59 / 319
第四話 ショーゴと浮気。
15(side翔瑚)
しおりを挟む◇ ◇ ◇
ホワイトソースにチーズとベーコンと卵を合わせて挟んだ、ホットサンド。
焦げ目が濃いめのカリカリしたものが好き。だが焦げ過ぎてしまうと中身しか食べない。
休日に作ってラップで小分けして冷凍保存している、ミネストローネ。
ズッキーニが入っていないと駄目だ。仕上げの黒胡椒がかかっていないとなにも言わないが飲まない。
アボカドとトマトとレタスのサラダ。
カッテージチーズとバジルのレモンドレッシングがないと、トマトだけは食べるが他を残す。柑橘系のドレッシングが好き。
あくまで俺の予想だ。
食後はホットの紅茶とコーヒーを用意できるようにしてある。
気分で飲みたがるものが変わるから、両方用意してその都度淹れる。
たまに緑茶を飲みたがる。
密かに買った、揃いの食器。
入れ物になんて興味がないから気づいていないと思うが、部屋に来てくれた時ぐらいほんの少し幸せな気分を味わいたくて、恥ずかしいことをしていた。
沼から抜け出そうとしているはずなのに、頭の中では無意識に咲のことを考える。
朝食を作りながら、咲はいないのに彼好みの食事を用意していることに気がつき、ため息じみた笑みをもらす。
テーブルに出来上がった朝食を並べていると、ちょうどタイミングよくリビングのドアが開いて眠気眼の梶がやってきた。
昨夜、酔った勢いでベッドを共にしたので、そのまま泊まったのだ。
「リーダーおはようございますー。ってすげ! めちゃうまそう!」
「おはよう。顔は洗ってきたか?」
「もちです。タオル借りました。んあー腹減ったわー!」
「お前はまったく……子どもだな」
はしゃぎながらいそいそと席に着く梶につい吹き出しながら、自分も席に着く。
美味しそう、と言われて少し驚いた。
料理は趣味だから特別なことじゃないし、人に振る舞うこともあまりなく、唯一よく振る舞う咲も、俺の料理ではしゃぐことはなかったから。
食べてくれることが、不快じゃないというせめてものサインだったのだ。
……たまに、褒めてくれるんだがな。
ポテトサラダが好みの加減だったと撫でてくれたことを思い出して、苦笑いをうかべる。呆れたんだ。欠片を拾っては咲と梶を比べている自分に。
「いただきまーす!」
「あぁ。不味くても知らんぞ」
「視界がうまさしか感じねぇすわ!」
梶は目を輝かせて朝食を食べ始めると、うまいうまいと褒めてくれた。
そういう反応は慣れなくてむず痒い。
自分の作ったものに今更なにも思うことがないので、特に感想がない。なんだかんだと褒められると落ち着かなくて、食事をする手の動きがぎこちなくなった。
嬉しいけれど、悲しくなる。
この味付けは、加減は、咲のために覚えたもので、本人はそんなことを気にもしないことを、思い出してしまったからだ。
10
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる