トラップって強いよねぇ?

TURE 8

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1章

17話 卑怯な手

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 男は長剣を地面に叩きつける。すると、長剣が叩きつけた地面が液体のように揺れ出していく。

「ストーンボルト!」

 揺れていた地面からなにやら弓矢のようなものが大量に生まれる。そして、俺に向かって一斉に飛んできた。

「っ!?」

 剣で弾こうとするが、弾くたびに新しいものが飛んでくる。俺は横に転がってそれらを避ける。

「はは、弱ぇ」

 これはあいつのスキルの力だろうか?もしかしたらこれが魔法なのかもしれない。俺はさっきの魔法を使われないよう男に肉薄する。男は薄ら笑いを浮かべている。

「はあ!」

 男に肉薄して剣を振るうが、男は長剣を振るわなかった。だが、その代わりに

「よっと」

 地面でうずくまっている子供の首を掴んで俺の真ん前に掲げた。

「!」

 俺の剣を振るう手はそこでピタッと止まってしまう。

「ええ、優しいな。こんなNPCの為に」

「おっさん、そんな漫画の悪役みたいな真似して嬉しいのか?」

「ああ、嬉しいし、楽しいなあ!」

 愉悦の笑みを浮かべながら男の長剣が俺の脇腹に突き刺さる。

「ぐっ!?」

 脇腹から熱いものが込み上げてくる。微量な痛みが俺の体を駆け巡る。それと同時に視界が縁が赤く染まる。

 思ったほどは痛くない。ゲームだからだからか?視界が少し赤く染まったのはダメージ表現だろうか?

 痛みの少なさに、これ幸いと俺は剣が突き刺さったまま男を思いっきり蹴り飛ばす。

「うおっ!?」

 男は驚き、地面にゴロゴロと転がる。俺の脇腹から剣が抜ける。

「よっと」

 男が手放した子供をしっかりキャッチする。とりあえず男から逃げる為、子供を抱きながら森を走る。森は転びやすいため慎重に早く走る。

「あっ、待てクソガキ!」
 
 男の声が聞こえたが無視だ。

 男が見えなくなったところで少しペースを下げる。

「おい、大丈夫か?」

「は、はい」

 子供は見た感じネコの獣人のようだ。ネコひげが付いている。顔には大きな痣が付いていて見ているだけで痛々しい。服装はボロボロの布切れ一枚だ。

「俺の名前はカジ。君は?」

「ぼ、僕には名前がないです」

「あっ、なんか訳あり?」

「はい……」

 彼にはどうやら名前がないらしい。


「怪我、大丈夫か?」

「あっ、なんとか」

 大丈夫と言っていたが痛そうに体をさすっていた。

「あとでポーションをあげるよ」

「いいんですか?」

 俺は笑顔で言う。

「いいよ。助けたんだからね」

「ありがとうございます……」

 彼も遠慮がちであるが笑ってくれた。

 ……どこか休めるところを探そう。






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