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第五話 冬暴君とあれやそれ
04
昔からここだけは残念で直らない。
おかげで俺はいつもケツに火がついた冬賀のプレゼント選びに付き添って、彼女へのプレゼントをどうにか見れるものに軌道修正している。
勘違いすんなよ?
俺だって女の欲しがるもんを外さない自信なんかこれっぽっちもねぇ。
類友ってやつだし俺はデリカシー皆無だからな。デリカシーについては、直そうとしても直せねぇくらいよくわかんねぇ。
でも冬賀はそれ以上にやばいンだよ。
男に贈るプレゼントと同じ感覚で選びやがるもんだから、高校の頃の彼女への誕生日プレゼントが剥き身の課金カードだった。
俺なら商品券とか実用的なやつでいいけど、女……ってか彼女はヤベェだろ。
クリスマスプレゼントとなると、クリスマスツリーやら電飾を贈りかねない。そういう野郎なんだ。一ミリも盛ってねぇぞ。だからモテるくせに即フラれたりする。
胡乱げな視線を向ける俺に、残念な友人はうははと笑って話を誤魔化した。
どうせ一応自分でショピングモールに行ってみたものの、選んだものが正解かどうかわからないので気心知れた俺を連れて行くことにしたのだろう。
俺がダメならまた現ナマを渡すはずだ。
「ハァ……明日、こっちの仕事が終わってたらだ。お前より仕事のほうが大事だからな。終わってなかったら一人でどうにかしとけ」
「アハハ。なる早で終わらせて行ってくれるってことだなぁ。オーケー、飯奢るぜ」
「勝手に解釈してろバーカ」
しばし冬賀とくだらない話をしたあと、俺は渋面で仕事を再開した。
◇ ◇ ◇
今日は二時間程度残業して明日の負担を減らしておく予定が、結果的に三時間の残業をしてしまった。
別に明日はあまり残業ができなくなったからだとか、そんなことはない。
嫌なことはさっさと終わらせたいだけである。明日の俺が楽をするためだ。
まあ明日明後日の人数が少なくとも先の準備をする速度が下がるだけで、俺の知る限り納期が押しているわけじゃねぇしな。
それで余裕のないスケジュールになんの、俺が嫌なんだよ。性格上。
だってもし年末年始関連がトラブったらギリだとどうしようもねえだろうが。
それにヘタレなうちの上司連中も同じ思考だもんで、休んだやつらの企画の進捗確認なんかも業務分散になったわけだしな。
うちは自由な業務配分が許されている。
その代わりに仕事の結果が全て。
要領が悪い俺はコツコツ準備をしてチマチマ調べて、ミスがないようにすることだけだ。地味な仕事は嫌いじゃない。
それ故に三初の嫌がらせを受けながらでは手が回らず、昔は結構残って仕事をしていた。
……ん? そういや最近は、それ由来の残業をしてねぇ気がすんな。
絡まれることはちっとも減っていないのになぜだろうか。
俺がキレることが減ったからかもしんねぇ。
その理由は三初のプライベートも知って性質がそれなりに正しくわかってきため、なんとなくだがアイツの機嫌や意図が、ほんの少し、理解できるようになったからだ。
まぁ俺がわかってきたのかアイツが〝わかりやすく努力する発言〟を実行してるからなのかはわかんねぇけどな。
と言うかわかりやすくしているつもりでコレなら、それはそれで壊滅的な気がするぜ。
具体的な例を言うと、退勤を切っているくせにスマホを弄りながら隣でゴロゴロとしているなら、非常にわかりにくいが『先輩の残業が終わんの待ってるんで早くしてくださいね?』ということだ。
要するに一緒に帰るってことだな。
主に週末にこうなる。
普段だと目的はまちまちだ。
金曜ならメシだけ食う時もあるし、そのまま俺の家に来る時もある。
しかしながら普通に口頭で「今日行きますね」と言ってくる時もあるので、本気で基準がよくわからない。これはたぶん直行でセックスルート。あんま確信ねぇ。
俺の残業終わりを待っている時は送ってくれるってことだけは、確かだけどよ。
それはまぁありがたいもんで、特に抵抗せず受け入れている。
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