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第4章 国外逃亡編
第38話 スカートの外は大盛り上がりですわ
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ヴェネパール王国へ向かう道中、私たちの馬車は待機しているアイゼンベルク王国兵と遭遇した。
マーサは私をスカートの中に隠す。
マーサのスカートは足先まで長くパニエでスカートを膨らませている。
確かに女の子一人くらいは余裕で隠すことはできる。
えっ、そんなことでごまかせるの?
さすがにバレるんじゃ…
それにしてもマーサ、過激なパンツを履いているわね…。
「なんだお前たちは?私たちは先を急いでるのだ。」
オットーは兵士たちに突っかかる。
「私たちはアイゼンベルク王国兵であります。陛下の命により、ある婦人を探しております。なにとぞご協力をお願いします!」
アイゼンベルク王国兵は礼儀正しい。
少年のオットーに対しても、紳士として対応してくれる。
「馬車に乗っているのはお嬢様一人だけだ。君たちが探しているような人はここにはいない。」
お嬢様ってマーサのことよね?
いつものメイド服じゃなかったのは、そういう理由だったのね。
「いくつか質問してもよろしいでしょうか?」
兵士たちが食いついてくる。
「ああ、もちろんだ。」
「貴公たちはどちらに向かっておいでですか?」
「ヴェネパール王国だ。お嬢様をさる貴族の元へお連れしている。」
「その貴族というのは?」
「そこは伝えることは出来ない。これはお忍びなのだ。」
オットーが頼もしく感じる。
おそらくこういった状況も想定していたのだろう。
質問に対してすらすらと嘘を並べる。
「承知しました。その割には護衛の者が少ないですが、お嬢様お一人で向かわれるのですか?」
「私がお嬢様をお守りする。私はお嬢様の護衛兼専属執事だ。」
「それは頼もしい。貴殿は少年のように見えましたが、すでにそういった役割を持っているのですね。」
「ああ、私はもっと幼い頃よりお嬢様にお仕えしている。暴漢からお嬢様を守る術も熟知している。」
「承知いたしました。それでは馬車の中も検めさせて頂きます。おいっ調べろ」
オットーと話す隊長っぽい兵士は、他の兵士たちに指示を出した。
「はっ喜んで!」
居酒屋か。
威勢の良いお兄さんの声が、馬車の中まで響く。
ちょっとまずいんじゃない?
スカートの他に隠れるところなんてないわよ?
「お嬢様は身重なんだ。手荒なことは…。」
オットーが抵抗するも、隊長兵士は聞く耳は持たない様子。
「大丈夫です。手荒なことはいたしません。すぐに済みます。」
バタン!
馬車のドアが開き、兵士が入ってくる。
彼の重みで、馬車がわずかに傾いた。
「あらご機嫌よう。」
マーサは兵士に優しく声をかける。
動揺している素振りもない、マーサの胆力もなかなかなものだ。
「隊長!馬車には綺麗な女性が一人しかいません!荷物も簡易なものだけです。」
「あら、綺麗だなんてお世辞でも嬉しいわ。」
「っ!」
マーサの返しにおもわずどもってしまう若い兵士。まだまだ初心なのね。
「そのお嬢様に立って頂け!もしも隠れるならそのスカートの中だ!」
ちょっと待って!
マーサが立ったら私の足がスカートの間から見えてしまうわ!
スカートの中を探せって、なかなかマニアックなプレイを心得ているわね。
「おい、お嬢様は身重なのだ。負担をかけるようなことは…!」
「立つくらいなら問題ないでしょう?申し訳ございませんが、ご協力ください。」
これは逃げれんやつだ。
どうする?
ここでこの兄ちゃんを倒してしまうのは簡単なんだけど。
迷った挙句、私は隠れ通すことにした。
私はマーサの腰にしがみつき、足を地面から浮かす。
体をしっかり曲げつつ、股関節と膝をめいっぱい曲げた。
マーサいいわよ。
私は小声でマーサに伝える。
「ふんぬぅぅぅ」
マーサは私を抱えて立ち上がった。
パニエのおかげで私のシルエットはスカートにすっぽり覆い隠されている。
ただ、私の腹筋を目いっぱい使って、足を浮かせた位置で固定しているのでかなりきつい。
もちろん、それはマーサも同じだ。
全体重をかけてぶら下がっている私を、マーサの足腰の筋力で支えているのだ。
ぷるぷると全身が震える。
ガニ股姿で震えながら立ち上がったマーサ。
若い兵士にはどう映っているのだろう。
「お嬢様、もう結構です。十分です…。」
若い兵士の声が涙声になっている。どうやら何か誤解をしているらしい。
マーサが座ると同時に若い兵士は、鼻水をすすりながら隊長に報告する。
「白です!問題はありません。ズズッ、ここにはお嬢様しかいらっしゃいません。
お嬢様は妊娠してても綺麗です!」
なんのこっちゃ。
若い兵士は馬車のドアを閉めて、走り去った。
「ご迷惑をおかけしました。それでは安全な旅となりますよう心よりお祈り申し上げます。」
隊長はオットーにそう伝え、自分の持ち場へと戻っていった。
「さあ、出発しましょう。」
オットーは再び馬車に鞭を入れ、私たちはヴェネパール王国への旅を再会した。
ただ、私たちは気づいていなかった。
私たちの後を、アイゼンベルク兵士がつけていたことを。
マーサは私をスカートの中に隠す。
マーサのスカートは足先まで長くパニエでスカートを膨らませている。
確かに女の子一人くらいは余裕で隠すことはできる。
えっ、そんなことでごまかせるの?
さすがにバレるんじゃ…
それにしてもマーサ、過激なパンツを履いているわね…。
「なんだお前たちは?私たちは先を急いでるのだ。」
オットーは兵士たちに突っかかる。
「私たちはアイゼンベルク王国兵であります。陛下の命により、ある婦人を探しております。なにとぞご協力をお願いします!」
アイゼンベルク王国兵は礼儀正しい。
少年のオットーに対しても、紳士として対応してくれる。
「馬車に乗っているのはお嬢様一人だけだ。君たちが探しているような人はここにはいない。」
お嬢様ってマーサのことよね?
いつものメイド服じゃなかったのは、そういう理由だったのね。
「いくつか質問してもよろしいでしょうか?」
兵士たちが食いついてくる。
「ああ、もちろんだ。」
「貴公たちはどちらに向かっておいでですか?」
「ヴェネパール王国だ。お嬢様をさる貴族の元へお連れしている。」
「その貴族というのは?」
「そこは伝えることは出来ない。これはお忍びなのだ。」
オットーが頼もしく感じる。
おそらくこういった状況も想定していたのだろう。
質問に対してすらすらと嘘を並べる。
「承知しました。その割には護衛の者が少ないですが、お嬢様お一人で向かわれるのですか?」
「私がお嬢様をお守りする。私はお嬢様の護衛兼専属執事だ。」
「それは頼もしい。貴殿は少年のように見えましたが、すでにそういった役割を持っているのですね。」
「ああ、私はもっと幼い頃よりお嬢様にお仕えしている。暴漢からお嬢様を守る術も熟知している。」
「承知いたしました。それでは馬車の中も検めさせて頂きます。おいっ調べろ」
オットーと話す隊長っぽい兵士は、他の兵士たちに指示を出した。
「はっ喜んで!」
居酒屋か。
威勢の良いお兄さんの声が、馬車の中まで響く。
ちょっとまずいんじゃない?
スカートの他に隠れるところなんてないわよ?
「お嬢様は身重なんだ。手荒なことは…。」
オットーが抵抗するも、隊長兵士は聞く耳は持たない様子。
「大丈夫です。手荒なことはいたしません。すぐに済みます。」
バタン!
馬車のドアが開き、兵士が入ってくる。
彼の重みで、馬車がわずかに傾いた。
「あらご機嫌よう。」
マーサは兵士に優しく声をかける。
動揺している素振りもない、マーサの胆力もなかなかなものだ。
「隊長!馬車には綺麗な女性が一人しかいません!荷物も簡易なものだけです。」
「あら、綺麗だなんてお世辞でも嬉しいわ。」
「っ!」
マーサの返しにおもわずどもってしまう若い兵士。まだまだ初心なのね。
「そのお嬢様に立って頂け!もしも隠れるならそのスカートの中だ!」
ちょっと待って!
マーサが立ったら私の足がスカートの間から見えてしまうわ!
スカートの中を探せって、なかなかマニアックなプレイを心得ているわね。
「おい、お嬢様は身重なのだ。負担をかけるようなことは…!」
「立つくらいなら問題ないでしょう?申し訳ございませんが、ご協力ください。」
これは逃げれんやつだ。
どうする?
ここでこの兄ちゃんを倒してしまうのは簡単なんだけど。
迷った挙句、私は隠れ通すことにした。
私はマーサの腰にしがみつき、足を地面から浮かす。
体をしっかり曲げつつ、股関節と膝をめいっぱい曲げた。
マーサいいわよ。
私は小声でマーサに伝える。
「ふんぬぅぅぅ」
マーサは私を抱えて立ち上がった。
パニエのおかげで私のシルエットはスカートにすっぽり覆い隠されている。
ただ、私の腹筋を目いっぱい使って、足を浮かせた位置で固定しているのでかなりきつい。
もちろん、それはマーサも同じだ。
全体重をかけてぶら下がっている私を、マーサの足腰の筋力で支えているのだ。
ぷるぷると全身が震える。
ガニ股姿で震えながら立ち上がったマーサ。
若い兵士にはどう映っているのだろう。
「お嬢様、もう結構です。十分です…。」
若い兵士の声が涙声になっている。どうやら何か誤解をしているらしい。
マーサが座ると同時に若い兵士は、鼻水をすすりながら隊長に報告する。
「白です!問題はありません。ズズッ、ここにはお嬢様しかいらっしゃいません。
お嬢様は妊娠してても綺麗です!」
なんのこっちゃ。
若い兵士は馬車のドアを閉めて、走り去った。
「ご迷惑をおかけしました。それでは安全な旅となりますよう心よりお祈り申し上げます。」
隊長はオットーにそう伝え、自分の持ち場へと戻っていった。
「さあ、出発しましょう。」
オットーは再び馬車に鞭を入れ、私たちはヴェネパール王国への旅を再会した。
ただ、私たちは気づいていなかった。
私たちの後を、アイゼンベルク兵士がつけていたことを。
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