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0044★おかしな夢を観ました
しおりを挟む目が覚めたら、馬車の中のラグの上でした
そう言えば、ご飯を食べてぶとう酒を飲んだあたりから記憶があやしい
それに、ついさっきまで、妙な夢を観ていました
まるで、映画館でドラマでも観ているような………
内容は、まぁ…かなり、アレなモノでしたけど
他人視線だったら、かなり面白いコトは理解りましたわ
……最初の方は……王立貴族学園の夢?………
そう……あの唐突に始まった、エイダン王太子からの断罪シーンでしたわねぇ
ただ、変なのは、観る視点が私では無かったことかしらねぇ?
それも、なんでなのかは理解りませんが、成人した男性の視点でしたわ?
視点となった男性の甥だと言われていた、あの男子生徒
そう言えば、彼女の取り巻きとして居た気がしますわ
あら、もしかして攻略対象者のひとりだったのかしら?
それならば、あの男性の視点な理由が理解りますわね
それにしても、今更ながらですけど、エイダン王太子に抱き付いていた
彼女の名前って、なんでしたかしらねぇ……あの方がヒロインよね…たぶん
なんとかフローラさんですよね?……貴族ではあった気はしますけど?
地位としては、男爵だつたかしら?子爵だったような気もしますけど………
はぁ~…どうしてか?記憶が曖昧なのよねぇ……重要度が低いセイかしらねぇ?
まぁ…良いですけど…もともとエイダン王太子にも、彼女にも興味ありませんし
それよりも、興味あるのは、あの転移の場所ですわ
転移の場所って、ああ言う場所にあるモノでしたのね
防護壁の直ぐ側に、設置されているコト、知りませんでしたわ
うふふふ………転移の場所と、魔法陣が描かれた場まで観てしまいました
実物を見たコト無いけれど、転移の場にはあのような魔法陣がありますのね
そこに、転移能力を持った方だけが、魔力を流して跳ぶのですね
そういうモノだと、初めてしりましたわ
あの夢が、そうだというならだけどね
次に観たのは、国王夫妻と大神官長……のドタバタ喜劇?
とでも言えば、良いのかしらねぇ?
こちらも…ロマリス王国に、付いて行ったコトもないから………
あの内装が本当にロマリス王国の王宮かは、わかりませんけどね
いや、それ以前に、アゼリア王国の王宮と王立貴族学院の往復しかしたコトないから
私には、到底、夢でも、そんなモノを観れるはずはないのだけど………
ああ…どうせなら、王宮のテラスから観た街並みとかも観たかったわ
いや、下からは『夢の翼』のみんなと観てまわったけどね
本当は、もっと色々と観て回りたかったけど………
我が身大事にを優先したのだから、しょうがないわよねぇ………はぁ~……
でも、夢の中とは言え、あんな風に王立貴族学院の卒業生に観られていたのねぇ
あと、卒業生の父兄達や給仕達や護衛騎士達にも観られていたのね
当事者以外の他人からしたら、ほとんど、娯楽の域に入っていたわよねぇ
ふふふふ……もしかし、時空神様に祈ったから、お茶目で観せてくれたのかしら?
だって、時空間的にかなぁ~り、おかしいですもの………
だいたい、あれは、何日前のモノなのかしら?
セシリアは、ぼぉ~とした頭で、つい先ほどまで見ていた夢?のようなモノに首を傾げていた。
そこに、声がかかる。
「ああ、起きたかい、リア……だいぶ、疲れていたようだから、起きるまで、起こさなかったんだけどねぇ………今日はどうするんだい?」
と、人化したままのルリに言われて、首を左右になんとなく揺らす。
「ん~…取り敢えず、朝食を食べたら、また、大国ゼフィランスに向けて移動かな」
ちょっと考えて、セシリアは取り敢えずの方針を口にする。
「あっ…リアお姉ちゃん起きたんだぁ……朝ご飯できてるよぉ~……」
言われて、レオやグリフォンの雛もいないコトに気付く。
あららら……もしかして、私だけ朝寝坊したのかなぁ……ちょっと落ち込むわ
いや、いくら猫型の魔獣の成体のルリがいるとは言っても、妊娠中だし
ユナは、癒し枠だし………レオもグリフォンの雛も、癒し枠でしょ
グレンだって、元の身体に戻ったばかりなのに………
なんか、限界まで来ちゃってたのかなぁ?
緊張感がぶつんっと切れちゃったみたい?
はぁ~…取り敢えず、ユナが見に来たってことは、そう言うことね……たぶん
取り敢えず、私てきには、おはようよね
「うん…おはよう、ユナ…それから、ルリもね…ありがとう」
守ってくれての意味でそう言ったセシリアは、かけられていた毛皮をはいで、起き上がる。
はぁ~……身体がとても軽いわぁ~……いったい、何時ぶりかしらねぇ……この軽さ
って、あらあら、何時の間にか素足になってるわ
ブーツを脱がされて、お着換えもされているわ
やだわぁ~…あのデブデブな樽の姿を見られちゃったのぉ………がぁーん
はぁ~……どおりで、物凄く爽快なわけだわ
着替えは、たぶんルリとユナよね………グレンは無いわよね…うん、ないわよね
大事なコトなので、二度自分に言い聞かせたわ
だって、流石に、こんな相撲取りもかくやな姿、恥ずかしいじゃない
セシリアは、ルリかユナが着替えさせてくれたのだろうと決めつけけ、考えないことにした。
そんな中、気の利くユナが、セシリアの着替えを出す。
「はい、リアお姉ちゃん………ちゃんと、冒険者用の服にしたよぉ…あのドレス?って言う服は、動きにくそうだったから………ルリお姉ちゃんと相談して用意したの」
はい、決定…着替えはユナちゃんと、ルリでした……良かったぁ…ホッとするよ
そうだろうと思っても、グレンが着替えさせただったら、恥ずかしいじゃない
こんなデブデブでも、やっぱり女の子として、恥ずかしいじゃない
それにしても、冒険者用の服かぁ~…嬉しいわぁ~…テンション上がるわ
セシリアはいそいそと、ユナがサッと出してくれた動きやすい服に着替えて、精霊のブーツを履く。
はぁ~…嬉しいわぁ~…イヤだったのよねぇ…あの趣味の悪い藤紫色のドレス
品格がどうのとか言って、あの色ばかりで………
それに、スカート部分を拡げる為に履かされていたパニエ
レースがこれでもかっていうくらいに重ねられて、動きにくかったのよねぇ
ただ、着替えになるモノがなくて、ずっとあの姿だったからつらかったのよ…本当に
いくら、フード付きマントで、全身隠したって……体型はごまかせないし………
あの後、ずっと着替えるモノも、着替える暇もなかったから………
はぁ~…ありがとう…エルザ…カレン……女物を選んでくれたのは、あの2人よね
男物は、デュバインとバウね…きっと……本当に、助かったわぁ~………
はぁ~…朝ご飯食べたら、今度こそ貨幣価値を教えてもらわないとね
足を軽くトントンして、精霊のブーツがちゃんと履けているコトを確認し、ひとつ頷く。
「それじゃ…朝ご飯をたべましょうか……みんなは、もう食べたのかな?」
セシリアの言葉に、ルリは肩を竦めて答える。
「リアが気にすると思ったから、全員食べさせといたよ…グレンが渋ったけどね」
「うん、グレンお兄ちゃんてば、奴隷だからとか言って食べようとしなかったから……クスクス……ルリお姉ちゃんに、口移しで無理やり食べさせられて諦めたんだよぉ~」
そう言うユナの言葉に、ルリはケロリッと言う。
「なに、弱った個体にはアレが一番なんだよ……吐き戻しを与えなかっただけ、ありがたいと思ってもらわないとね」
と、野生の肉食獣なら、吐き戻しは当然と言うルリに、セシリアはクスッと笑う。
あぁ~…観て見たかったかもぉ~…妖艶美女に口移しを与えられるイッケメン
どんな顔して、グレンがルリに食べさせられたか………
残念だわぁ……明日は、ちゃんと早起きしよう
そんなコトを考えながら、セシリアは馬車から降りるのだった。
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