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秘めておくべき想い
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「よかったら皆さんでどうぞ」
ほなみは、三広に包みを渡す。
「すげー!手作りっぽい!」
三広が目を輝かせ小躍りすると、亮介も寄って来た。
「おお……ほなみちゃん、ありがとう!……大、お前もちゃんと礼を言えよ?」
野村はよほど眠いのか、壁にもたれて動かない。
西本がまた寄ってきて強引に肩を抱き寄せ、ほなみの心臓が跳ね上がった。
「……は、はなして」
抗議するが、ドキドキし過ぎてつぶやくようにしか声が出ない。
伝わってくる彼の体温や、繊細な指に肩を抱き締められている感触が、思考回路と脳神経の伝達を狂わせているのだろうか。
自分の意志で身体を動かすことができない。
「ほなみ」
名前を呼ばれ頭の中が真っ白になる。
「昨日のチョコ、すっげーうまかった」
「そ、そうですか?良かった」
「良くない」
「えっ?」
西本は、ほなみの顎をつかみ、顔を近づけて拗ねたように「……大嫌いって言われちゃったしな……」と消え入るようにささやき、ほなみの胸に顔をぽすん、と埋めた。
「きゃっ」
「お――い!祐樹――!セクハラの度が過ぎてるぞ!」
三広が両手で顔を覆いわめいた。
「そうだそうだ。本当にいい加減にしとけ!ほなみちゃんが怖がってライブに来てくれなくなるぞ!」
亮介が西本を引っぺがしてくれて、ほなみはようやく自由になる。
思わず大きく息を吐き出すと、既にチョコレートをもぐもぐ食べていた浜田が突然叫ぶ。
「はっ!?そういえば、これは本命チョコを含むのかい!?」
その場に居た全員に一斉に注目され、ほなみは逃げ出したくなった。
「俺らの中の推しメンは誰なん?ねえねえ!」
三広が大きな目を輝かせた。
「……つまり本命チョコは、この中の誰か宛てという事だよね?……俺もそれは聞きたいな」
亮介が、真剣な眼差しでほなみを見る。
野村も半分寝ぼけた顔でほなみを見ている。
西本はニヤニヤしながら、見せ付けるように自分の唇を指でなぞる。
昨日のキスを思い出せ――とでも言いたいのだろうか?
頬が真っ赤になっている様な気がしてほなみは頬を押さえた。
彼の顔をまともに見れそうにない。
「ほなみちゃーん!俺はダメだよ!一応奥さんがいるからね!?……いやあ……参るなあ……俺に惚れても何にもならないよ?
ほなみちゃんは若いし、もっと相応しい男がいる!若くて、将来性のある美しい男……
そう、クレッシェンドのメンバーのように!
さあっ!誰が好きなのかなっ!?打ち明けてごらんっ」
浜田はひとりで盛り上がり感極まり、ひと通り喋ると、最後に無茶振りをしてきた。
「えっと……その」
口から心臓が飛び出そうにドキドキしながら、ちらりと西本を見ると目が合ってしまい、慌てて顔を逸らした。
「私……」
――西君が好きです。西君へのチョコが本命なんです。
心の中でそう叫びながら、ほなみの口からは、こんな言葉が出ていた。
「……秘密、です」
ほなみは、三広に包みを渡す。
「すげー!手作りっぽい!」
三広が目を輝かせ小躍りすると、亮介も寄って来た。
「おお……ほなみちゃん、ありがとう!……大、お前もちゃんと礼を言えよ?」
野村はよほど眠いのか、壁にもたれて動かない。
西本がまた寄ってきて強引に肩を抱き寄せ、ほなみの心臓が跳ね上がった。
「……は、はなして」
抗議するが、ドキドキし過ぎてつぶやくようにしか声が出ない。
伝わってくる彼の体温や、繊細な指に肩を抱き締められている感触が、思考回路と脳神経の伝達を狂わせているのだろうか。
自分の意志で身体を動かすことができない。
「ほなみ」
名前を呼ばれ頭の中が真っ白になる。
「昨日のチョコ、すっげーうまかった」
「そ、そうですか?良かった」
「良くない」
「えっ?」
西本は、ほなみの顎をつかみ、顔を近づけて拗ねたように「……大嫌いって言われちゃったしな……」と消え入るようにささやき、ほなみの胸に顔をぽすん、と埋めた。
「きゃっ」
「お――い!祐樹――!セクハラの度が過ぎてるぞ!」
三広が両手で顔を覆いわめいた。
「そうだそうだ。本当にいい加減にしとけ!ほなみちゃんが怖がってライブに来てくれなくなるぞ!」
亮介が西本を引っぺがしてくれて、ほなみはようやく自由になる。
思わず大きく息を吐き出すと、既にチョコレートをもぐもぐ食べていた浜田が突然叫ぶ。
「はっ!?そういえば、これは本命チョコを含むのかい!?」
その場に居た全員に一斉に注目され、ほなみは逃げ出したくなった。
「俺らの中の推しメンは誰なん?ねえねえ!」
三広が大きな目を輝かせた。
「……つまり本命チョコは、この中の誰か宛てという事だよね?……俺もそれは聞きたいな」
亮介が、真剣な眼差しでほなみを見る。
野村も半分寝ぼけた顔でほなみを見ている。
西本はニヤニヤしながら、見せ付けるように自分の唇を指でなぞる。
昨日のキスを思い出せ――とでも言いたいのだろうか?
頬が真っ赤になっている様な気がしてほなみは頬を押さえた。
彼の顔をまともに見れそうにない。
「ほなみちゃーん!俺はダメだよ!一応奥さんがいるからね!?……いやあ……参るなあ……俺に惚れても何にもならないよ?
ほなみちゃんは若いし、もっと相応しい男がいる!若くて、将来性のある美しい男……
そう、クレッシェンドのメンバーのように!
さあっ!誰が好きなのかなっ!?打ち明けてごらんっ」
浜田はひとりで盛り上がり感極まり、ひと通り喋ると、最後に無茶振りをしてきた。
「えっと……その」
口から心臓が飛び出そうにドキドキしながら、ちらりと西本を見ると目が合ってしまい、慌てて顔を逸らした。
「私……」
――西君が好きです。西君へのチョコが本命なんです。
心の中でそう叫びながら、ほなみの口からは、こんな言葉が出ていた。
「……秘密、です」
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