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004★人類の栄光の終わりと始まり
しおりを挟むちなみに、各地で地域争いが始まっても、それを抑制する為の組織は存在していなかった。
何故なら、日本が誇っていた自衛隊は、その時すでに存在していなかったからだ。
日本の自衛隊と呼ばれる者達は、第三次世界大戦が終わる直前に、国政を動かす者達に混じり込んだ売国奴達の手によってあっさりと解散させられていたからである。
第三次世界大戦のさなかに、電子通信網の大部分を破壊されたのを良いことに、各政権勢力に紛れた売国奴達は国民達に、その事実を知らせるコトをし無かった。
ただし、全ての通信網となるモノが瞬時に破壊し尽くされたわけではなかった為、裏切り者達によって自衛隊が解体させられたコトは、あっさりと国民達の知るところになっていた。
勿論、連綿と続く皇族の血統を護る組織はかろうじで維持されていたが、巫女姫が姿を容易に隠すコトができるほどには、かなりのザルと化していた。
何故なら、そんな時に到ってまでも、男系維持を強固に堅持するコトを止めなかったからである。
そして、もの凄く残念なことに、その時には既に混じり者が天皇を名乗り、傀儡と化していたのだ。
国の頂点であり、全ての災厄を受ける神裔の巫覡が消えたことで、降りかかる災厄は怒涛の津波のように全国民へと押し寄せることは避けられないこととなったのだ。
真なる神裔ならは、国土国民に降りかかる災厄を引き受けても、その血筋ゆえの寵愛によって、ほぼ相殺されるるはずだった。
だが、あさましい欲望にまみれた者達の手によって、人知れず真の神裔の巫覡を失っていたのだ。
この時点で、皇族の系譜に混じり者が幾人も紛れていた。
世に言うセノリと呼ばれる手法などで、御典医なども入れ替わっていたので、取り替えっ子なども存在していたのだ。
なにせ、天皇家に姓など存在しないし、貴いお血筋ということで、極限られた者しか接することが無いので、入れ替わりをしても誰も気付くことが無かったのだ。
大事なのは、皇族の男子というスタイルを通し、決められた儀式など、古来からの型どおりのことをしていればバレないのだ。
従来の意味など理解せずとも、それらしくし指導されたことをしていればそれで通ってしまうからだ。
ゆえに、女子で産まれた者は、男子に比べてかなり行動規制が緩かった。
それが、神託を受けた巫女姫が好き勝手に動けた理由だったりする。
僥倖だったのは、後の巫女姫となる両親が、純血統の者同士だったことだったことだろう。
後の巫女姫は幼少期から利発で、周囲にいる者達を冷静沈着に観察し、真に信頼できる者を巧妙に取り揃え、自身を守ったのだ。
巫女姫は、その事実を口にしなかったが、巫女姫が最初に神託を受けたのは、齢三つの時だったりする。
最初の神託は、姫自身を外敵から護る守護人を選び、側仕えとすることだった。
血統に異国の血が混じらない者を選別し、巫女姫は様々な手段を講じて側仕えとしたのだ。
巫女姫がもっとも多くもちいた手段が、自身が幼子であるコトを利用しての、選んだ者にひたすら懐くということだった。
そして、異国の血を引く者には、触れられると泣き喚くということをして、徹底的に避けたのは言うまでもない。
ちょうど年齢的に遅いイヤイヤ期と重なった為、誰も不思議に思わなかったコトは言うまでもない。
【神】が神託を降ろせる程の資質があったことで、巫女姫は容易く周囲に紛れ込んでいる混じり者を見分けることができたのだった。
十年の時を掛けて姫巫女は身の回りをガッチリと固めた巫女姫は、満を持して神託を周囲に告知したのだ。
『第三次世界大戦は、もはやどうやっても避けることができない』と。
内心で現陛下が混じり者の傀儡ではなく、真の国産みの系譜者ならば【神】からの恩寵をその身に降ろして、国土とする全域を守れただろうにと思いながら、神託を告げた後に倒れてみせたのは言うまでもないことだった。
そして重すぎる神託を受けたことで伏せていることにして、各地を飛び回り七つの守護地に、血統を遡って見付けた純血統の者達を神託通りに配置し、自分が八番目の秘された守護地となる場所に入った後、助力してくれるこころ優しき【神】の助力を借りて、人々の記憶から、自分と隠した血統の存在を抹消したのだった。
神託の巫女姫が隠れてからしばらくして、各地で地域争いが激化した。
特に人口の多い地域は、争いが絶えなくなった。
何故なら、第三次世界大戦で使用された化学兵器によって荒れ狂う海や大気がおちついたからだった。
海外と断絶していたがゆえに、騒乱はあれど、平和な場所も存在していた各地で、再び地域抗争が激化し始めていた。
その原因は、荒れ狂った海が落ち着くと共に、重力と気候の変動によって海水が多く消費された結果だった。
そう、海水が大量に消費されたコトで、あちこちが干上がり、様々な地域と地続きとなってしまったのだ。
それによって、食料の豊かな地を求めて、異民族が進行して来たのだ。
弱肉強食のままやりたい放題していた者達は、自分達が手に入れた地位を失うまいと、押し寄せた異民族と衝突した。
元は同族であろうと、そんなコトは関係ないとばかりに、騒乱は増し、科学文明の残滓も大半が崩壊してしまったのだった。
そんな中でも、第三次世界大戦へと導いた強欲な血統は、のうのうと生き残り、残された高度文明の武器をかさに着て、自分達を護る為の兵士を増強することに血道を上げていた。
第三次世界大戦の到来を告げた巫女姫が隠れて幾星霜。
それぞれの大地に残る高度文明の残滓がほとんど消えた、その頃。
ひとつの秘められた、守護地でひとつの産声が上がった。
自分が純粋な血統の者と知らない者同士の間から、穏やかで優しき【神】に愛でられる子が誕生したのだ。
そして、それに誘発されたように、巫女姫が隠し守った秘められた各地で、奇跡を呼び込む【才能】を有する赤子の産声が響いた。
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