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45話
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それから数日が経過した。
[DP: 23500]
(……行ったな。ついに2万の大台を突破だ!)
俺は6階のコアの部屋で、脳裏に表示される数字を見て震えた。
以前は数ポイントの増減に一喜一憂し、5DPのパンを生成するのに悩んでいたのが嘘のようだ。
今の俺はちょっとした小国の王か、急成長中のベンチャー企業の社長にでもなった気分だ。
(みんな、よく働いてくれている)
俺は意識をダンジョン全体へと広げる。
この「円形の塔」は今や一つの巨大な工場のようにシステム化され、休むことなく稼働していた。
まず経済の要である資源班。 1階の[N]闘技場への回廊には外から帰還した[C]スライムたちと[UC]アルケミー・スライムたちが長蛇の列を作っている。
彼らは森で採取した苔や不要な瓦礫、魔物の死骸の欠片などを体内に取り込み、それを[N]セージ・スライムの指揮のもと次々とDP納品石へ吐き出している。
「プヨッ!(A班、納品完了! 次、B班!)」
「プヨプヨ~(へーい)」
セージ・スライムの的確な指示出しにより以前のような渋滞は解消され、スムーズな納品フローが確立されていた。
さらに外の岩盤を掘り進む[N]コボルト・マイナーたちも、背負い籠いっぱいの鉱石を抱えて戻ってくる。
「キャンキャン!(大物が取れたぞ!)」
彼らが持ち帰るレアな鉱石は一回で数百DPになることもある。まさにドル箱だ。
次に食料班。 [R]ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフ率いるウルフ部隊は完全に狩りをルーチン化していた。
彼らは定期的に森へ繰り出し[N]ボアや[N]オークといった獲物を仕留めてくる。 それを[N]ヴァンパイアバット率いる偵察輸送部隊が空輸し拠点へ持ち帰る。
持ち帰られた獲物は1階の広間で解体され[素材]としてストックされるか、そのまま魔物たちの胃袋へと収まる。
おかげでこれだけの大所帯になっても食料事情に困ることはない……。
そして防衛・教育部隊。
1階の大広間では、[R]ヒーロー・ゴブリン・ジェネラルが、新入りや下位の魔物たちに稽古をつけている。
「グルァ!(踏み込みが甘い!)」
「ギィィ!(了解!)」
ジェネラルの剣技指導を受ける魔物たちの動きは日に日に洗練されていく。
その横では、[R]オーク・デストロイヤーが……。
「ブヒ~♪」
なぜか、屋上から降りてきたリナにブラッシングされていた。最強の破壊兵器が完全に愛玩動物のような顔をして腹を見せている。
まあ暴れられるよりはマシかな。リナの護衛も兼ねていると思えば、これほど頼もしいペットもいないだろう……。
(素晴らしい……)
探索、生産、防衛、兵站。 すべての歯車が噛み合い俺のダンジョンは拡大を続けている。
(DPも2万を超えた。そろそろ次の段階へ進んでもいい頃合いかもしれないな)
俺は潤沢なDPを眺めながら、さらなる拠点の強化計画を練り始めた。
[N]ガチャを回しまくって戦力を底上げするか? それとも溜めに溜めて一気にガチャや設備を狙うか? リナのために屋上の設備をもっと豪華にするのも悪くないかも……?
(何をしようかな……)
俺はDPの使い道を探して脳裏のリストを色々とスクロールさせていた。
相変わらず[食料]や[雑貨]は安価だが、[拠点機能]の項目は桁が違うものが多い。
(ん……? なんだこれ?)
俺はリストの最下部、以前はグレーアウトしていたりそもそも存在しなかったりした場所に新しい項目が追加されていることに気付いた!
相変わらず新しい項目が出現する条件が不明だが……ありがたい!
俺は興奮を抑えながら、新たに追加されたリストを確認した。
♢ ♢ ♢
【[R] レア魔物ガチャ】(5000 DP)
概要: [R]ランク以上確定のガチャ。
効果: [N]からの進化ではなく、最初から強力な[R]ランクの魔物を召喚できる。進化の手間とコストを省き即戦力を入手可能。更に運が良ければSR以上が出ることも……?
【フロア増設ガチャ(中コスト)】(5000 DP)
概要: 従来の「低コスト(1000 DP)」の上位版。
効果: [N]ランク以上のフロアが確定、運が良ければ[R]ランクのフロアが出るかもしれない。
【[N] ノーマル装備ガチャ】(3000 DP)
概要: [UC]アンコモン装備(300 DP)のさらに上位。
効果: [N]ランクの強力な魔法の武具や、特殊な効果を持つアーティファクトが手に入る。低確率でSR以上の装備が出る
♢ ♢ ♢
(た、高い……!?)
俺は思わず心のなかで叫んだ。 [R]ランクの魔物が最初から手に入るのは素晴らしい。魅力的だ。
だが、5000 DPだぞ? [C]スライムなら1000匹呼べる額だ。
それに俺はこれまでの経験から一つの法則に気づいている。
──魔物はガチャで当てるより、下位から進化させた方が強い。
最初から[N]や[UC]で出た個体よりも、[C]から叩き上げで進化してきた魔物の方が明らかに基礎ステータスが高いし、何よりスキル構成が洗練されている。
いきなり[R]を出してもレベル1の未熟な個体が出るだけかもしれない。
それなら手塩にかけた部下を進化させた方がコストも安く、忠誠心も高く戦力としても確実だ。
(いずれは[R]ランクガチャを連発できるような大富豪になるかもしれないけど、今はやめておこう……)
ただ、SR以上が出るという文言が気になるな……。
これは下位のガチャにはなかったものだ。いよいよガチャらしくなってきた。もしかしたら、このクラスから本格的なガチャが始まるのかもしれない……。
あまり夢中になりすぎるとDPがすぐに溶けてなくなるから注意が必要だ。
フロア増設ガチャ(中)や装備ガチャ([N])も同様だ。
今の俺に必要なのは一発逆転のギャンブルじゃない。 確実に戦力を底上げし、23500 DPを死に金にしないことだ。
(どうするか……?)
俺はリストを閉じ、現在の戦力状況と、潤沢なDPを見比べる。
そして散々に悩んだ結果……
(よし、方針は決まった!)
俺は脳内で腕を組んだ。
[R]ランクの魔物ガチャは魅力的だしSR以上が出るという文言も惹かれる……だが、5000DPは今の俺には重過ぎる。
まずは「階層」だ。物理的な障壁を増やして敵がコアに到達するまでの時間を稼ぐ。
(今は6階建てだ。ここに「低コスト(1000DP)」で9階層を追加する!)
これで一気に15階建てになる。 今までの法則どおりなら新しい階層は「下」に追加されるはずだ。
つまり今回追加する9つのフロアが、新たな1階~9階となり、今まで1階だった[N]闘技場への回廊などは上層階(10階~)へと押し上げられることになる。
(消耗戦を強いる長いダンジョン……その奥に、万全の主力部隊が待ち構える。これでいける!)
(まずは9連ガチャだ! 頼むぞ、使えるフロア来てくれ!)
俺は脳裏のリストから、[フロア増設ガチャ(低コスト)] を9回連続で選択した。
消費DP:9000!
DP残高:23500 → 14500
その瞬間、塔全体がかつてない規模の地鳴りを上げて震動した。
ズズズズズズズズズズ……ッ!!!
「きゃあああっ!?」
リナが悲鳴を上げてベッドにしがみつく。
揺れは長く激しかった。まるで大地そのものが成長痛を訴えているかのようだ。
俺たちがいる最上階がエレベーターのようにぐんぐんと空へと持ち上げられていく。雲を突き抜けるんじゃないかという高度感だ。
(9階層分だ……! さすがに規模が違う!)
やがて長い揺れが収まった。
俺の脳裏に新しく生成されたフロアの情報が雪崩れ込んでくる。
♢ ♢ ♢
【フロア増設完了:計9階層追加】
【現在の階層:15階建て】
[新規追加フロア一覧(新1階~9階)]
1階(新・入口): [C] 長い石造りの回廊
特徴: ただひたすらに長い、直線の石造り通路。遮蔽物が少ない。
用途: [N]ゴブリン・レンジャー等の弓部隊による、一方的な射撃ゾーンとして最適。
2階: [C] 湿った土の洞窟
特徴: ジメジメとした土壁のエリア。足場が悪く、移動速度が低下する。
用途: [C]スライムや[UC]大ムカデの待機所。地の利を活かした足止めが可能。
3階: [C] コボルトの迷路
特徴: 狭い通路が入り組んだ迷路状のフロア。
用途: [UC]コボルトたちが罠を仕掛けるのに最適な狩場。侵入者を分断できる。
4階: [C] 蝙蝠のねぐら
特徴: 天井が高く、鍾乳石が垂れ下がっている薄暗い空間。
用途: [N]ヴァンパイアバットが率いる航空部隊の駐屯地。上空からの奇襲が可能。
5階: [C] ゴブリンの兵舎
特徴: 簡易的な寝床や武器置き場が並ぶ、生活感のあるフロア。
用途: 増えすぎたゴブリン部隊の居住区。彼らの士気と体力回復速度が向上する。
6階: [C] 地底湖
特徴: フロア全体が水深のある冷たい水で覆われている。飛び石と細い橋しかない。
用途: 水中戦が得意な[N]リザードマンの独壇場。足を踏み外した敵は溺れる。
7階: [N] 毒キノコの密林 (当たり!)
特徴: 巨大なキノコが林立する湿地帯。幻惑と微毒の胞子が漂っている。
用途: 侵入者に[毒]や[麻痺]の状態異常を与える天然のトラップエリア。
8階: [C] 腐った木の橋
特徴: 底の見えないクレバスの上に、今にも崩れそうな吊り橋が架かっている。
用途: 落下即死を狙える危険地帯。重量級の敵には効果てきめん。
9階: [C] 倉庫フロア
特徴: 乾燥しており、頑丈な棚や木箱が配置されている。
用途: 食料や資材の備蓄庫。腐敗を防ぐ効果がある。
♢ ♢ ♢
(……ふぅ)
俺は新しくできた9つの階層を見渡す。[N]毒キノコの密林以外はすべて[C]コモンランクだ。
──だが、悪くない。いや、むしろ良い。
「長い廊下」で狙撃し、「迷路」で罠にハメ、「地底湖」や「腐った橋」で足場を奪い、「毒」で削る。
一つ一つは弱くても、これらを突破してくる頃には敵は相当消耗しているはずだ。
……ただ、ゴブリンの兵舎は前に作った詰所と効果が似ているような……まあいい。
(そして既存の強力なフロア……[N]闘技場への回廊などは上層(10階~)に押し上げられた)
つまり消耗しきった敵を、万全の状態の主力部隊が迎え撃つ形になる。 防衛戦術としては王道かつ理想的だ。
(残るDPは14500。……仕上げだ)
──今ここで中コストガチャを回す!
せっかく作った「長い回廊」の下にいきなり強力なフロアが出来てしまうことになるが……玄関はやはり重要だ!ここで敵の士気を削ぐんだ!
(よし……やるぞ!)
敵が絶望するような最強の「顔」、つまり玄関が欲しい!
(5000DPだ! 中コストガチャ、いけっ!!)
俺は脳裏の【拠点機能】リストから[フロア増設ガチャ(中コスト) - 5000 DP] を選択した──。
♢ ♢ ♢
[現在の拠点状況]
拠点名: (未設定・円形の塔)
階層: 15階建て + 屋上
屋上: [天空の薬草園と錬金工房](リナの居場所)
15階: コアの部屋(居住区・旧6階)
14階: [旧5階]
13階: [C] ゴブリンの詰め所(旧3階or4階相当)
12階: [C] 湿った洞窟(旧2階or3階相当)
11階: [C] コボルトのねぐら(旧2階相当)
10階: [N] 闘技場への回廊(主力防衛ライン・旧1階)
9階: [C] 倉庫フロア
8階: [C] 腐った木の橋
7階: [N] 毒キノコの密林
6階: [C] 地底湖
5階: [C] ゴブリンの兵舎
4階: [C] 蝙蝠のねぐら
3階: [C] コボルトの迷路
2階: [C] 湿った土の洞窟
1階: [C] 長い石造りの回廊(新・入口)
DP: 14,500
訪問者: 1名(リナ)
召喚中:
総司令官: [R] ヒーロー・ゴブリン・ジェネラル (Lv.20)
狩猟部隊長: [R] ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフ (Lv.15)
突撃隊長: [R] オーク・デストロイヤー (Lv.15)
偵察部隊長: [N] ヴァンパイアバット (Lv.8)
防衛部隊長: [N] スケルトン・ガーディアン (Lv.13)
資源管理: [N] セージ・スライム、[N] コボルト・マイナー等
(他、[N][UC][C]ランク多数)
侵入者: なし
その他: 低コスト増築により下層(1~9階)が消耗戦用の長いダンジョンとなり、主力が待ち構える[N]闘技場が10階へ移動。防衛力が物理的に大幅向上した。
♢ ♢ ♢
[DP: 23500]
(……行ったな。ついに2万の大台を突破だ!)
俺は6階のコアの部屋で、脳裏に表示される数字を見て震えた。
以前は数ポイントの増減に一喜一憂し、5DPのパンを生成するのに悩んでいたのが嘘のようだ。
今の俺はちょっとした小国の王か、急成長中のベンチャー企業の社長にでもなった気分だ。
(みんな、よく働いてくれている)
俺は意識をダンジョン全体へと広げる。
この「円形の塔」は今や一つの巨大な工場のようにシステム化され、休むことなく稼働していた。
まず経済の要である資源班。 1階の[N]闘技場への回廊には外から帰還した[C]スライムたちと[UC]アルケミー・スライムたちが長蛇の列を作っている。
彼らは森で採取した苔や不要な瓦礫、魔物の死骸の欠片などを体内に取り込み、それを[N]セージ・スライムの指揮のもと次々とDP納品石へ吐き出している。
「プヨッ!(A班、納品完了! 次、B班!)」
「プヨプヨ~(へーい)」
セージ・スライムの的確な指示出しにより以前のような渋滞は解消され、スムーズな納品フローが確立されていた。
さらに外の岩盤を掘り進む[N]コボルト・マイナーたちも、背負い籠いっぱいの鉱石を抱えて戻ってくる。
「キャンキャン!(大物が取れたぞ!)」
彼らが持ち帰るレアな鉱石は一回で数百DPになることもある。まさにドル箱だ。
次に食料班。 [R]ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフ率いるウルフ部隊は完全に狩りをルーチン化していた。
彼らは定期的に森へ繰り出し[N]ボアや[N]オークといった獲物を仕留めてくる。 それを[N]ヴァンパイアバット率いる偵察輸送部隊が空輸し拠点へ持ち帰る。
持ち帰られた獲物は1階の広間で解体され[素材]としてストックされるか、そのまま魔物たちの胃袋へと収まる。
おかげでこれだけの大所帯になっても食料事情に困ることはない……。
そして防衛・教育部隊。
1階の大広間では、[R]ヒーロー・ゴブリン・ジェネラルが、新入りや下位の魔物たちに稽古をつけている。
「グルァ!(踏み込みが甘い!)」
「ギィィ!(了解!)」
ジェネラルの剣技指導を受ける魔物たちの動きは日に日に洗練されていく。
その横では、[R]オーク・デストロイヤーが……。
「ブヒ~♪」
なぜか、屋上から降りてきたリナにブラッシングされていた。最強の破壊兵器が完全に愛玩動物のような顔をして腹を見せている。
まあ暴れられるよりはマシかな。リナの護衛も兼ねていると思えば、これほど頼もしいペットもいないだろう……。
(素晴らしい……)
探索、生産、防衛、兵站。 すべての歯車が噛み合い俺のダンジョンは拡大を続けている。
(DPも2万を超えた。そろそろ次の段階へ進んでもいい頃合いかもしれないな)
俺は潤沢なDPを眺めながら、さらなる拠点の強化計画を練り始めた。
[N]ガチャを回しまくって戦力を底上げするか? それとも溜めに溜めて一気にガチャや設備を狙うか? リナのために屋上の設備をもっと豪華にするのも悪くないかも……?
(何をしようかな……)
俺はDPの使い道を探して脳裏のリストを色々とスクロールさせていた。
相変わらず[食料]や[雑貨]は安価だが、[拠点機能]の項目は桁が違うものが多い。
(ん……? なんだこれ?)
俺はリストの最下部、以前はグレーアウトしていたりそもそも存在しなかったりした場所に新しい項目が追加されていることに気付いた!
相変わらず新しい項目が出現する条件が不明だが……ありがたい!
俺は興奮を抑えながら、新たに追加されたリストを確認した。
♢ ♢ ♢
【[R] レア魔物ガチャ】(5000 DP)
概要: [R]ランク以上確定のガチャ。
効果: [N]からの進化ではなく、最初から強力な[R]ランクの魔物を召喚できる。進化の手間とコストを省き即戦力を入手可能。更に運が良ければSR以上が出ることも……?
【フロア増設ガチャ(中コスト)】(5000 DP)
概要: 従来の「低コスト(1000 DP)」の上位版。
効果: [N]ランク以上のフロアが確定、運が良ければ[R]ランクのフロアが出るかもしれない。
【[N] ノーマル装備ガチャ】(3000 DP)
概要: [UC]アンコモン装備(300 DP)のさらに上位。
効果: [N]ランクの強力な魔法の武具や、特殊な効果を持つアーティファクトが手に入る。低確率でSR以上の装備が出る
♢ ♢ ♢
(た、高い……!?)
俺は思わず心のなかで叫んだ。 [R]ランクの魔物が最初から手に入るのは素晴らしい。魅力的だ。
だが、5000 DPだぞ? [C]スライムなら1000匹呼べる額だ。
それに俺はこれまでの経験から一つの法則に気づいている。
──魔物はガチャで当てるより、下位から進化させた方が強い。
最初から[N]や[UC]で出た個体よりも、[C]から叩き上げで進化してきた魔物の方が明らかに基礎ステータスが高いし、何よりスキル構成が洗練されている。
いきなり[R]を出してもレベル1の未熟な個体が出るだけかもしれない。
それなら手塩にかけた部下を進化させた方がコストも安く、忠誠心も高く戦力としても確実だ。
(いずれは[R]ランクガチャを連発できるような大富豪になるかもしれないけど、今はやめておこう……)
ただ、SR以上が出るという文言が気になるな……。
これは下位のガチャにはなかったものだ。いよいよガチャらしくなってきた。もしかしたら、このクラスから本格的なガチャが始まるのかもしれない……。
あまり夢中になりすぎるとDPがすぐに溶けてなくなるから注意が必要だ。
フロア増設ガチャ(中)や装備ガチャ([N])も同様だ。
今の俺に必要なのは一発逆転のギャンブルじゃない。 確実に戦力を底上げし、23500 DPを死に金にしないことだ。
(どうするか……?)
俺はリストを閉じ、現在の戦力状況と、潤沢なDPを見比べる。
そして散々に悩んだ結果……
(よし、方針は決まった!)
俺は脳内で腕を組んだ。
[R]ランクの魔物ガチャは魅力的だしSR以上が出るという文言も惹かれる……だが、5000DPは今の俺には重過ぎる。
まずは「階層」だ。物理的な障壁を増やして敵がコアに到達するまでの時間を稼ぐ。
(今は6階建てだ。ここに「低コスト(1000DP)」で9階層を追加する!)
これで一気に15階建てになる。 今までの法則どおりなら新しい階層は「下」に追加されるはずだ。
つまり今回追加する9つのフロアが、新たな1階~9階となり、今まで1階だった[N]闘技場への回廊などは上層階(10階~)へと押し上げられることになる。
(消耗戦を強いる長いダンジョン……その奥に、万全の主力部隊が待ち構える。これでいける!)
(まずは9連ガチャだ! 頼むぞ、使えるフロア来てくれ!)
俺は脳裏のリストから、[フロア増設ガチャ(低コスト)] を9回連続で選択した。
消費DP:9000!
DP残高:23500 → 14500
その瞬間、塔全体がかつてない規模の地鳴りを上げて震動した。
ズズズズズズズズズズ……ッ!!!
「きゃあああっ!?」
リナが悲鳴を上げてベッドにしがみつく。
揺れは長く激しかった。まるで大地そのものが成長痛を訴えているかのようだ。
俺たちがいる最上階がエレベーターのようにぐんぐんと空へと持ち上げられていく。雲を突き抜けるんじゃないかという高度感だ。
(9階層分だ……! さすがに規模が違う!)
やがて長い揺れが収まった。
俺の脳裏に新しく生成されたフロアの情報が雪崩れ込んでくる。
♢ ♢ ♢
【フロア増設完了:計9階層追加】
【現在の階層:15階建て】
[新規追加フロア一覧(新1階~9階)]
1階(新・入口): [C] 長い石造りの回廊
特徴: ただひたすらに長い、直線の石造り通路。遮蔽物が少ない。
用途: [N]ゴブリン・レンジャー等の弓部隊による、一方的な射撃ゾーンとして最適。
2階: [C] 湿った土の洞窟
特徴: ジメジメとした土壁のエリア。足場が悪く、移動速度が低下する。
用途: [C]スライムや[UC]大ムカデの待機所。地の利を活かした足止めが可能。
3階: [C] コボルトの迷路
特徴: 狭い通路が入り組んだ迷路状のフロア。
用途: [UC]コボルトたちが罠を仕掛けるのに最適な狩場。侵入者を分断できる。
4階: [C] 蝙蝠のねぐら
特徴: 天井が高く、鍾乳石が垂れ下がっている薄暗い空間。
用途: [N]ヴァンパイアバットが率いる航空部隊の駐屯地。上空からの奇襲が可能。
5階: [C] ゴブリンの兵舎
特徴: 簡易的な寝床や武器置き場が並ぶ、生活感のあるフロア。
用途: 増えすぎたゴブリン部隊の居住区。彼らの士気と体力回復速度が向上する。
6階: [C] 地底湖
特徴: フロア全体が水深のある冷たい水で覆われている。飛び石と細い橋しかない。
用途: 水中戦が得意な[N]リザードマンの独壇場。足を踏み外した敵は溺れる。
7階: [N] 毒キノコの密林 (当たり!)
特徴: 巨大なキノコが林立する湿地帯。幻惑と微毒の胞子が漂っている。
用途: 侵入者に[毒]や[麻痺]の状態異常を与える天然のトラップエリア。
8階: [C] 腐った木の橋
特徴: 底の見えないクレバスの上に、今にも崩れそうな吊り橋が架かっている。
用途: 落下即死を狙える危険地帯。重量級の敵には効果てきめん。
9階: [C] 倉庫フロア
特徴: 乾燥しており、頑丈な棚や木箱が配置されている。
用途: 食料や資材の備蓄庫。腐敗を防ぐ効果がある。
♢ ♢ ♢
(……ふぅ)
俺は新しくできた9つの階層を見渡す。[N]毒キノコの密林以外はすべて[C]コモンランクだ。
──だが、悪くない。いや、むしろ良い。
「長い廊下」で狙撃し、「迷路」で罠にハメ、「地底湖」や「腐った橋」で足場を奪い、「毒」で削る。
一つ一つは弱くても、これらを突破してくる頃には敵は相当消耗しているはずだ。
……ただ、ゴブリンの兵舎は前に作った詰所と効果が似ているような……まあいい。
(そして既存の強力なフロア……[N]闘技場への回廊などは上層(10階~)に押し上げられた)
つまり消耗しきった敵を、万全の状態の主力部隊が迎え撃つ形になる。 防衛戦術としては王道かつ理想的だ。
(残るDPは14500。……仕上げだ)
──今ここで中コストガチャを回す!
せっかく作った「長い回廊」の下にいきなり強力なフロアが出来てしまうことになるが……玄関はやはり重要だ!ここで敵の士気を削ぐんだ!
(よし……やるぞ!)
敵が絶望するような最強の「顔」、つまり玄関が欲しい!
(5000DPだ! 中コストガチャ、いけっ!!)
俺は脳裏の【拠点機能】リストから[フロア増設ガチャ(中コスト) - 5000 DP] を選択した──。
♢ ♢ ♢
[現在の拠点状況]
拠点名: (未設定・円形の塔)
階層: 15階建て + 屋上
屋上: [天空の薬草園と錬金工房](リナの居場所)
15階: コアの部屋(居住区・旧6階)
14階: [旧5階]
13階: [C] ゴブリンの詰め所(旧3階or4階相当)
12階: [C] 湿った洞窟(旧2階or3階相当)
11階: [C] コボルトのねぐら(旧2階相当)
10階: [N] 闘技場への回廊(主力防衛ライン・旧1階)
9階: [C] 倉庫フロア
8階: [C] 腐った木の橋
7階: [N] 毒キノコの密林
6階: [C] 地底湖
5階: [C] ゴブリンの兵舎
4階: [C] 蝙蝠のねぐら
3階: [C] コボルトの迷路
2階: [C] 湿った土の洞窟
1階: [C] 長い石造りの回廊(新・入口)
DP: 14,500
訪問者: 1名(リナ)
召喚中:
総司令官: [R] ヒーロー・ゴブリン・ジェネラル (Lv.20)
狩猟部隊長: [R] ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフ (Lv.15)
突撃隊長: [R] オーク・デストロイヤー (Lv.15)
偵察部隊長: [N] ヴァンパイアバット (Lv.8)
防衛部隊長: [N] スケルトン・ガーディアン (Lv.13)
資源管理: [N] セージ・スライム、[N] コボルト・マイナー等
(他、[N][UC][C]ランク多数)
侵入者: なし
その他: 低コスト増築により下層(1~9階)が消耗戦用の長いダンジョンとなり、主力が待ち構える[N]闘技場が10階へ移動。防衛力が物理的に大幅向上した。
♢ ♢ ♢
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2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
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【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
転生したら王族だった
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異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
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ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
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旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
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