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15店目「異世界のジビエ料理専門店 中編」
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グリズリーホーンベアの前に飛び出したアインツは、盾を正面にしっかりと構えながら真っ直ぐに向かっていく。
『鉄壁防御』とアインツが呟くと、青白い光が彼を包む。
鉄壁防御は使用者の防御力を高めるだけでなく、相手のヘイトも一心に集めるアインツの得意のスキルなのだ。
アインツに向かって突進するグリズリーホーンベア。
巨体にも関わらず随分動きが速いものだ。
セリナも側面から奴の後方に向かって走り込むも、全く気づいた様子はない。
奴はその意識を全てアインツに向け、荒い鼻息を立てながら襲い掛かる。
ガキーン!
激しい金属音を立てて、グリズリーホーンベアが振り回した右の前足が、アインツの堅い防御に阻まれる
しっかりと防御したのにも関わらず、数十センチほどアインツは体を浮かされた。
浮いた足をしっかりと踏み下ろし、飛ばされまいと必死で踏ん張るアインツ。
そこへグリズリーホーンベアの、強烈な左の振り下ろしが迫る。
がキーン。
今度は吹き飛ばされずに、その場でしっかりと踏ん張った。
「ふぅぅうん!」
アインツの声が力強い声が響く。
どうやらアインツにはまだまだ余力がありそうだ。
「ちょっとぐらいなら傷つけても大丈夫だよな?」
アインツに意識が集中している奴の後ろから、セリナの大剣が胴を薙ぐ。
「堅ってぇ。なんて体してんだ」
セリナの斬撃は薄皮を切っただけにすぎないようだ。
呻きながらも再度アインツに向かってその爪を叩きつける。
パンッ。
そのうち下ろされる手に向かって、僕は鉛玉を打ち込む。
これは『バトルフィールド』というアプリだ。
僕がスマホ画面をタップするたびに、相手に向かって鉛玉が発射される。
どうやら肉球部分の防御は薄いようだ。
僕が撃った鉛玉は、肉球を貫通した。
右の前足を振りながら痛がるグリズリーホーンベアの脇腹に、アインツは深々と剣を突き刺した。
間髪入れずに後ろから大剣を突き刺すセリナ。
大量の血しぶきが宙を舞った。
グリズリーホーンベアはさすがに立ってはいられず、その場で膝をついた。
今がチャンスだ。
僕はグリズリーホーンベアの側面に飛び出し、『ライト変換アプリ』で脚を凍らせ始めた。
セリナが背中に刺した剣を引き抜こうとした瞬間、グリズリーホーンベアは彼女の腕をギュッとつかんだ。
「てめぇ、放せこの野郎。」
しかし、その前足を引き離す間もなく、彼女は木に向かって投げつけられた。
ドンッ
「ぐわぁあぁ」
鈍い音がして木に叩きつけられたセリナ。
腕を抑えながら大声で叫んでいる。
肩が外れた……!?
今度は僕に向かって手を伸ばしたグリズリーホーンベアだったが、バランスを崩してその場に倒れた。
そこに緑の矢が奴の肩を打ち抜く。
ミトラだ。
恐らく頭部を狙ったのだろう。
ただ、奴が倒れてしまったために、狙いをずらしてしまったようだ。
これでミトラの居場所を、グリズリーホーンベアにもさらしてしまったことになる。
その隙にアインツは奴の腹から剣を引き抜いた。
奴の苦痛の声が森中に響き渡る。
僕はその隙に後ろに回り込み、奴の脚にスマホの冷たい光りを当てる。
このアプリの欠点は少々時間がかかるということだ。
完全に脚を凍らせるためには、もう少し時間が欲しい。
そうこうしているうちに、グリズリーホーンベアは立ち上がった。
ただ、その視線は僕らではない。
矢の飛んできた方をじっと睨んでいるのだ。
ミトラの方へは行かせない。
僕はグリズリーホーンベアの前に立ちはだかった。
グリズリーホーンベアの脚は50%ほどしか凍っていない。
これなら簡単にミトラの所へ行けてしまうだろう。
アインツも僕と同じ気持ちらしい。
アインツも盾を構えながら奴の進行方向に立った。
セリナもふらふらとした足取りで、奴の方へ向かって歩いてくる。
グリズリーホーンベアは両足を地面につけ、四つ這いの姿勢を取る。
どうあっても強行突破したいようだ。
裏を返せば、それほどミトラの射撃を怖がっているように思われる。
ドォォン!
アインツ目がけて突進したグリズリーホーンベアであったが、アインツの壁に防がれる。
しかし、馬力は奴の方が上のようだ。
アインツは完全には動きを止められず、盾を構えたままじりじりと後方へ押し出される。
ザクッ
アインツの持っていた剣が奴の首に突き刺さる。
相手の攻撃を受けながらも、アインツは攻撃の機会を探っていたようだ。
だが、これでも奴は止まらない。
グゥゥゥウゥ。
奴は首と背中に剣が刺さったままにもくかかわらず、防御しているアインツをその馬力で後退させていく。
徐々に走るペースが速くなるグリズリーホーンベア。
その姿はすでに血まみれだ。
ドーン。
アインツを木に叩きつけた奴は、今度は僕目がけて突っ込んできた。
以前までの僕には近接攻撃は無かった。
しかし、今回追加したのは近接攻撃専用のアプリ『グラディエーター』だ。
本来は格闘系のゲームアプリだが、僕が使用すれば攻撃力と耐久力、スピードを大幅に上昇するバフとなる。
僕に振り下ろされた前足をギリギリでかわし、空いた脇腹に膝蹴りを食らわせる。
よし、十分な手ごたえだ。
流石の耐久力だ。
攻撃を受けたにも関わらず、反対の前足で僕の顔面を攻撃してきた。
ドンッ
かわし切れずに、腕でガードする。
ビリッ。
ガードした手がしびれる。
どうやらマジックアイテムをもってしても、完全には攻撃は無効化できなかったようだ。
ただ、攻撃をしたグリズリーホーンベアのダメージも大きい。
自分の体を支えることが出来ず、その場でしゃがみこんでしまった。
ここで慈悲をかけるなんて出来ない。
僕は首に刺さった剣を掴み、そのまま奴の首を切り落とした。
ズズーン。
大きな音を立てグリズリーホーンベアが崩れ落ちた。
ふぅ、なんとか倒すことが出来た。
ただ、できるだけ無傷という契約は果たせそうもない。
かなり斬りつけてしまったため、至る所が傷だらけだ。
これはクエスト失敗かな。
「旦那、逃げろ!」
急に僕の視界が暗くなる。
僕が振り返ると、もう一匹のグリズリーホーンベアが僕に向かって腕を振り下ろそうとしていた。
やばい間に合わない。
咄嗟にガードを固めるも時すでに遅し。
僕が構えるよりも速く、グリズリーホーンベアの手が迫ってきた。
僕は思わず、ギュッと目を閉じた。
……あれっ、攻撃が来ない。
僕は恐る恐る目を開けると、グリズリーホーンベアは僕の鼻先に手を伸ばしたまま止まっていた。
ズズーン……。
そのままグリズリーホーンベアは前のめりに倒れ込んだ。
構えを解いた僕が見たものは、後頭部に緑色の矢が刺さったグリズリーホーンベアの死体だった。
僕は力なくその場に座り込んだ。
ミトラだ。ミトラがやってくれたんだ。
結局グリズリーホーンベアは2体いたのだ。
誰もそんな情報を教えてくれなかった。
しかし、一体はほぼ無傷で倒すことができた。
これでどちらの依頼も達成できたのだ。
ぼくらはミトラが来るまでの間、その場に座り込んで待ち続けた。
『鉄壁防御』とアインツが呟くと、青白い光が彼を包む。
鉄壁防御は使用者の防御力を高めるだけでなく、相手のヘイトも一心に集めるアインツの得意のスキルなのだ。
アインツに向かって突進するグリズリーホーンベア。
巨体にも関わらず随分動きが速いものだ。
セリナも側面から奴の後方に向かって走り込むも、全く気づいた様子はない。
奴はその意識を全てアインツに向け、荒い鼻息を立てながら襲い掛かる。
ガキーン!
激しい金属音を立てて、グリズリーホーンベアが振り回した右の前足が、アインツの堅い防御に阻まれる
しっかりと防御したのにも関わらず、数十センチほどアインツは体を浮かされた。
浮いた足をしっかりと踏み下ろし、飛ばされまいと必死で踏ん張るアインツ。
そこへグリズリーホーンベアの、強烈な左の振り下ろしが迫る。
がキーン。
今度は吹き飛ばされずに、その場でしっかりと踏ん張った。
「ふぅぅうん!」
アインツの声が力強い声が響く。
どうやらアインツにはまだまだ余力がありそうだ。
「ちょっとぐらいなら傷つけても大丈夫だよな?」
アインツに意識が集中している奴の後ろから、セリナの大剣が胴を薙ぐ。
「堅ってぇ。なんて体してんだ」
セリナの斬撃は薄皮を切っただけにすぎないようだ。
呻きながらも再度アインツに向かってその爪を叩きつける。
パンッ。
そのうち下ろされる手に向かって、僕は鉛玉を打ち込む。
これは『バトルフィールド』というアプリだ。
僕がスマホ画面をタップするたびに、相手に向かって鉛玉が発射される。
どうやら肉球部分の防御は薄いようだ。
僕が撃った鉛玉は、肉球を貫通した。
右の前足を振りながら痛がるグリズリーホーンベアの脇腹に、アインツは深々と剣を突き刺した。
間髪入れずに後ろから大剣を突き刺すセリナ。
大量の血しぶきが宙を舞った。
グリズリーホーンベアはさすがに立ってはいられず、その場で膝をついた。
今がチャンスだ。
僕はグリズリーホーンベアの側面に飛び出し、『ライト変換アプリ』で脚を凍らせ始めた。
セリナが背中に刺した剣を引き抜こうとした瞬間、グリズリーホーンベアは彼女の腕をギュッとつかんだ。
「てめぇ、放せこの野郎。」
しかし、その前足を引き離す間もなく、彼女は木に向かって投げつけられた。
ドンッ
「ぐわぁあぁ」
鈍い音がして木に叩きつけられたセリナ。
腕を抑えながら大声で叫んでいる。
肩が外れた……!?
今度は僕に向かって手を伸ばしたグリズリーホーンベアだったが、バランスを崩してその場に倒れた。
そこに緑の矢が奴の肩を打ち抜く。
ミトラだ。
恐らく頭部を狙ったのだろう。
ただ、奴が倒れてしまったために、狙いをずらしてしまったようだ。
これでミトラの居場所を、グリズリーホーンベアにもさらしてしまったことになる。
その隙にアインツは奴の腹から剣を引き抜いた。
奴の苦痛の声が森中に響き渡る。
僕はその隙に後ろに回り込み、奴の脚にスマホの冷たい光りを当てる。
このアプリの欠点は少々時間がかかるということだ。
完全に脚を凍らせるためには、もう少し時間が欲しい。
そうこうしているうちに、グリズリーホーンベアは立ち上がった。
ただ、その視線は僕らではない。
矢の飛んできた方をじっと睨んでいるのだ。
ミトラの方へは行かせない。
僕はグリズリーホーンベアの前に立ちはだかった。
グリズリーホーンベアの脚は50%ほどしか凍っていない。
これなら簡単にミトラの所へ行けてしまうだろう。
アインツも僕と同じ気持ちらしい。
アインツも盾を構えながら奴の進行方向に立った。
セリナもふらふらとした足取りで、奴の方へ向かって歩いてくる。
グリズリーホーンベアは両足を地面につけ、四つ這いの姿勢を取る。
どうあっても強行突破したいようだ。
裏を返せば、それほどミトラの射撃を怖がっているように思われる。
ドォォン!
アインツ目がけて突進したグリズリーホーンベアであったが、アインツの壁に防がれる。
しかし、馬力は奴の方が上のようだ。
アインツは完全には動きを止められず、盾を構えたままじりじりと後方へ押し出される。
ザクッ
アインツの持っていた剣が奴の首に突き刺さる。
相手の攻撃を受けながらも、アインツは攻撃の機会を探っていたようだ。
だが、これでも奴は止まらない。
グゥゥゥウゥ。
奴は首と背中に剣が刺さったままにもくかかわらず、防御しているアインツをその馬力で後退させていく。
徐々に走るペースが速くなるグリズリーホーンベア。
その姿はすでに血まみれだ。
ドーン。
アインツを木に叩きつけた奴は、今度は僕目がけて突っ込んできた。
以前までの僕には近接攻撃は無かった。
しかし、今回追加したのは近接攻撃専用のアプリ『グラディエーター』だ。
本来は格闘系のゲームアプリだが、僕が使用すれば攻撃力と耐久力、スピードを大幅に上昇するバフとなる。
僕に振り下ろされた前足をギリギリでかわし、空いた脇腹に膝蹴りを食らわせる。
よし、十分な手ごたえだ。
流石の耐久力だ。
攻撃を受けたにも関わらず、反対の前足で僕の顔面を攻撃してきた。
ドンッ
かわし切れずに、腕でガードする。
ビリッ。
ガードした手がしびれる。
どうやらマジックアイテムをもってしても、完全には攻撃は無効化できなかったようだ。
ただ、攻撃をしたグリズリーホーンベアのダメージも大きい。
自分の体を支えることが出来ず、その場でしゃがみこんでしまった。
ここで慈悲をかけるなんて出来ない。
僕は首に刺さった剣を掴み、そのまま奴の首を切り落とした。
ズズーン。
大きな音を立てグリズリーホーンベアが崩れ落ちた。
ふぅ、なんとか倒すことが出来た。
ただ、できるだけ無傷という契約は果たせそうもない。
かなり斬りつけてしまったため、至る所が傷だらけだ。
これはクエスト失敗かな。
「旦那、逃げろ!」
急に僕の視界が暗くなる。
僕が振り返ると、もう一匹のグリズリーホーンベアが僕に向かって腕を振り下ろそうとしていた。
やばい間に合わない。
咄嗟にガードを固めるも時すでに遅し。
僕が構えるよりも速く、グリズリーホーンベアの手が迫ってきた。
僕は思わず、ギュッと目を閉じた。
……あれっ、攻撃が来ない。
僕は恐る恐る目を開けると、グリズリーホーンベアは僕の鼻先に手を伸ばしたまま止まっていた。
ズズーン……。
そのままグリズリーホーンベアは前のめりに倒れ込んだ。
構えを解いた僕が見たものは、後頭部に緑色の矢が刺さったグリズリーホーンベアの死体だった。
僕は力なくその場に座り込んだ。
ミトラだ。ミトラがやってくれたんだ。
結局グリズリーホーンベアは2体いたのだ。
誰もそんな情報を教えてくれなかった。
しかし、一体はほぼ無傷で倒すことができた。
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ぼくらはミトラが来るまでの間、その場に座り込んで待ち続けた。
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