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14店目「コロボックルの森林グルメ 中編」
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ワイルドボアは倒れた後も、依然警戒を続けるコロボックル。
「△&〇X凹凹!」
彼は短剣を構えながら、彼らの言葉で威嚇しているようだ。
僕は翻訳アプリLV2を起動する。
これは出発前にレベルをあげたアプリの1つ。
LV1の時は言語を翻訳効果を受けるのが自分だけだったが、LV2になると仲間にも翻訳効果を授けることができるのだ。
「お前らは一体何者だ。僕たちをどうするつもりだ!」
アプリの起動後、コロボックルの言葉が鮮明に理解できる。
彼は突然現れた僕らに対し、強い警戒心を抱いているようだ。
「私たちは敵じゃないわ。ワイルドボアに襲われているあなたたちを助けに来たのよ。あなたたちはここで何をしていたの?」
ミトラは彼らに優しく問いかける。
「あ……ありがとう……僕たちはこの辺りに住んでて。でも何で僕たちの言葉がわかるの?」
「話は後だ。まずは彼を回復させないと」
僕はスマホのアプリ『ライト変換アプリLv3』の中から『ヒールライト』を選択。
優しい金色の光りが倒れているコロボックルの体を包む。
「やめろ!何をするんだ!」
僕らと話していたコロボックルが驚いて叫ぶ。
「大丈夫よ。見てて」
ミトラがなだめるように優しく話す。
倒れたコロボックルの傷が少しずつ小さくなり、やがて消えてしまった。
「ん……あれ?」
倒れていたコロボックルの意識が戻り、体を起こしきょろきょろ周りを見回した。
「ボッチ、大丈夫なのか?」
「あれ?プックル?ワイルドボアはどうしたの?」
プックルと呼ばれるコロボックルは、意識を取り戻した彼に抱きついた。
「ああ、もう大丈夫。彼らが倒してくれたんだ」
プックルはボッチに抱きつきながら僕らを指さした。
「冒険者の方、僕たちを助けていただいてありがとうございます。僕はコロボックル族長の息子のボッチといいます。こちらは親友のプックルです」
プックルはボッチに抱きついたまま僕らに一礼をする。
「僕たちが食材を探している時に、ワイルドボアに襲われてしまって……。危ないところを助けていただいてありがとうございました」
「無事なら良かった。では我々は先を急ぐのでこれにて失礼する」
アインツはそう言うと、僕らの方を振り返る。
僕らもアインツの言葉に頷き、その場を離れようとした。
「待ってください。助けてもらったのにお礼もせずに返すのは、族長の息子としては出来ません。どうか僕たちの村に寄ってください。お礼をしたいのです」
ボッチは立ち上がって僕の手を掴む。
気持ちは嬉しいけど、僕たちにはあまり時間が無いんだ。
どういうわけか、グリズリーホーンベアは僕の索敵にもひっかからないしね。
「何か探し物をしてこの森に来たのですよね?僕らコロボックル族はこの森のことなら何でも知っていますよ。絶対にお役に立てると思います」
彼は僕らに魅力的な提案をしてきた。
どうあってもお礼をしたいようだ。
「どうする?」
「悪くない話じゃないか?当てがあるわけではないし」
「賛成。グリズリーホーンベアのことを聞けるかもしれないよ」
「確かに地のことは、地の者に聞く方がいいか」
話し合いはすぐに終わった。
やはりここはコロボックル達に任せた方が良さそうだ。
「わかった。それじゃ、君たちのところに行こう」
アインツがそう伝えると、ボッチは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます。それでは僕たちの村に向かいましょう」
ボッチは座っているプックルを立ち上がらせると、先頭に立って歩き始めた。
僕らは遅れないように彼らの後についていく。
コロボックルの村まではおよそ2時間ほど。
徐々に森は深くなり、太陽の光りも木立に遮られ始めた。
ただ、ライトを使用しなければいけないほど暗くはなく、視界自体は良好だ。
道中2度ほど魔獣と遭遇するも、今の僕たちの敵ではなかった。
手早く敵を倒し、素材を僕のカバンの中に収納する。
ようやくコロボックルの村についた僕らは、そのファンタジーな光景に思わず感嘆の声が漏れた。
コロボックルの村は、僕らが想像していた所ではない。
彼らの家々は全て木の上に建てられているのだ。
およそ50はあるだろう木造の可愛い家が、樹齢100年はあるだろう太くて大きな木々の枝の上で集落をなしている。
それぞれの木の間はつり橋で連結されており、ロープで作られた梯子が木から吊り下がっている。
木と木の枝と枝の間にはロープが張ってあり、何十・何百個ものランタンが吊るされている。
そのため村全体は明るく、幻想的な雰囲気を醸し出している。
「あのランタンは火ではなく、魔力で灯っています。さすがに森の中では大量の火を使うことは出来ませんので」
呆気にとられている僕たちに、ボッチは村について説明する。
戦闘力に乏しいコロボックルたちは、敵から襲われないように木の上で生活するようになったようだ。
かつては冒険者もよく訪れていた村のようだが、最近は訪れる者はほとんどいないとのことだ。
そのため村の収入が激減。
自給自足で生活をしながらも、時折森で採れたキノコなどの食材をウメーディなどの大きな街で販売をしているらしい。
「プックル、彼らをいつものところに案内して。僕は父様を呼んでくる」
「わかった」
ボッチは僕らの方を振り返り、
「それでは族長を呼んで参ります。後はプックルが案内してくれますので」
と、伝えるとそのまま村の奥へと走って行った。
「じゃあ、僕についてきてくれ」
プックルはそう言うと、吊りばしごを登り始めた。
「△&〇X凹凹!」
彼は短剣を構えながら、彼らの言葉で威嚇しているようだ。
僕は翻訳アプリLV2を起動する。
これは出発前にレベルをあげたアプリの1つ。
LV1の時は言語を翻訳効果を受けるのが自分だけだったが、LV2になると仲間にも翻訳効果を授けることができるのだ。
「お前らは一体何者だ。僕たちをどうするつもりだ!」
アプリの起動後、コロボックルの言葉が鮮明に理解できる。
彼は突然現れた僕らに対し、強い警戒心を抱いているようだ。
「私たちは敵じゃないわ。ワイルドボアに襲われているあなたたちを助けに来たのよ。あなたたちはここで何をしていたの?」
ミトラは彼らに優しく問いかける。
「あ……ありがとう……僕たちはこの辺りに住んでて。でも何で僕たちの言葉がわかるの?」
「話は後だ。まずは彼を回復させないと」
僕はスマホのアプリ『ライト変換アプリLv3』の中から『ヒールライト』を選択。
優しい金色の光りが倒れているコロボックルの体を包む。
「やめろ!何をするんだ!」
僕らと話していたコロボックルが驚いて叫ぶ。
「大丈夫よ。見てて」
ミトラがなだめるように優しく話す。
倒れたコロボックルの傷が少しずつ小さくなり、やがて消えてしまった。
「ん……あれ?」
倒れていたコロボックルの意識が戻り、体を起こしきょろきょろ周りを見回した。
「ボッチ、大丈夫なのか?」
「あれ?プックル?ワイルドボアはどうしたの?」
プックルと呼ばれるコロボックルは、意識を取り戻した彼に抱きついた。
「ああ、もう大丈夫。彼らが倒してくれたんだ」
プックルはボッチに抱きつきながら僕らを指さした。
「冒険者の方、僕たちを助けていただいてありがとうございます。僕はコロボックル族長の息子のボッチといいます。こちらは親友のプックルです」
プックルはボッチに抱きついたまま僕らに一礼をする。
「僕たちが食材を探している時に、ワイルドボアに襲われてしまって……。危ないところを助けていただいてありがとうございました」
「無事なら良かった。では我々は先を急ぐのでこれにて失礼する」
アインツはそう言うと、僕らの方を振り返る。
僕らもアインツの言葉に頷き、その場を離れようとした。
「待ってください。助けてもらったのにお礼もせずに返すのは、族長の息子としては出来ません。どうか僕たちの村に寄ってください。お礼をしたいのです」
ボッチは立ち上がって僕の手を掴む。
気持ちは嬉しいけど、僕たちにはあまり時間が無いんだ。
どういうわけか、グリズリーホーンベアは僕の索敵にもひっかからないしね。
「何か探し物をしてこの森に来たのですよね?僕らコロボックル族はこの森のことなら何でも知っていますよ。絶対にお役に立てると思います」
彼は僕らに魅力的な提案をしてきた。
どうあってもお礼をしたいようだ。
「どうする?」
「悪くない話じゃないか?当てがあるわけではないし」
「賛成。グリズリーホーンベアのことを聞けるかもしれないよ」
「確かに地のことは、地の者に聞く方がいいか」
話し合いはすぐに終わった。
やはりここはコロボックル達に任せた方が良さそうだ。
「わかった。それじゃ、君たちのところに行こう」
アインツがそう伝えると、ボッチは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます。それでは僕たちの村に向かいましょう」
ボッチは座っているプックルを立ち上がらせると、先頭に立って歩き始めた。
僕らは遅れないように彼らの後についていく。
コロボックルの村まではおよそ2時間ほど。
徐々に森は深くなり、太陽の光りも木立に遮られ始めた。
ただ、ライトを使用しなければいけないほど暗くはなく、視界自体は良好だ。
道中2度ほど魔獣と遭遇するも、今の僕たちの敵ではなかった。
手早く敵を倒し、素材を僕のカバンの中に収納する。
ようやくコロボックルの村についた僕らは、そのファンタジーな光景に思わず感嘆の声が漏れた。
コロボックルの村は、僕らが想像していた所ではない。
彼らの家々は全て木の上に建てられているのだ。
およそ50はあるだろう木造の可愛い家が、樹齢100年はあるだろう太くて大きな木々の枝の上で集落をなしている。
それぞれの木の間はつり橋で連結されており、ロープで作られた梯子が木から吊り下がっている。
木と木の枝と枝の間にはロープが張ってあり、何十・何百個ものランタンが吊るされている。
そのため村全体は明るく、幻想的な雰囲気を醸し出している。
「あのランタンは火ではなく、魔力で灯っています。さすがに森の中では大量の火を使うことは出来ませんので」
呆気にとられている僕たちに、ボッチは村について説明する。
戦闘力に乏しいコロボックルたちは、敵から襲われないように木の上で生活するようになったようだ。
かつては冒険者もよく訪れていた村のようだが、最近は訪れる者はほとんどいないとのことだ。
そのため村の収入が激減。
自給自足で生活をしながらも、時折森で採れたキノコなどの食材をウメーディなどの大きな街で販売をしているらしい。
「プックル、彼らをいつものところに案内して。僕は父様を呼んでくる」
「わかった」
ボッチは僕らの方を振り返り、
「それでは族長を呼んで参ります。後はプックルが案内してくれますので」
と、伝えるとそのまま村の奥へと走って行った。
「じゃあ、僕についてきてくれ」
プックルはそう言うと、吊りばしごを登り始めた。
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