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第9話 作戦会議
しおりを挟む【一方】
「どうしたのよ?トイレから電話なんかしてきて」
「振り出しに戻っちゃいましたねー。絶対付き合ってるって思ったけど、なんか分かんなくなってきました。青山さん、思ったよりも手強いですね、さすが役者だなぁー。諸星さんのことタイプとか、本当に普通に言ってる気もするし、敢えて話題にしてごまかそうとしてるような気もするし……。でもだとしたら相当大した度胸じゃないですか?自分からキスネタ振ってくるとか!」
「何をそんなに躍起になってるのよ。そんなにあの子たちの関係暴きたい?」
「暴きたい」
「……で、これはなんの時間なわけ?」
「フフ、今ここで待つこと、これこそが作戦なんですよ!」
「どうゆうこと……?」
「さっき青山さんの弱点ついといたんで、それの効き待ち中です」
「弱点て?」
「あの子、お酒弱いって思われるの極端に嫌うんですよねー。私も昔は多少そんなとこあったから分からなくもないんですけど、なんなんですかね?あの、若い頃特有の酒で負けたくないというナンセンスなプライド……。海賊と同じ考え方で、相手より先にジョッキを空にしないと負けだと思ってるんですよね~。一生懸命食らいついてこようとして可愛いかったけど、だいぶ無理してたからじきに来ますよ!」
「あなた本当に何考えてるの?」
「いくら青山さんが役者だって言っても酔ったら演じられないでしょ?これでシロかクロかついに答えが出ますよ!」
「……もしかして、そのために自分の暴露話したの?青山さんの食いつく話して飲ませるために?」
「まぁそれもありますけど、普通になんか突然言いたくなっちゃった!みたいな。幸せって振りまきたくなるじゃないですか!」
「…………」
「とにかく、今私たちがいないから一気に気が緩んで、一気に酒回ってますよ!もし二人が出来てるなら、二人きりになって我慢きかなくなってる頃ですね。若いからもはや店内とか関係なくキスしちゃってるかも!」
「さすがにそこまではしないでしょ?お店の中で……」
「いや、なくない!何があっても絶対にハメをはずすことのないガッチガチのマネージャーにはそうゆう気持ち、全く分からないでしょうけどね~」
「……私がつまらない女だって言いたいわけ?」
「マネージャーはそうゆうところがいいんじゃないですか!いつもシャンとしてて、お上品で。頑なにイメージを壊さない姿勢、心底尊敬してます!」
「……そろそろ戻らなくていいの?さすがに長すぎない?で」
「うーん、二人からしたらむしろ帰って来てほしくない状況かもしれないけど、まぁそろそろ戻りますか!いい感じに酔ってくれてるといいなぁ~。答え合わせしやすいし!」
「でも、結局真実なんてどうやって分かるっていうの?いくら怪しいって言っても決定的なところを見なかったら怪しいだけで終わりでしょ?」
「そうなんですよ、いいところ突いてきましたね!最終的にはこの店を出ないと答えは分からないんです。逆を言えば、出れば分かります!」
「店出たら終わりじゃない」
「終わりじゃない!帰りの道すがら人気のない公園辺りで、上手いことまた二人きりにさせるんですよ!もしそうゆう関係なら、絶対なんかしらするはずです!それを覗き見するっていう……」
「どんな作戦かと思ったら、浅はかこの上ない上にただの変態オヤジじゃない!」
「何言ってるんですか!何よりも合理的且つシンプルな作戦でしょ!」
「……まったく、その下世話な探求心はどこか来るのかしら?」
「ごちゃごちゃ言いながらマネージャーだって、その時が来たら絶対一緒に覗くくせに……」
「……。もう一つ忠告だけど、いくら作戦と言ったって、品がないことはやめなさい。それに、私を巻き込んだりしないで!」
「品がないって……あぁー!キスのくだりですか?諸星さんなら反応してくれるかなー?って思ったけど、予想以上でしたね!あの子ほんとピュアでおもしろいなー」
「とにかく、もう二度とああゆうことするのやめて」
「その場のノリじゃないですか」
「そうゆうノリは嫌いなの」
「はいはい」
「『はい』は一回でしょ?」
「はいはい、分かりましたよ!ほら、もう行きますよ!」
「ちょっと!全然分かってないじゃない!!」
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