19 / 51
1章
19話 第2ラウンド
しおりを挟む
逃げている最中にポーションを飲み込み、回復する。俺は木の間を走りながらあの男の倒し方を考える。
現状奴が使った技はストーボルトとかいう石の魔法とクイックと言っていた……多分素早さを上げる魔法だ。これだけでもない可能性もある。あいつとの鍔迫り合いで勝てないことからあいつの力はかなり強力と見える。
ふと思い出した。俺にはまだまともに使っていなかったスキルがあったのだった。あれなら、あいつを倒せるかもしれない。
俺は走る足を止め男を倒す準備を始める。
……
「くそ、逃げたか」
俺は怒りに任せ、木を蹴りつける。イライラが収まらない。
森を掻き分け、狐のガキの血痕を辿って行く。だが、その血痕は途中で途切れており完全に見失ってしまった。
「ちっ、クソが」
いつもそうだ。クソみたいな上司の話を聞いてクソみたいな仕事をしてそんな毎日が嫌いだ。うまくいかないこと全てが嫌いで嫌いで仕方ない!
このゲームを始めたのはストレスを発散したいから、ただそれだけだった。このゲームは脳と連動してるからゲームをしてれば運動を終えた後みたいな気持ちいい気分になるかと思って買った。
だが、俺のストレスは逆に増えた。このゲームのキャラクターたちが日々の生活を懸命に努力し、泣いたり笑ったりしてたからだ。俺はそんな光景を見てどこかいかれたのかもしれない。『ゲームのキャラクターでさえあんなに努力をしてるのに俺は何をしていたのだ?何も努力せず人の足元にうづくまっていて楽しいか?』そんな声が俺の頭に響いていた。
俺はゲームをやめようと思った。だが、現実に居場所がなかった俺は結局このゲームをやめなかった。
イライラしていた時に路地裏で猫のNPCとぶつかった。そん時、そいつは「ごめんなさい!」と言った。普通のことだろう。だが俺はなぜか無性にそのことに腹が立ち、そいつを殴りつけた。何度も何度も。何で無性に腹が立ったのかは今はよく分からない。今はあの狐のガキに血液が沸騰しそうなほどイライラしていた。
「ガキの方を探すか」
俺は頭をかきむしりながら猫のガキが逃げた場所に向かう。あの狐のガキはNPCに優しさなんて見せつけていやがる。なら逆手に取ればあいつを囮にしておびき寄せばすぐに出てくるだろう。
そう踏み出した瞬間、俺に向かって弓矢が飛んできた。
「ふん」
横に飛んで回避した瞬間何か紐がちぎれ、カラカラという音が森に響き渡る。
周囲を見渡すと何か木々の間に糸がかかっており、そこから音が出ているようだ。
「は?なん、は?」
その音は止まることなく、森中に響いていた。
「なんだこれはぁぁあ!?」
……
男から逃げた後、俺は『罠作成』で生成できた鳴子という本来、作物を鳥についばまれないように音を出して追い払うものを設置していた。
「うるせぇ!うるせぇぇ!」
男は周囲に剣をみだりに振り回し続けている。
男は音に混乱している様子だ。俺は男の背中に向かって剣を持って突撃し、男の胸に俺の剣が深く突き刺さった。
「ぐあっ!?てめぇ」
男の顔には焦りと混乱が浮かび上がっている。
「借りは返す!」
「うぅ、ストーンボルト!」
足元から何度も見た石の弓矢が現れる。石の弓矢が飛んでくる前に男の胸から剣を抜いて離脱する。
男の胸からドクドクと血が垂れ流れ、男は胸を手で押さえている。
「ぐぁあぁぁあ!クソガキめぇぇ!」
「ざまあないね」
「クソが、クソがクソが!気に入らないんだよ、気に入らないんだよ!」
男が長剣を片手に持って突撃してくる。剣と剣がぶつかる。だが、男は動揺してるからか力が上手く乗っていない。男の剣を上に突き上げ、無防備になった脇を切り裂く。
「がぁ!?」
男がたたらを踏んで草が茂っている場所に足を踏み出すと、
「うっ!?」
俺が事前に用意しておいたトラバサミに足が挟まれて地面に倒れこむ。
俺は男に近づき、鑑定スキルを使う。
『名前 サカタ
種族 獣人(アリクイ)
レベル2
能力値
HP 12
MP 8
力 4 (+2) =6
防御 4
器用さ 2
速さ 3
魔力 6
スキル
土魔法 1
剣術 1
付与魔法 1
筋力上昇 2
双剣術 0
アーツ ストーンボルト(MP-1)
クイック(MP-2)』
「勝負ありだ、サカタ」
「お前、俺の名前を!」
剣を両手に握りサカタに向ける。そして上に剣を掲げる。その時、サカタは目を見開き俺に向かって言った。
「次は絶対に殺してやるからなッ!」
剣を振り下ろす、俺の持つ力全てで。
「あがっ」
俺の剣はサカタの首に突き刺さり、そして首を切断した。死亡したサカタの体は徐々に淡い光に変わり、蒸発するように跡形もなく消えた。
『レベルアップ!2→3』
『罠設置レベルアップ!1→2』
『鑑定レベルアップ!1→2』
アナウンスが俺に響いた。
現状奴が使った技はストーボルトとかいう石の魔法とクイックと言っていた……多分素早さを上げる魔法だ。これだけでもない可能性もある。あいつとの鍔迫り合いで勝てないことからあいつの力はかなり強力と見える。
ふと思い出した。俺にはまだまともに使っていなかったスキルがあったのだった。あれなら、あいつを倒せるかもしれない。
俺は走る足を止め男を倒す準備を始める。
……
「くそ、逃げたか」
俺は怒りに任せ、木を蹴りつける。イライラが収まらない。
森を掻き分け、狐のガキの血痕を辿って行く。だが、その血痕は途中で途切れており完全に見失ってしまった。
「ちっ、クソが」
いつもそうだ。クソみたいな上司の話を聞いてクソみたいな仕事をしてそんな毎日が嫌いだ。うまくいかないこと全てが嫌いで嫌いで仕方ない!
このゲームを始めたのはストレスを発散したいから、ただそれだけだった。このゲームは脳と連動してるからゲームをしてれば運動を終えた後みたいな気持ちいい気分になるかと思って買った。
だが、俺のストレスは逆に増えた。このゲームのキャラクターたちが日々の生活を懸命に努力し、泣いたり笑ったりしてたからだ。俺はそんな光景を見てどこかいかれたのかもしれない。『ゲームのキャラクターでさえあんなに努力をしてるのに俺は何をしていたのだ?何も努力せず人の足元にうづくまっていて楽しいか?』そんな声が俺の頭に響いていた。
俺はゲームをやめようと思った。だが、現実に居場所がなかった俺は結局このゲームをやめなかった。
イライラしていた時に路地裏で猫のNPCとぶつかった。そん時、そいつは「ごめんなさい!」と言った。普通のことだろう。だが俺はなぜか無性にそのことに腹が立ち、そいつを殴りつけた。何度も何度も。何で無性に腹が立ったのかは今はよく分からない。今はあの狐のガキに血液が沸騰しそうなほどイライラしていた。
「ガキの方を探すか」
俺は頭をかきむしりながら猫のガキが逃げた場所に向かう。あの狐のガキはNPCに優しさなんて見せつけていやがる。なら逆手に取ればあいつを囮にしておびき寄せばすぐに出てくるだろう。
そう踏み出した瞬間、俺に向かって弓矢が飛んできた。
「ふん」
横に飛んで回避した瞬間何か紐がちぎれ、カラカラという音が森に響き渡る。
周囲を見渡すと何か木々の間に糸がかかっており、そこから音が出ているようだ。
「は?なん、は?」
その音は止まることなく、森中に響いていた。
「なんだこれはぁぁあ!?」
……
男から逃げた後、俺は『罠作成』で生成できた鳴子という本来、作物を鳥についばまれないように音を出して追い払うものを設置していた。
「うるせぇ!うるせぇぇ!」
男は周囲に剣をみだりに振り回し続けている。
男は音に混乱している様子だ。俺は男の背中に向かって剣を持って突撃し、男の胸に俺の剣が深く突き刺さった。
「ぐあっ!?てめぇ」
男の顔には焦りと混乱が浮かび上がっている。
「借りは返す!」
「うぅ、ストーンボルト!」
足元から何度も見た石の弓矢が現れる。石の弓矢が飛んでくる前に男の胸から剣を抜いて離脱する。
男の胸からドクドクと血が垂れ流れ、男は胸を手で押さえている。
「ぐぁあぁぁあ!クソガキめぇぇ!」
「ざまあないね」
「クソが、クソがクソが!気に入らないんだよ、気に入らないんだよ!」
男が長剣を片手に持って突撃してくる。剣と剣がぶつかる。だが、男は動揺してるからか力が上手く乗っていない。男の剣を上に突き上げ、無防備になった脇を切り裂く。
「がぁ!?」
男がたたらを踏んで草が茂っている場所に足を踏み出すと、
「うっ!?」
俺が事前に用意しておいたトラバサミに足が挟まれて地面に倒れこむ。
俺は男に近づき、鑑定スキルを使う。
『名前 サカタ
種族 獣人(アリクイ)
レベル2
能力値
HP 12
MP 8
力 4 (+2) =6
防御 4
器用さ 2
速さ 3
魔力 6
スキル
土魔法 1
剣術 1
付与魔法 1
筋力上昇 2
双剣術 0
アーツ ストーンボルト(MP-1)
クイック(MP-2)』
「勝負ありだ、サカタ」
「お前、俺の名前を!」
剣を両手に握りサカタに向ける。そして上に剣を掲げる。その時、サカタは目を見開き俺に向かって言った。
「次は絶対に殺してやるからなッ!」
剣を振り下ろす、俺の持つ力全てで。
「あがっ」
俺の剣はサカタの首に突き刺さり、そして首を切断した。死亡したサカタの体は徐々に淡い光に変わり、蒸発するように跡形もなく消えた。
『レベルアップ!2→3』
『罠設置レベルアップ!1→2』
『鑑定レベルアップ!1→2』
アナウンスが俺に響いた。
0
あなたにおすすめの小説
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活
シン
ファンタジー
世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。
大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。
GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。
ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。
そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。
探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。
そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。
たまに有り得ない方向に話が飛びます。
一話短めです。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略
神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。
そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。
これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる