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召喚されちゃいました

363★私のたちば………

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 「シオン
  その気持ちと言葉を
  忘れないでください

  私も性急過ぎました

  貴女が、この世界の
  人間でないというコトを

  常識がまったく違う部分が
  かなりあるというコトを
  忘れていました

  私も気を付けますから
  シオンも私やフレデリカや

  カールルイス達の言葉に
  耳を傾けてください

  では、気分を変えて
  朝食を食べましょう」

 「はい」

 これ以上、重苦しい会話はしたくないです。
 ご飯は。美味しく食べたいです……はい。

 でも、アラン様の求愛給餌なんですよね。
 どのラノベでも、獣人達の番への過剰な愛情表現は、人間達が諦めるとか、慣れるとか、無になるとかで、終わりでした(泣きたい)。

 ガンバレ私、ファイトだ私、気合だ、根性だ。
 ちょっと、砂ギツネの表情で、アラン様との朝食を終えました。

 何時になったら、これに慣れるんでしょうか?
 アラン様と結婚したら、どうなるんでしょうか?

 それより、蜜月期間ってあるんでしょうか?
 怖いけど、聞いてみるしか無いですよね。

 いやいや…今は必要無いです………聞くのはやめますよ。
 後で良い………知らないほうが良いと、私の勘が囁きます。

 「シオン
  騎士服とドレス
  どちらにしますか?」

 ぼーっとしている間に、クローゼットの前に居ました(汗)。
 昨日、あの王女に色々と言われたけど、私は動きやすい騎士服にします。

 日本に居た頃は、制服以外のスカートって、ほとんど持っていなかったから………。

 家では、掃除や洗濯や調理などの家事に、ペットの世話に庭の手入れを独りでしていたから、動きやすいジャージが基本だったから………。

 ジャージは、学校指定のモノのほかに、自分で買ったモノもあったしね。
 化繊ものだったから、洗濯してすぐに乾いたから便利だったなぁ………。

 ドレスは、動き辛いから好きじゃない。
 汚したらって思ってしまうもの

 それに、騎士服ならアラン様と、おそろいだもの。
 お揃いって良いよねぇ……もっとペアルックしたいなぁ。

 でも、事務処理しているアラン様の側に居るだけなら、ワンピースも良いかも。

 ドレスも着慣れる必要があるし………。
 だって、家事なんて二度としない立場になったからね。

 ただ、アラン様に私の手料理を、食べさせたいって思った時に、料理するコトがあるぐらいなんだから………。

 家族の我儘(=身勝手)に振り回されるコトは、二度と無いって思うと異世界召還されて良かったって思うわ。

 一番は、アラン様の最愛の番になれたコトね。
 うっ…自分で言って恥ずかしい。

 じゃなくって、いずれは、ウェディングドレスを着るんだから、ドレスに慣れるしかない………。
 でも、今は、アラン様もペアルックだよね。

 「騎士服を着たいです
  ただ着替え用に着やすい
  ワンピースも欲しいです」

 「わかりました
  着替えは私が手伝いますね」

 どぉぉぉーして、アラン様に着替えさせられるんですか?

 それなら、フレデリカさんのほうが良いです。
 って、言えないチキンな私が憎いわ(ぐっすん)。

 だから、黙って頷く私です。
 余計なコトを言わないように………保身って大事です。

 「…………」

 にこにこしているアラン様に、羞恥心をガリガリ削られながら、私は騎士服に着替えました。

 そして、転移魔法であっさりと、帝都騎士団の団長室に………。
 当然、気絶しました。

 気が付いたら、アラン様の膝枕で寝てました。
 なんか違います。

 普通は、私が、アラン様を膝枕するんでしょぉぉぉぉと、荒ぶりそうになりましたよ。

 何が、アラン様の地雷とか、スイッチになるかわからないので、黙っています。
 突然、ヤンデレ化されると、どうして良いかわからなくなりますからね。
 
 それよりも、彼女達の謁見予定はどうなったか?
 この際だから聞いてみます。

 だって、彼女達の存在は、私のこころのよりどころのひとつなんだもの。

 たとえ、会っておしゃべり出来なくても、不自由なく健康に生きているだけで、私という存在のこころをすくってくれるんだから………。

 こころの中で、そうコブシを握り、気合を入れて、アラン様の膝から頭を上げますよ。

 さぁ~話しかけようと思っていたら、アラン様から声がかかりました。

 「シオン、起きたんですね
  貴女は、まだ転移魔法に
  慣れていないんですから………

  無理に起きようと
  しないでください

  出来れば
  そのまま横になっていて
  欲しいんですが………

  私の膝がいやなら
  仮眠用のベッドで
  休んで欲しいんです

  ………ダメですか?」

 どうして、アラン様は捨てられた子犬のような、くぅ~んという表情でそんな提案をするんですか?

 でも、ここで頷けばベッドに一直線です。
 私なりに、抵抗しますよ。

 チョロインなヒロインと、雑草なモブは違うんです。

 「ちょっと、転移魔法で
  気絶しただけです
  大丈夫です

  それに、せっかく
  帝都騎士団本部に来て

  アラン様のお仕事を
  見学できるんですから………」

 「シオンは
  昨日の魔族襲撃で
  疲れているんですよ」

 くっ…かぶせるように、アラン様に言われてしましました。

 フレデリカさんや護衛騎士のカールルイスを見ても、アラン様の発言に頷いています。

 なんで?……私の味方がいないんですけど………。
 なんか、ものすごくアウェーな感じです(なぜ?)。

 「シオンは、私達と違って
  脆弱と言って良いほど
  体力が無いんですよ

  その上
  小柄で華奢で軽くて
  食事量も少ないんです

  いつ儚くなっても
  おかしくないって
  思ってしまいますよ

  だから、眠ってください」

 一瞬で私を抱きしめて、アラン様は、切々と訴えてきます(はぁ?)。
 いやいや…私は、温室育ちのお嬢様ヒロインじゃありません。

 どちらかと言うと、ブラック企業で酷使された社畜に近い、雑草育ちのモブですよ。

 どう反論したらイイんでしょうか?

 なんてちょっと悩んでいる間に、ついたてで仕切られたアラン様の仮眠用ベッドに運ばれていましたよ(解せぬ)。













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