人の心、クズ知らず。

木樫

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第七話 キョースケと愛し方。

15(side今日助)※

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 余計なことなんて言わせないよう萎えた肉茎を擦られ、力が抜けた隙を逃さず、ズル、とギリギリまで引き抜き、また奥深くまで穿たれた。


「んっ! ……あ、ぅ……っ」


 肌同士がぶつかる破裂音。
 自分の内臓を長大な怒張で掘削され、熱を帯びた喉で喘ぐ肉欲の波。

 一度冷まされた身体に襲う突然の快感に、上半身がかくもあっけなく湿った床へくたりと崩れ落ちた。

 待って、と静止の言葉をかけようとしても降って湧いた愉快なイベントが去った今、咲はいつものように俺を抱き潰すだけ。

 腰を引く時は内壁へ擦りつけるように。突き上げる時は抉るように。
 俺の弱い箇所を、強弱をつけて犯す。


「深い、当たってる、ひ、っ……そんな激しくしたらぁ…っぉ、ぅあっ……! あ、っ…はっ……はっ……」


 咲に快楽を教えこまれた身体は、もうすっかり男の受け入れ方を覚えていた。

 意識していなくても律動に合わせて蠕動し、内部は収縮を繰り返す。

 乱暴で強烈な刺激に、責めようとした口から悲鳴をあげた。

 咲は慰めるように動きを緩慢にし、また固く勃起し始めた俺の肉棒を緩く扱く。

 滑らかな白い指は、尿道口をあやすように爪を掠らせ、グチュグチュと抉った。


「ン゛ぅ……っ!? っぉ、ひ、あっ」

「ん……やっぱさぁ、オマエ優しすぎんね。俺が彼女以外を抱いてる。その事実がある時点で、もうなにも意味ないんだよ」

「違、ぁっ、あっ、っあ、っあっ」


 憐れむような咲の声は、快感で霞む脳に遠く響く。きちんと言葉を話す余裕のない俺は、それでも優しいなんて、そんなわけないと、必死に頭を振って否定した。

 俺は承知の上でこの男に足を開いた。

 捨てられるのが怖くて咲のためになることなんて一つも言わないし、否定されたくなくて告白なんてあれ以来できていない。

 臆病で卑怯な、ただの男娼。


「あ゛っぃ、っ」


 否定的に首を振った俺を咎めるように、バチンッと尻を叩かれた。
 一瞬の破裂音に絞り出したような悲鳴が漏れるが、音ほどの痛みはない。

 その僅かな痛みすら、ゴツンッ、と奥深くを突き上げられた痺れるような快感で、すぐに霧散する。

 ビクビクと震え張り詰める肉棒が、咲の手の中で膨れたのがわかった。

 小刻みで激しく獰猛に。突き当たりの曲がり角をドチュドチュと叩き続けて追い詰め、俺の欲望を限界近くまで押し上げる。

 それから腰を引き、長く大振りなストロークでヌル、ゴツンッ、と丁寧に突く。
 湿った尻と恥骨がぶつかるたび、タンッ、と生々しい破裂音が反響する。


「知ったら傷つく、ねぇ……そんなこと考えたことねぇな。されてる時点で救いないし。知ってても知らなくてもどっちでも不幸でしょ? でも〝どっちがマシか〟そう考えるキョースケはきっと優しいんだよ」

「ぁひっ……イッ…イ…く……っんっ……ィキそ、っあ…あっ」

「でもそれ、スッゲェ損」

「んっぐ、ぅ離し…っなんで、やめっぃぁらぁ……っ!」


 優しさ、愛情。それに付随する感情。
 さっきの話が咲の理解できないところにひっかかったのか何事かを考えた咲は、俺を損と結論づけた。

 その片手間に高められた射精感は美しい指で根元を締め上げられて解放できず、尿道の奥でゴポゴポと燻る。

 思考能力を削がれていく頭じゃあ咲の忠告の意味なんてわからなくて、啜り泣くような声でイかせて、イかせて、と懇願するだけ。

 気が狂いそうだ。
 我慢は得意だけど欲望は素直で、今はイクことしか考えられない。

 こんなに泣きたくても縋りつくものがなくて、浴室の床を引っ掻いて紛らわせる。

 それしかできないんだよ。
 暴れたり咲の手を解こうとしたりする俺じゃ、値打ちがないって裸で追い出されてもおかしくない男なんだ。




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