誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第八話 シスターワンコとなりゆきブラザーズ

36※



「あッ…あッ…あッ…あッ…」


 やべぇ、速い、刺さる、潰れる。
 息吸うタイミングわかんねぇよ。前パンパンなのに出せねぇし、根元にゴム食い込んでマジでキツイ。痛い。なのに気持ちいい。絶対わざとだ。わざと俺が弱いところを的確に滅茶苦茶にしている。

 三初の手にかかれば、こいつ本当に病人か? と事実をよく知るにも関わらず疑うほど巧みに追い詰められて、俺の忘れていた絶頂感は簡単に沸騰する。

 喉を鳴らした三初がふざけたことを吐かしても、俺は涎を垂らしてブルブルと喘ぎながら襲い来る快感を耐え忍ぶだけ。


「あッ……! あッ……! イク、違う、中じゃ……ッあ、ィ、イク、イク」


 腰を掴んだまま俺の体を左右にも揺すって上手く角度を変えるものだから、自由に動けない体勢なのに不自由さを感じさせない律動を繰り返す。


「ンッ…ンンッ…ン──……ッ、ッ!」


 直後。ビクンッ、と一際大きく筋肉が痙攣し、刹那全身の筋肉が硬直した。

 キツく目を閉じて縮こまる。射精寸前で止められたせいで刺激を求めて貪欲にむしゃぶりついていた内部や括約筋が、酷く蠢動しゅんどうしてバグる。

 食い絞められて動きにくいのか、律動が止むが、俺の震えは止まらない。


「ッ……ッん…ッ……ッん……」


 ああチクショウ。
 これももう、俺はよく知っている。

 脳ミソが意識ごと揺れてスパークすると溢れ出した脳内麻薬が一瞬正気を奪い、下半身がビクビクビクッ……! と身震いして、重い多幸感が全身に満ちる。

 射精した時のように波が引かない。
 しつこく残って、エビのように丸まった背から腰は、ブルブルとバイブレーションが止まらなくなるのだ。


「ん……ぅ……ふ…ッ……」


 口の中から溢れた唾液が顎を伝う。
 抱き潰す勢いで三初の頭を抱えて、絶頂の余韻が去るまで耐える。

 根元を堰き止められているせいで水風船のように弾力のある張りを保った自身から、コプッ……トロ……とカウパーが糸を引いて垂れていた。


「えっろいイキ方。癖になっちゃって」


 つまり、クク、と笑う三初の意地悪い指摘と見てのとおり、俺は寸止めされた挙句中だけでイッてしまったわけだ。

 病人の男にあっさり中イキさせられたのかよ。悪夢じゃねぇか。勘弁してくれ。


「ん……っ…は、違う……これじゃねぇ、このイクじゃねぇ……っぉ、くっ……」

「違うくないでしょ? たった一回しか出せないんだから、先輩のイクは、これじゃないとダメですよ。ほらもう一回」

「俺は出してぇって、っぁ、ふ……っ」


 そうして身震いしながら脱力する俺がやるせない気分で嘆こうとも、三初は勘弁してやる気がないらしい。

 ベッドのスプリングを使って跳ねるように突き上げられるたび痙攣する襞が熱い怒張にキュンキュンと絡みつき、ローションと腸液の混ざった粘液がぷちゅ、ぢゅぽ、と卑猥な音を奏でて泡立つ。


「なっなん、っもうイッただっ」

「あぁ。中イキはノーカンで」

「そん、っンっ……ァっ……馬鹿っ……今動くと、中が……っは、ぁっ……ンっ……」


 そんなルールは聞いてない。
 それがアリなら、俺だけが何度でも昂らせられてイキまくっても全然アリってことになるじゃねぇか。

 ──このままケツだけ甘イキ終わらねぇとか、最早イジメだろっ……!

 呼吸を整える間を与えず波打つように結合部で餅つきをして遊ばれると、イッたばかりなのにまた湧き上がる。

 出して終わるイキ方じゃなければ、敏感になったぶん軽い絶頂が終わらず、俺は慌てて背中を丸めて三初の頭に縋りついた。


「わっ……わかった、からっ……言うとおりにするからっ……ぁっ……ゔも、動くなっ……止ま、止まんね、からっ……!」

「そ? じゃあ、今度こそ俺も楽しめる遊び方してくださいね」

「んっ、んっ」


 コクコクと首を縦に振って何度も頷く。最初は三初の体調を案じて動くなと言っていたが、今は自分のためだ。

 イッた直後で過敏だとわかっていて炙るような律動が止まって、俺はぐたりと汗ばんだ体をもたれさせた。


「はッ……はッ……ぁ…く……」

「ゴホッ、んん。だいぶ健康体になってきたなぁ。やっぱ熱は多少汗かいて下げたほうがいいんですよ」

「ぉ……ぅ、動くなよ……俺が動くから……お前はダメだ……ん……は……」

「気持ちよく健康になれる共同作業とか、セックスって合理的ですよねぇ。くくく。俺は元々あんま汗かかないんで、意図的に運動しないと、でしょ」

「ンフッ……」


 脱力する俺の尿道口を親指の腹でヌトヌトとなでつつ愉快げな笑みを見せる三初に、擽ったくて身震いする。

 クソ、それでどうして性的な運動をすることになんだよ。
 ド腐れチンコ式健康維持法か。絶対ェ流行らねぇ。詐欺だ。




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