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ヒロインを助けるのは、ダレ?
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しおりを挟む「……?」
玉子は怪訝な表情をすると、先程の呪文のような言葉を低い声でゆうみの乳房を両手で鷲掴みにして円を描くように揉みながら唱える。
「た……たたた玉子――!お前――!おおお俺もまだそんないやらしい事させてもらってないのに……ゆゆ許さん――!」
貴也は怒りに顔を真っ赤にして玉子に向かって飛び蹴りを繰り出すが、貴也のキックは目に見えない壁に跳ね返された。
当然、貴也は足を強打してダメージを負い、右足を折り腕で抱えて痛みに呻く。
「ち……ちくしょ……何なんだよっ!」
「貴ぴ――、ごめん、今僕バリア張ってたから」
ゆうみの頬や首筋にキスを何度もしながら玉子は振り向かずに言うが、貴也は悔しさに歯ぎしりした。
「お……おまえっ……俺の前でよくもそんな事を――!」
「誤解しないで……これはゆうみを覚醒させる為の行為だよ」
玉子はサラリと言うと、ゆうみの太股に手を滑らせた。
「ゆうみ……どうしたんだ……目を醒まして」
玉子は険しい色をそのミッドナイトブルーの瞳の底に滲ませながら、早口で不思議な言葉でゆうみに語りかけ、指を両の太股に這わせながらキスをするように唇を落としていく。
「くっ……玉子――!やめろテメエエ!ゆうみの処女は……俺が貰うって決めてるんだからな――!」
「……貴ぴ――、少し黙ってて」
「――ぐうっ!」
玉子が、見えない壁に両の拳を何度も打ち付けて怒鳴る貴也にチラリと流し目を送ると、貴也は身体が動かなくなる。なにかで縛られているかのように。
玉子は右手の人差し指と親指で円の形を作り、瞼を閉じて額にあててまた何かを唱える。すると薄桃色の花弁が無数に指の間から吹雪の如く飛び出してゆうみの身体を包む――が、何故か乳房と腰の部分だけは露出したままだった。
目の前で起こった現象と、異様な光景に貴也は息を呑む。
――な、何なんだよコイツ!最初からタダ者じゃないなって思ってたけどよ、バリアを張ったとか……俺をひと睨みして動けなくさせるとか……それっていわゆる協力な「怪電波」ってヤツなのか?……そうだよな、たま~にそういう妙な特技を持ってる奴いるよな!商品開発課の丸谷女史とか……集中してるあの人と目を合わせると身体が硬直するっていう伝説を鉄平さんから聞いたことがあるしな!……世の中にはそういう理屈で説明出来ない不思議な事があるのかもしれない……うん……だから……玉子もきっとその怪電波の使い手に違いない!
それにマジックも得意らしいな……これは宴会の時に重宝されるだろうな……て、ヤバイ、俺も新しい宴会芸を身に付けないと玉子に負ける!
十八番の「必殺イクザイルトライブ☆千手観音ダンス」だけじゃコイツに負ける――!
……て違う!!今はそんな事を言ってる場合違う!なんとか動いて玉子を止めないと……ゆうみの純潔が……しょ……しょしょ処女がっ!
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