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第25話:雪山の絶景を独り占め!常夏のインフィニティ・プールと透け透けの氷壁
「ルカ。現在の当リゾートにおける、顧客滞在時間のボトルネックはどこだと思う?」
「……日中のアクティビティの欠如ですね、ボス。極上の食事とエステ、睡眠のサイクルは完成しましたが、その間の『な時間を持て余す富裕層が出てくるはずです。ここは大きな機会損失です」
変態エルフのシルヴァンがボタニカル温室に住み着き、圧倒的な生産体制を確立した数日後。
私とルカはヴォルフガング城の最上階にある、だだっ広いが雪に埋もれただけのバルコニーに立っていた。
「その通りよ。富裕層の財布の紐を緩めさせるには、非日常のエンターテインメントで日中から夜間まで彼らを敷地内に拘束し続けるキラーコンテンツが必要不可欠。
今からこの空間を、世界で最もラグジュアリーな常夏のアクティビティ施設に大改装するわ!」
私はバルコニーの先端に立ち、眼下に広がる猛吹雪の白銀世界と遠くそびえる雪山を見据えた。
「まずはベースの構築! バルコニーの床面をくり抜き、プールの器を錬成する!」
土魔法を使い、分厚い石の床を滑らかなすり鉢状に掘り下げる。
水圧による崩落を防ぐため、石英成分を融合させて内壁全体を強固なガラスコーティングで覆い尽くす。 そして、ここからが最大の腕の見せ所だ。
「視覚のバグを生み出すわよ。外側の壁を限界まで削り落とし、プールの縁と水面をミリ単位で水平に同化させる……!」
これぞ高級リゾートの代名詞。
水面がそのまま外の景色へと溶け込み、滝のように流れ落ちていくオーバーフロー構造──インフィニティ・エッジの構築だ。 流れ落ちた水を下のピットで回収し、再びプールへと循環させる精緻な水魔法のサイクルを編み込む。
「続いて環境制御! 猛吹雪の中でも水着で遊べる常夏の水辺の錬成よ!」
水魔法でプールに清らかな水を満たしつつ、底面に仕込んだ炎魔法のヒートポンプを起動。
広大な水量を人間が最も心地よいと感じる34度の不感温度帯にピタリと保つ。
さらに風魔法を極限まで引き伸ばし、バルコニー全体を覆い尽くす不可視の半球ドーム……エアロシールドを展開。
絶対零度の外気を完全に遮断し、内部の空調をトロピカルな適温に固定する。
凄まじい魔力消費に、視界がチカチカと明滅する。
(でも、前世で体験したクリスマス商戦前の作業に比べれば、物理的な魔力枯渇なんてエナドリを飲まなくても耐えられるわ! 私のブラック企業仕込みの社畜メンタルを舐めないでよね!あれ、なんかこの思考……前にもしたような……)
歯を食いしばり、脳内のパラメーターを次々と最適化していく。
「仕上げは、夜間帯の収益化を見据えた光と音のハックよ!」
プールの底面に光魔法のプリズムを埋め込み、水面全体がエメラルドグリーンやサファイアブルーに揺らめく水中イルミネーション(ナイトプール仕様)を実装。
さらに、水の中を伝わる音波を利用して、潜った時にだけ極上のヒーリング音楽が聞こえる音響システムを水魔法にコーディングした。
「——温水インフィニティ・プール、完成……!うっ、頭が……」
私が荒い息を吐きながら術式を閉じた瞬間、猛吹雪の雪山を背景に、湯気をふわりと立ち昇らせる広大で美しい常夏の水辺が誕生した。
水面は鏡のように空と雪山を反射し、空中に浮かぶ湖のようだ。
「素晴らしい空間設計です、ボス。これで顧客の滞在時間は劇的に跳ね上がりますね」
「ええ。そして、この空間の利益率をさらに最大化するための物販も開発しておいたわ。ちょっと着替えてくる!」
私は自室に戻り、あらかじめ用意しておいた最新トレンドのテスト用ウェアに着替えてプールサイドへ戻った。
「どうかしら、ルカ! これぞ魔法繊維とスライムの粘液成分を錬成して作った、圧倒的な伸縮性と耐水性を誇る最新スイムウェアよ!」
私が身に纏っていたのはシックな黒を基調としたハイウエストのセパレート水着だ。
過度な露出は避けつつも、ボディラインを美しく見せる立体裁断。
さらに、腰には透け感のあるシースルーのパレオを巻き、リゾート感を完璧に演出している。
「完璧なプロダクトです。非日常の社交場において、女性客の他の誰よりも美しく見られたいという承認欲求を強烈に刺激します。これを高額なレンタル・販売品として展開すれば、利益率は……」
ルカが私の水着姿に微塵も動揺することなく、手元のメモ帳で猛スピードでソロバンを弾き始めた。
私が新たな収益の柱の誕生に想いを馳せていた――その時だ。
「こんな場所で薄着になって何をしている……?寒くないのか……?いや、暖かい……?なんでだ……」
いつもの通りアレクセイが、眉間を深く寄せて立っていた。
「CEO! ちょうど良かったです! 新たなキラーコンテンツであるインフィニティ・プールと、このオリジナル水着の……」
私が営業スマイルで振り返った瞬間。 アレクセイの瞳が私の水着姿を捉えてカッと見開かれた。
「なっ……! シャ、シャルロッテ!? お前、その破廉恥な格好はなんだ!?」
「え?は、破廉恥ではありません、計算し尽くされた機能美です! これを富裕層の令嬢たちに売り捌けば――」
「馬鹿を言うな! 俺の妻……じゃなくて!お前の肌を無闇に他の男の目に晒す気か!!
」
アレクセイは血相を変えて激昂した。
(え?なに過剰なコンプライアンス意識! 中世レベルの文化圏じゃ、水着は少し刺激が強すぎたのかな……?)
「落ち着いてください公爵様! これはあくまでプロモーション用の――」
「ええい、隠せ!! 『アイス・ウォール』!!」
バキィィィィッ!!
アレクセイが焦ったように腕を振るうと、凄まじい冷気が発生し私とルカの間を遮るように、分厚く巨大な氷のカーテン(壁)がドーム状に出現した。
私を他の男の視線から完全に隔離するための、氷の公爵による強硬手段だ。
……だが。
「……あの。これ、丸見えなんですけど」
私は呆れた顔で氷の壁をノックした。 アレクセイの魔力が洗練されすぎているせいで、彼が生み出した氷の壁は不純物が一切なく高級なクリスタルガラスのように透明度100%の透け透けだったのだ。
むしろ氷の壁がプリズムの役割を果たし、プールの下からライトアップされている私の水着姿をステンドグラスのようにキラキラと美しく神秘的にショーアップしてしまっている。
「な、なんだと!? なぜ透ける……! くっ、ならばもっと分厚く……いや、それだと余計に輝きが……っ!?」
「CEOの魔法精度が高すぎるのが裏目に出ましたね」
焦って氷を重ねようとして、逆に私を美しくライティングしてしまうアレクセイに対し、ルカが氷の壁越しに手元のメモ帳を叩いて冷徹な提案をした。
「ボス。CEOのこの透明な氷の壁……夜間のナイトプールにおけるプロジェクションマッピングの巨大スクリーンとして完璧です。これを組み込みましょう」
「ナイスアイデアよ、ルカ! 氷の壁をスクリーンにして映像を投影すれば、視覚的なエンタメ価値がさらに跳ね上がるわ! CEO、この氷壁の維持、業務委託契約でお願いできます!?」
「お前たち……! なぜ俺が舞台装置に成り下がらねばならん!……まぁ、お前が喜ぶのなら、やってもいいが……」
美しい顔を真っ赤にして氷壁の向こうで頭を抱え、それでも私から目を逸らせないアレクセイ。
そんな彼を横目に、私とルカの頭の中ではナイトプールと氷のスクリーンの掛け合わせによる超絶マネタイズ計画が、着々と構築されていくのだった……。
「……日中のアクティビティの欠如ですね、ボス。極上の食事とエステ、睡眠のサイクルは完成しましたが、その間の『な時間を持て余す富裕層が出てくるはずです。ここは大きな機会損失です」
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私とルカはヴォルフガング城の最上階にある、だだっ広いが雪に埋もれただけのバルコニーに立っていた。
「その通りよ。富裕層の財布の紐を緩めさせるには、非日常のエンターテインメントで日中から夜間まで彼らを敷地内に拘束し続けるキラーコンテンツが必要不可欠。
今からこの空間を、世界で最もラグジュアリーな常夏のアクティビティ施設に大改装するわ!」
私はバルコニーの先端に立ち、眼下に広がる猛吹雪の白銀世界と遠くそびえる雪山を見据えた。
「まずはベースの構築! バルコニーの床面をくり抜き、プールの器を錬成する!」
土魔法を使い、分厚い石の床を滑らかなすり鉢状に掘り下げる。
水圧による崩落を防ぐため、石英成分を融合させて内壁全体を強固なガラスコーティングで覆い尽くす。 そして、ここからが最大の腕の見せ所だ。
「視覚のバグを生み出すわよ。外側の壁を限界まで削り落とし、プールの縁と水面をミリ単位で水平に同化させる……!」
これぞ高級リゾートの代名詞。
水面がそのまま外の景色へと溶け込み、滝のように流れ落ちていくオーバーフロー構造──インフィニティ・エッジの構築だ。 流れ落ちた水を下のピットで回収し、再びプールへと循環させる精緻な水魔法のサイクルを編み込む。
「続いて環境制御! 猛吹雪の中でも水着で遊べる常夏の水辺の錬成よ!」
水魔法でプールに清らかな水を満たしつつ、底面に仕込んだ炎魔法のヒートポンプを起動。
広大な水量を人間が最も心地よいと感じる34度の不感温度帯にピタリと保つ。
さらに風魔法を極限まで引き伸ばし、バルコニー全体を覆い尽くす不可視の半球ドーム……エアロシールドを展開。
絶対零度の外気を完全に遮断し、内部の空調をトロピカルな適温に固定する。
凄まじい魔力消費に、視界がチカチカと明滅する。
(でも、前世で体験したクリスマス商戦前の作業に比べれば、物理的な魔力枯渇なんてエナドリを飲まなくても耐えられるわ! 私のブラック企業仕込みの社畜メンタルを舐めないでよね!あれ、なんかこの思考……前にもしたような……)
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プールの底面に光魔法のプリズムを埋め込み、水面全体がエメラルドグリーンやサファイアブルーに揺らめく水中イルミネーション(ナイトプール仕様)を実装。
さらに、水の中を伝わる音波を利用して、潜った時にだけ極上のヒーリング音楽が聞こえる音響システムを水魔法にコーディングした。
「——温水インフィニティ・プール、完成……!うっ、頭が……」
私が荒い息を吐きながら術式を閉じた瞬間、猛吹雪の雪山を背景に、湯気をふわりと立ち昇らせる広大で美しい常夏の水辺が誕生した。
水面は鏡のように空と雪山を反射し、空中に浮かぶ湖のようだ。
「素晴らしい空間設計です、ボス。これで顧客の滞在時間は劇的に跳ね上がりますね」
「ええ。そして、この空間の利益率をさらに最大化するための物販も開発しておいたわ。ちょっと着替えてくる!」
私は自室に戻り、あらかじめ用意しておいた最新トレンドのテスト用ウェアに着替えてプールサイドへ戻った。
「どうかしら、ルカ! これぞ魔法繊維とスライムの粘液成分を錬成して作った、圧倒的な伸縮性と耐水性を誇る最新スイムウェアよ!」
私が身に纏っていたのはシックな黒を基調としたハイウエストのセパレート水着だ。
過度な露出は避けつつも、ボディラインを美しく見せる立体裁断。
さらに、腰には透け感のあるシースルーのパレオを巻き、リゾート感を完璧に演出している。
「完璧なプロダクトです。非日常の社交場において、女性客の他の誰よりも美しく見られたいという承認欲求を強烈に刺激します。これを高額なレンタル・販売品として展開すれば、利益率は……」
ルカが私の水着姿に微塵も動揺することなく、手元のメモ帳で猛スピードでソロバンを弾き始めた。
私が新たな収益の柱の誕生に想いを馳せていた――その時だ。
「こんな場所で薄着になって何をしている……?寒くないのか……?いや、暖かい……?なんでだ……」
いつもの通りアレクセイが、眉間を深く寄せて立っていた。
「CEO! ちょうど良かったです! 新たなキラーコンテンツであるインフィニティ・プールと、このオリジナル水着の……」
私が営業スマイルで振り返った瞬間。 アレクセイの瞳が私の水着姿を捉えてカッと見開かれた。
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アレクセイは血相を変えて激昂した。
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