悪徳夫人の娘

猫狐

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1章

6話

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二人で向かったのはとても大きな滝。この滝はさっき言った想像したことを実現できる滝だよ。

ここから空を見上げると、いくつもの虹が見えるんだー。毎度ここに来ると見とれてしまうんだよね。

いつかこれを_フッフッフ……。

「どうしたの、アリー??とてもおもしろそうな顔をしてるよ?」

ハッ、いけない。アラウが不思議そうな顔でこっちを見てる。

でもいいこと思いついた!!少しだけ話してみよう。

「ねえ、アラウ。今思いついたんだけど、あの虹を集めることはできないかな?」

「うーん、やってみないとわからないなぁ。集めるってどうやるの?」

アラウ曰く、あの虹は前世の虹と違って光の反射じゃないからな。なんと、聖霊という特殊な精霊たちが集まってできているらしい。でも聖霊は簡単に言うと、光みたいなものだから実体はないんだってさ。それを集めるには……。

「ぎゅ、っと凝縮して、外側に薄い膜でも造ったらどうかな??そうすれば、形を保てるよね?」

「確かに!アリーはいつも突拍子もないことを言うよね。誰も虹を集めようなんて考えたことないよ~。」

「な、突拍子もないことばっかり言ってないよ?!?アラウ、ひどーい。」

ムー。変なこと言う人にはこうしてやるー!!

「ひょ、いひゃいよはりー。」

背伸びをして、ほっぺを引っ張ってやった。

フンッ、アラウが悪いんだからね!

あ、これ結構楽しいかも。


「知らないもんね!?自·業·自·得!」

もみもみもみもみもみもみもみもみ……。

「ひゃの、はりー?ひゃふはったはら、ほろほろはひゃひてうえはい?」

もみもみもみもみもみもみもみもみ……… 

「はりー?」

がくがく、ぶさぶさ。

ハッ、気持ちよすぎて意識が飛んでた。隣で、イテテ…と頬を擦っているアラウにあわてて謝った。

「ごめんなさい、気持ちよすぎてつい……。」

そう言うと、アラウは、それなら仕方ないか、と嬉しそうに笑うから、私は、何かいいこと言ったっけ?と不安になってしまった。
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