悪役令嬢?当て馬?モブ?

ブラックベリィ

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0046★ちょっと早いけど、お昼にします

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 そんなやり取りをしている間に、今日最初の休憩場所に到着したようで、馬車の振動がとまり、停車したコトを教える。

 ある意味で退屈していたので、停まったコトを幸いと、いそいそとセシリアは外にでる。
 勿論、ルリとユナも一緒である。

 レオとグリフォンの雛は熟睡しているので、ソッと出て来たコトは言うまでもない。

 「お疲れ様、グレン……何か変わったコトはあった?」

 セシリアの問いかけに、グレンはクスッと笑って言う。

 「ああ、少し前に、隠蔽結界を解いたろ………突然馬車が現れてびっくりしたドードー鳥が、馬車に向かって突進して来たんで、大き目のオスを2羽ばかり狩ったぞ」

 そう言って、馬車の上を指さす。
 そこには、屋根からはみ出しているドードー鳥が、デデーンと横たわっていた。

 「ああ、それじゃーさっさと処理しないとねぇー…鳥肉はいたみが早いからね」

 そう言ったルリは、魔法でドードー鳥を逆さまに吊り上げる。
 と、すかさず、たたっとユナが大き目の空の壷を用意する。

 一瞬で首がチョンパされて、血がドバッと空だった壷を満たす。
 それを、ユナはパパッとマジックポーチにしまう。

 そして、あっという間に、新しい壷を用意する。
 その間に、グレンが何処からともなく、剣を取り出して用意していた。

 えっえええ?……なんて…凄い連携なのぉ……
 2羽のドードー鳥があっという間に、お肉になったわ

 セシリアがびっくりしている間に、羽根や嘴や足の爪などが、マジックポーチにしまい込まれていた。
 そして、今、目の前には、手頃に切り分けられた鳥の肉があった。

 驚いたぁ……けど、料理ぐらいは私がやらないとね

 「ありがとう、ルリ、ユナ、グレン、料理は私がするわね」

 そう言えば、たたっとマジックポーチから必要なモノをユナが用意してくれる。
 あっという間に準備万端になったので、ちょっとどころじゃなく早いが、お昼にするコトにした。

 ついさっき、遅い朝ご飯を食べたばかりのはずなのに、もうお腹が空いているわ
 なんでかなぁ?……時間感覚がおかしくなっているのかしら?

 それとも、過食症になっているのかなぁ?
 魔道具は外されているから、魔力の消費もあまり無いのに………

 と、首を傾げながら、鳥肉でステーキやカラアゲもどきを作って行く。

 ラノベあるあるのカラアゲ…前世を思い出したら食べたくなっちゃったのよねぇ
 なぜか、醤油みたいなモノが、調味料にありました……ラッキー

 それに、生姜やニンニクもどきをすりおろしてまぶしましたよ
 ちなみに、私は醤油で生姜多めの鶏唐揚げが好きだった

 小麦粉もありました…質は……まぁーこんなものってヤツだったけど
 あまり油が無いんで、霧吹き状態にして切った鳥の肉にまぶしましょう

 こうすると、ヘルシーになるんだよね
 ちょっとは、ダイエットを気にしないとね……痩せたい

 そして、空中で揚げたのとおなしように、火炎系の魔法で……
 おお~…この匂い…たまりませんわぁ~………はぁ~…良い匂い

 ジュージューいって、ものすごく美味しそうにできましたよ
 って、そんな大きなお皿…あったのねぇ…それも3枚も……

 ユナがテーブルの上に大皿を置いてくれたので、その上にカラアゲもどきをおろす。
 大量の鳥肉が調理されて、大皿にこんもりと盛られる。

 ふわりと漂う良い匂いに、微笑みが浮かびます
 前世ぶりのカラアゲもどき……

 後は、と振り返れば、ルリが鳥肉を焼いてくれています
 うん…この匂いは甘辛味ですね……

 甘辛照り焼きチキン…嬉しいわぁ~
 それに、カラアゲもどき……ふふふふ…

 ダイエットは、明日からにします……
 コレを前に、我慢なんて出来ません

 ということで、ドードー鳥の鳥肉まつりでーす
 ただ、いただきますをする前に、ルリがまったをかけます

 えっと思っている間に、ルリに半分ぐらいマジックポーチにしまわれちゃいました
 晩ご飯に出してくれると言うことでした………ぐっすん

 とは言え、カラアゲもどきと甘辛照り焼きチキン
 半分はちゃんと残っていますので……いざ実食

 と、その前に、時空神様にお供えお供え……ふふふふ
 きっと、あの面白い観劇は、時空神様からの恩恵だけろうからね

 「あっ……ユナ…あの辺にテーブルとぶどう酒用意してくれる」

 昨日の晩ご飯時に、リアがお供えをしてお祈りをしていたのを知っているユナは、パパッと用意する。
 勿論、甘辛照り焼きチキンとカラアゲもどきに、パンとぶどう酒をささっとそえる。

 「ありがとう、ユナ……それじゃ、ちょっとそっちで待っていてくれる」

 ススッとユナが側を離れたのを確認し、昨日と同様に、セシリアは時空神の加護と恩恵のお礼を込めてお祈りする。

 こころからしっかりとお祈りしたセシリアは、できたてでいまだに湯気を上げているテーブルへ、いそいそともどる。
 勿論、グレンが奴隷として椅子を引こうとするのを手の仕草でとどめて、さっと座る。

 「おまたせぇ~…はい、みんな座って座って……」

 セシリアの指示に、ルリ、ユナ、グレンの順ですわる。

 「それじゃーいただきます」

 「「「いただきます」」」

 私のいただきますに、みんな同じように、いただきますをしてくれます
 昨日、ぶどう酒を飲みながら、どういう意味かを教えてあげたのです

 やっぱり、気持ち的にご飯を食べる前の『いただきます』は、あった方が良いです
 勿論、食後の『ごちそうさま』も、ね……ああ、前世が懐かしいなぁ……


 そんなセシリアのちょくちょく感じる『お腹空いた』が、実は過食症よ寄るモノでは無いコトを、本人とみんなが知るのは、しばらく先のコトだったりする。











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