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第50話
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俺達は、ビーチの水辺で水の掛け合いをすることにした。
もちろん、スイカ割りやビーチバレーなんてのも頭に浮かんだが、こちらの文化に興味を持たれたら、流石にボロが出そうなのでやらないことにした。はじめはクリプッセンも、
「な、なによこの水、毒でも入ってんの!?」
と、しょっぱい水に驚きを隠せなかったが、遊んでいくうちに慣れていったようだった。
「そらよっ!」
「キャッ!」
俺とイーギは、とにかくクリプッセンを狙った。服を濡らせば、当然服でも脱いで裸になってくれるんじゃねーかなと思ったからだ。
結果から言うと、裸にはなってくれなかった。だが、服をある程度脱がせることに成功したうえ、濡れ透けというものを拝むことができた。
はっきり言ってたまらなかった。エロブロック崩しのような達成感とご褒美感がよかった。
「ちょっと、ジロジロ見ないでよ。」
「分かった。ガン見してやる。」
と返したら、
「スケベェ!」
と言って飛び蹴りを俺の顔面目掛けて放ってきたが、その瞬間にパンツを見ることができたので問題はなかった。
「・・・ん?」
目が覚めると、目の前にクリプッセンの顔があった。
「だ、大丈夫?」
とクリプッセンが聞いてきたので、状況を確認することにした。
「ああ、平気だ。てか、何で俺はビーチで倒れてたんだ?」
「え、えーと、それは・・・。」
「確か、クリプッセンを脱がせて、ガン見して、それから・・・。」
「自覚あるじゃないのよ!」
「ヘッへ・・・。あれ?そういや、イーギは?」
「・・・あそこ。」
そう言って、クリプッセンが頬を赤らめながら指差した先を見てみると、そこには俺と同様にビーチでノビていたイーギがいた。
「え?もしかしてお前・・・?」
「ア、アンタたちが悪いんだからね!そんな悪ふざけで、この乙女の心を傷つけたから・・・!」
「あ、ああ・・・。」
正直、俺が驚いたのはそこじゃなかった。この姫が、俺達を一撃でのしたという事実に驚いたのだ。結構強い自信があったのにフツーにヤラレチャッタので、何か情けない。
とはいえ、とりあえず追撃が来てはまずいので、乙女にフォローを入れることにした。
「まあ許してくれよ。お前の反応が面白いから、からかい甲斐があるんだよ。」
「まったく,アンタって人は・・・。さ、もう一人を起こしに行きましょ。。さ、もう一人を起こしに行きましょ。」
もう一人が起きてからは、遊び疲れたので砂浜に座って雑談をすることにした。
「姫としてじゃなくやってきた遊園地はどうだ?」
「最高よ。誰からも監視されないし、遊び相手がいるし。それにしても、アンタこんな素晴らしい場所を知ってたんだ。少し見直したわ。」
「そうかい、そうかい。」
「でも、こんな素敵な場所なのに、私、知らなかったわ。まるで、私達がいる世界じゃないみたい・・・。」
・・・ん?この流れ、マズくねーか?
「ねえ、シイマ。シイマは何でこんな場所を知ってるの?」
最悪の流れだ。この返答をミスれば、自分が異世界の人だとバラすことになりかねない。一体、どう答えたら正解なんだ・・・?
そうして頭を悩ませていると、俺に助け船が出た。
「確かこの空間って、意識を具現化するんだろ?だとすりゃ、あったらいいなって光景も具現化してくれるんじゃねえのか?」
答えたのは、イーギだった。ナ、ナイスフォロー!
「確かにそうね。アンタ、やるじゃない!」
どうやらイーギの返答でクリプッセンが納得したみたいだったので、俺は肩の力を抜いた。イーギもホッとしたようだ。それから俺は話題を変えることにした。
「そういや、ここって結構な入場料がすると思ったんだが、そんな金がよくあったな。」
「フフッ。これを使ったのよ。」
そう言うと、クリプッセンはポケットから金属でできたアクセサリーを取り出して俺に見せてきた。大きさからして、どうやらネックレスのようだ。中央に何かの模様が刻印されている。
「ん?これがどうかしたのか?」
「うそ、でしょ?この刻印のこと、知らないの?」
「ウンシッテル!」
「・・・これって、私の方がおかしいのかな・・・?」
そう言って少し錯乱したクリプッセンは、気を取り直してから話し始めた。
「この模様はね、私の家系で代々使われる紋章なのよ。だからこれがあれば、自分がレ・ヴォスマ・ル王国の王族であることの証明になるの!」
「ああ、そういうことね。じゃあ、それを見せてこの夢の国に入れたって訳か。・・・ほう。」
「え?どうかしたの?」
「いやあ、この遊園地、相当な高嶺の花だなって実感しただけさ。」
なぜネシディー園の受付が光の壁の先にあるのかというちょっとした
疑問が晴れた。
少しスッキリした俺は、立ち上がって体を伸ばし、クリプッセンに質問をした。
「さて、どうする?このままここにずっといるか?」
「うーん、悩むわね・・・。」
そう言ってクリプッセンが顎に手をやって考えていると、
グゥーッ。
と音がした。主は、クリプッセンだ。
「やっ、やだ・・・。恥ずかしいわ。」
そう言ってお腹を両腕と体育座りでサッと隠したクリプッセンを見て、俺は
「萌えぇぇぇぇぇぇぇ!」
と叫びたくなっていた。実際に叫んだのは、イーギでした。
もちろん、スイカ割りやビーチバレーなんてのも頭に浮かんだが、こちらの文化に興味を持たれたら、流石にボロが出そうなのでやらないことにした。はじめはクリプッセンも、
「な、なによこの水、毒でも入ってんの!?」
と、しょっぱい水に驚きを隠せなかったが、遊んでいくうちに慣れていったようだった。
「そらよっ!」
「キャッ!」
俺とイーギは、とにかくクリプッセンを狙った。服を濡らせば、当然服でも脱いで裸になってくれるんじゃねーかなと思ったからだ。
結果から言うと、裸にはなってくれなかった。だが、服をある程度脱がせることに成功したうえ、濡れ透けというものを拝むことができた。
はっきり言ってたまらなかった。エロブロック崩しのような達成感とご褒美感がよかった。
「ちょっと、ジロジロ見ないでよ。」
「分かった。ガン見してやる。」
と返したら、
「スケベェ!」
と言って飛び蹴りを俺の顔面目掛けて放ってきたが、その瞬間にパンツを見ることができたので問題はなかった。
「・・・ん?」
目が覚めると、目の前にクリプッセンの顔があった。
「だ、大丈夫?」
とクリプッセンが聞いてきたので、状況を確認することにした。
「ああ、平気だ。てか、何で俺はビーチで倒れてたんだ?」
「え、えーと、それは・・・。」
「確か、クリプッセンを脱がせて、ガン見して、それから・・・。」
「自覚あるじゃないのよ!」
「ヘッへ・・・。あれ?そういや、イーギは?」
「・・・あそこ。」
そう言って、クリプッセンが頬を赤らめながら指差した先を見てみると、そこには俺と同様にビーチでノビていたイーギがいた。
「え?もしかしてお前・・・?」
「ア、アンタたちが悪いんだからね!そんな悪ふざけで、この乙女の心を傷つけたから・・・!」
「あ、ああ・・・。」
正直、俺が驚いたのはそこじゃなかった。この姫が、俺達を一撃でのしたという事実に驚いたのだ。結構強い自信があったのにフツーにヤラレチャッタので、何か情けない。
とはいえ、とりあえず追撃が来てはまずいので、乙女にフォローを入れることにした。
「まあ許してくれよ。お前の反応が面白いから、からかい甲斐があるんだよ。」
「まったく,アンタって人は・・・。さ、もう一人を起こしに行きましょ。。さ、もう一人を起こしに行きましょ。」
もう一人が起きてからは、遊び疲れたので砂浜に座って雑談をすることにした。
「姫としてじゃなくやってきた遊園地はどうだ?」
「最高よ。誰からも監視されないし、遊び相手がいるし。それにしても、アンタこんな素晴らしい場所を知ってたんだ。少し見直したわ。」
「そうかい、そうかい。」
「でも、こんな素敵な場所なのに、私、知らなかったわ。まるで、私達がいる世界じゃないみたい・・・。」
・・・ん?この流れ、マズくねーか?
「ねえ、シイマ。シイマは何でこんな場所を知ってるの?」
最悪の流れだ。この返答をミスれば、自分が異世界の人だとバラすことになりかねない。一体、どう答えたら正解なんだ・・・?
そうして頭を悩ませていると、俺に助け船が出た。
「確かこの空間って、意識を具現化するんだろ?だとすりゃ、あったらいいなって光景も具現化してくれるんじゃねえのか?」
答えたのは、イーギだった。ナ、ナイスフォロー!
「確かにそうね。アンタ、やるじゃない!」
どうやらイーギの返答でクリプッセンが納得したみたいだったので、俺は肩の力を抜いた。イーギもホッとしたようだ。それから俺は話題を変えることにした。
「そういや、ここって結構な入場料がすると思ったんだが、そんな金がよくあったな。」
「フフッ。これを使ったのよ。」
そう言うと、クリプッセンはポケットから金属でできたアクセサリーを取り出して俺に見せてきた。大きさからして、どうやらネックレスのようだ。中央に何かの模様が刻印されている。
「ん?これがどうかしたのか?」
「うそ、でしょ?この刻印のこと、知らないの?」
「ウンシッテル!」
「・・・これって、私の方がおかしいのかな・・・?」
そう言って少し錯乱したクリプッセンは、気を取り直してから話し始めた。
「この模様はね、私の家系で代々使われる紋章なのよ。だからこれがあれば、自分がレ・ヴォスマ・ル王国の王族であることの証明になるの!」
「ああ、そういうことね。じゃあ、それを見せてこの夢の国に入れたって訳か。・・・ほう。」
「え?どうかしたの?」
「いやあ、この遊園地、相当な高嶺の花だなって実感しただけさ。」
なぜネシディー園の受付が光の壁の先にあるのかというちょっとした
疑問が晴れた。
少しスッキリした俺は、立ち上がって体を伸ばし、クリプッセンに質問をした。
「さて、どうする?このままここにずっといるか?」
「うーん、悩むわね・・・。」
そう言ってクリプッセンが顎に手をやって考えていると、
グゥーッ。
と音がした。主は、クリプッセンだ。
「やっ、やだ・・・。恥ずかしいわ。」
そう言ってお腹を両腕と体育座りでサッと隠したクリプッセンを見て、俺は
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