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第1章 幼少期
2話 王子とお勉強①
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「ぴぃちゃん、かわいいねぇ」
小鳥を拾ってから早4日、弟エルウィンは私の部屋に毎日入り浸っている。
鳥籠の前から動かず、両手で頬杖、足はプラプラ。小鳥を見つめ、たまに籠に指を入れて、小鳥につつかれては「いた~い」と笑う。父に似て切れ長の目が生意気な印象のエルウィンだが、小鳥を前に顔は緩みっぱなしだ。
あれだけ真剣に悩んでいた小鳥の名前は、結局ぴぃちゃんと言う安直な名前に落ち着き、父を含め、みんなの心を癒している。
小鳥はここに連れてきた初日は飲まず食わずで心配したが、だんだんと食べる量が増え、昨日の夕方くらいから籠の中でぴょんぴょんと飛び跳ねる元気が出てきた。翼の添え木はまだつけたままだが、きっとすぐに元気になるだろう。
「エルウィンがそんなに動物が好きだったとは知らなかったよ」
レンドウィルが弟が小鳥にデレデレになっているのを微笑ましい気持ちで眺めていると、妹のアイニェンが笑った。
「兄様たち、2人ともデレデレしてるわよ。」
「ぴぃちゃんはアイニェンより可愛いから、僕がデレデレするのは当然さ」
「なにそれ!私が可愛くないってこと?」
「そう思ったならそうなんじゃな~い?」
弟妹が言い合いをするのを笑いながらレンドウィルはいう。
「アイニェンも小鳥も可愛いよ」
「ほら!レンドウィルお兄様はわかってるわ」
「兄上はアイニェンが可哀想だからかわいいって言ってるだけさ」
アイニェンは3兄弟の1番下の妹だ。母そっくりな大きな目に、ふわふわと柔らかい金色の髪。そばかすがあるほっぺはいつも赤くて、母がよくリンゴちゃんと呼んでいる。
キャンキャンとやり取りをする弟も妹も、兄の自分からすれば小鳥と同じくらいかわいいものだ。
こんこんとノックの音がして振り返ると、開け放ったドアのそばに母が立っていた。王族を表す薄い青のドレスに、今日は金の髪止めの上から白い花を飾っている。
「やっぱりここにいた。本当に皆ぴぃちゃんにぞっこんね」
「ぞっこん?」
「ぞっこんってなに?」
母の言ったことが分からず首を傾げる私とエルウィンをみて、また妹が笑う。
「大好きで、相手のことしか考えられないってことよ!まったくもう、兄様達ったら子供なんだから」
「し、知ってるよそのくらい!」
エルウィンはアイニェンに噛み付くが、私も弟も言葉でアイニェンに勝てた試しがない。何故かいつも言葉数で負けてしまうのだ。
「ほらほら、言い合ってないで、トレバー先生の体調が戻ったから着替えてもらおうと思ってきたのよ。みんな支度してちょうだい。私は先にトレバーさんに挨拶してくるわね」
そうか、今日からトレバー先生の授業が復活なんだ。ネオニールの授業は事実を淡々と並べるだけなので本当に眠くなる。トレバー先生の授業は一緒に何かをしたり、体を動かすことが多いから楽しいのだ。
母にはぁいと返事をした後、弟と妹は着替えるために自分の部屋に戻って行った。
トレバー先生は長くエルフの城に住んでいるが、一応父のお客様だから会う時には簡単な正装を着なければいけない。
服掛けの中から適当に薄い青の服を2着引っ掴み、両手にそれぞれもって見比べる。
右はゆったりとしたローブの服だ、正装の中でも1番過ごしやすく、今着ている服の上に頭からすっぽり被るだけで完成する。左も同じくローブだが、腰の位置にある濃青の紐をベルトのように巻かなくてはならない。細身な服だから、今着ている服は脱がないと形が変になってしまいそうだ。
ううん、面倒だ、楽な右にしよう。
頭からローブをかぶり、乱れた髪を手櫛で整える。エルフの子供は10歳になると髪を伸ばし始める。エルフの長寿と豊かさの象徴、とかなんとかネオニールが言っていた。
背中の真ん中あたりまで伸びた髪は勉強の時に邪魔になるので机の上の小物入れから青い紐を取り出して髪を結ぶ。
「よし、できた。ぴぃちゃん、行ってくるね」
小鳥は話しかけられたことがわかるのか、ぴよ、と返事をした。自然と笑顔になり、私はご機嫌に部屋を出たのだった。
小鳥を拾ってから早4日、弟エルウィンは私の部屋に毎日入り浸っている。
鳥籠の前から動かず、両手で頬杖、足はプラプラ。小鳥を見つめ、たまに籠に指を入れて、小鳥につつかれては「いた~い」と笑う。父に似て切れ長の目が生意気な印象のエルウィンだが、小鳥を前に顔は緩みっぱなしだ。
あれだけ真剣に悩んでいた小鳥の名前は、結局ぴぃちゃんと言う安直な名前に落ち着き、父を含め、みんなの心を癒している。
小鳥はここに連れてきた初日は飲まず食わずで心配したが、だんだんと食べる量が増え、昨日の夕方くらいから籠の中でぴょんぴょんと飛び跳ねる元気が出てきた。翼の添え木はまだつけたままだが、きっとすぐに元気になるだろう。
「エルウィンがそんなに動物が好きだったとは知らなかったよ」
レンドウィルが弟が小鳥にデレデレになっているのを微笑ましい気持ちで眺めていると、妹のアイニェンが笑った。
「兄様たち、2人ともデレデレしてるわよ。」
「ぴぃちゃんはアイニェンより可愛いから、僕がデレデレするのは当然さ」
「なにそれ!私が可愛くないってこと?」
「そう思ったならそうなんじゃな~い?」
弟妹が言い合いをするのを笑いながらレンドウィルはいう。
「アイニェンも小鳥も可愛いよ」
「ほら!レンドウィルお兄様はわかってるわ」
「兄上はアイニェンが可哀想だからかわいいって言ってるだけさ」
アイニェンは3兄弟の1番下の妹だ。母そっくりな大きな目に、ふわふわと柔らかい金色の髪。そばかすがあるほっぺはいつも赤くて、母がよくリンゴちゃんと呼んでいる。
キャンキャンとやり取りをする弟も妹も、兄の自分からすれば小鳥と同じくらいかわいいものだ。
こんこんとノックの音がして振り返ると、開け放ったドアのそばに母が立っていた。王族を表す薄い青のドレスに、今日は金の髪止めの上から白い花を飾っている。
「やっぱりここにいた。本当に皆ぴぃちゃんにぞっこんね」
「ぞっこん?」
「ぞっこんってなに?」
母の言ったことが分からず首を傾げる私とエルウィンをみて、また妹が笑う。
「大好きで、相手のことしか考えられないってことよ!まったくもう、兄様達ったら子供なんだから」
「し、知ってるよそのくらい!」
エルウィンはアイニェンに噛み付くが、私も弟も言葉でアイニェンに勝てた試しがない。何故かいつも言葉数で負けてしまうのだ。
「ほらほら、言い合ってないで、トレバー先生の体調が戻ったから着替えてもらおうと思ってきたのよ。みんな支度してちょうだい。私は先にトレバーさんに挨拶してくるわね」
そうか、今日からトレバー先生の授業が復活なんだ。ネオニールの授業は事実を淡々と並べるだけなので本当に眠くなる。トレバー先生の授業は一緒に何かをしたり、体を動かすことが多いから楽しいのだ。
母にはぁいと返事をした後、弟と妹は着替えるために自分の部屋に戻って行った。
トレバー先生は長くエルフの城に住んでいるが、一応父のお客様だから会う時には簡単な正装を着なければいけない。
服掛けの中から適当に薄い青の服を2着引っ掴み、両手にそれぞれもって見比べる。
右はゆったりとしたローブの服だ、正装の中でも1番過ごしやすく、今着ている服の上に頭からすっぽり被るだけで完成する。左も同じくローブだが、腰の位置にある濃青の紐をベルトのように巻かなくてはならない。細身な服だから、今着ている服は脱がないと形が変になってしまいそうだ。
ううん、面倒だ、楽な右にしよう。
頭からローブをかぶり、乱れた髪を手櫛で整える。エルフの子供は10歳になると髪を伸ばし始める。エルフの長寿と豊かさの象徴、とかなんとかネオニールが言っていた。
背中の真ん中あたりまで伸びた髪は勉強の時に邪魔になるので机の上の小物入れから青い紐を取り出して髪を結ぶ。
「よし、できた。ぴぃちゃん、行ってくるね」
小鳥は話しかけられたことがわかるのか、ぴよ、と返事をした。自然と笑顔になり、私はご機嫌に部屋を出たのだった。
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