本日のディナーは勇者さんです。

木樫

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二章 勇者兼捕虜兼魔王専属吸血家畜兼お菓子屋さんとは俺のことだ。

63※

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「っぁ」


 思わず吐息が漏れる衝撃。
 一糸まとわない素肌を合わせて、お互いの熱と鼓動を感じる距離だ。

 ドン、とクッションに顎を置き爆ぜそうな鼓動に呼吸を急かされる俺の真横に、余裕を失ったアゼルの左腕がつかれた。


「お前は、俺を捕まえる天才だな、クソ……ッ、本当に余裕ねえ、から、酷くしたら……あとで殺せよ……っ」

「ひっ……う、く……っ」


 喉奥から絞り出すその言葉と同時にぬめりを帯びた熱い怒張が、甘やかされて懐ききった内壁を割り開いて、ズ、ズル、と襞を擦りながらゆっくりと押し入ってくる。

 柔らかいが狭く閉じていたそこを力強く慎重に掻き分け、俺は指とは比べ物にならない太く大きなものについ身が固くなった。

 それを見抜いたアゼルが、余裕のない吐息を吐き出しながらも俺を気遣って項のあたりに優しく歯を立てる。


「っ……く……ふっ……!」


 項に感じる牙に意識をいくらか持っていかれている間にギチ、と皮膚が限界まで拡げられて、一番太い亀頭から中ほどまでを受け入れ少し入りやすくなった。

 事前にたっぷりと濡らされ解されていたそこは、切れることなく拙く小さな口を開いている。

 中に埋まったものが内壁をまんべんなく押し開いて、圧迫感を齎す。

 すると執拗に捏ね回され腫れたしこりから当然のような快感を感じ、ヒクつくだけだった陰茎が硬く芯を持ち始めた。


「んッ……ん…ぁ、ッ……んッ……」


 全てを呑み込む前に入り口が突っ張って切れないよう、挿入の合間で慣れさせるように小刻みに腰を揺するアゼルの動きに合わせ、勃ち上がったものがシーツに擦れる。

 それすら気持ちよくて、ぶるりと寒くもないのに身震いした。


「っ……狭い……」

「ぁあ……あ……っ」


 頭のすぐ裏側で、熱を帯びた吐息が肌をなでる。

 無意識に締めつけてしまう内部に、アゼルは力を抜かせようと、俺の肉茎を巧みに擦り上げた。

 思わず声が漏れる。
 毒に犯された性器を慰めることに慣れた指は、俺の力を思考力ごと奪った。


「あ、ぁ……う、ぁっ……」

(熱い……気持ちいい……)


 クチクチと心得た動きで勃起したモノを擦られ、トロンとまぶたが揺らぐ。

 人生で初めて身体の内側に男を受け入れているのに、痛みは一切ない。

 内臓を押し上げる苦しさと、それを補ってあまりある快感に、ズブズブと落ちていく身体。


「はっ…く……ッ」


 グリュ、とへその裏側くらいまで押し上げられて、動きが止まった。

 何度も優しく労るように項を甘噛みされながら、シーツと板挟みになって涙する肉芯を、手で擦られる。

 そうして時間をかけ、ようやく全てを呑み込むことができたらしい。

 尻にピタリと触れるアゼルの肌と、トクン、トクン、と意識しなくても感じる体内の脈動。

 何度も出した俺と違い、アゼルは一度も達していない。

 すぐにでも犯して貪りたい衝動を抑えて俺の身体を最大限気遣ってくれたのが、耳元でか細く乱れ吐き出される熱の篭った吐息からよくわかった。

 それが愛しくて、切なくて。

 喉元まで突き刺されているかのような押し上げられる圧迫感も、気にならない。

 俺は今、愛する男に抱かれているのか。
 交わりながら快感を共有することで、それを強く自覚した。

 俺の中にアゼルがいて、それがすごく熱くて、心地よくて、今初めて実感した気がする。


「ふッ、……は…っ」

「ぁ……ッ…く……温かい、な……なんだか、嬉しくなる……」

「っ、そうかよ」


 中の襞の一枚一枚が、呼吸をするように卑猥に戦慄く。

 自分がこの先を欲しがっているのがわかる。恥ずかしいけれど抗えない衝動で、胸の奥が甘く綻んだ。




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