悪役令嬢?に転生した元勇者〜聖女様と精霊ともふもふとのぶらり旅〜

汐田 蓮

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本編

2話

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彼女のことを語るには、俺の他の3回の人生を先に語らなければいけない。

まず俺は別々の時空で転生してきたのだが、その3回の人生はこの乙女ゲームの世界の別々の時代だった。

ここの王は他の時空の王と違って愚王で、貴族はとてもきな臭く、力を見せつければ彼らの奴隷になると言う事を俺は本能で感じ取っていた。

そのためその3回の人生でもとても巨大な力を持っていたが、俺はその力を隠し、普通の人生を送っていた。

最初に彼女と会ったのは7回目の人生で、その時俺は伯爵家の次男として生まれていた。

あいにく俺は次男なので家をつげず、また伯爵家だが家が貧乏だったので俺は家庭教師の仕事につく事になった。 

その時出会ったのが彼女、サリアだ。(ここではラナと呼ぶ。)

彼女は元々聖女候補の一人で、聖女候補としての教育を受けさせるために俺は呼ばれたんだが......

なんと俺は全く彼女に信用してもらえなかった。

いや、俺じゃなくて人が、かもしれないが。

まぁともかく話しかけてもはい、かいいえだけ、一度も笑うことはなく、話しかけてくることもなかった。

そんな彼女の様子に俺はめちゃくちゃ落ち込んだ。

後で聞いた話だと、彼女を聖女候補という目でしか見ない両親や周りの大人、前の教育係を見て他人を信用したり、笑顔を浮かべることができなくなってしまったらしい。

だがある日彼女が森で魔物に襲われていたのをきっかけに、俺とラナの距離が一気に縮まった。 

ラナは俺と同じ伯爵家で、ラナの父である伯爵はその時魔物の討伐に向かっていた。

その時に取り逃がした魔物が、運悪くちょうど庭にいたラナに襲いかかってきた。

俺は当時強い力を持った精霊術師で、精霊達の力であっさりと魔物は倒すことができたんだが、代わりに精霊術師だという俺の秘密がバレてしまった。

精霊術師はとても希少な職業で、また力も強いためすぐ王宮に知れ渡ると思っていたのだが......

賢かった彼女は事情を話すと納得し、このことを誰にも言わないことを約束してくれた。

その証に彼女もラナという彼女の真名(真名とはもうひとつの名前で、それを知られることは自身を支配されることを意味する)を教えてくれた。

すんなりと仲良くなることが出来たのは、その時に俺に初めて見せてくれた不器用な笑顔を、俺は今でも覚えている。

そして最初はギクシャクしていた俺達は互いに秘密を持つ仲となり、親しくなった。

また俺は彼女と師弟関係を結ぶことになった。

彼女も笑顔を見せてくれることも増え、そこでの生活はとても幸せだったが、幸せは長くは続かなかった。

俺は王がラナを王宮に取り込むためにの人質にされ、あっさりと殺された。

その次の人生は貴族の令嬢として生まれ、ラナの友人になった。(年齢のことは気にするな。)

俺は、お互いに秘密を交換しあうぐらいの大親友として平和な生活多くってたが......

王と貴族がやっていた、魔術の実験に巻き込まれ亡くなった。

その九回目の人生、つまりは今の前の人生は教会の雑用係だった。

ルナはもう聖女として選ばれていて、いくら同じ教会にいようとも、雑用係の俺とは本来関わりのないはずなんだが、なにかの縁か俺達はもう一度会うことになった。

しかも今回は恋人まで発展した。

まぁでも、俺が聖女と結婚するのをあの王や大司教たちが許可するはずもなく、聖女をたぶらかした罪として秘密裏に処刑された。 

読んでいたら分かるように、この3回の人生は王や大司教、貴族達に殺されたも同然だったので(同然というか普通に殺されてる)、国外追放されるのはまだマシな方だった。

で、もう一度今回の人生をおさらいしよう。

ここは前世で妹がハマっていた、「マジカル☆ワールド~聖女と7人の貴公子たち~」略してマジワルの世界だ。

妹によると、あらすじは聖女候補の一人であるサリア・ルベールが魔法学園に入学し、攻略対象の心をつかみながら聖女を目指すという感じだった。

期限は卒業パーティーまでで、それまでに攻略対象と結ばれ聖女になれればハッピーエンド、どちらかを達成できればグッドエンド、もしどちらも達成できなければバッドエンドだ。

確かに通常ルート5人と裏ルート2人、それから逆ハーレムエンドの合計32のルートがあったはず。

そして俺が転生したユリア・フォン・アリーヌは悪役令嬢だ。

しかもグッドエンドとバッドエンドでは死に、ハッピーエンドでも国外追放という中なか不遇なキャラだ。

それで、普通悪役令嬢といえば女だよね、令嬢だもん。

でもね、この子、

まぁそれはいっか。(いやよくないよくない。)

で、なんで考え事現実逃避を始めたかと言うと、

「それで、ユリア公爵令嬢。なぜあなたが私の真名を知っているのかしら?」

ただいま俺は怖い顔をしたラナに尋問を受けています。
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