたヤダンの動向も決まり四人になったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命

遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...