40 / 51
2章
40話 ファイティング
しおりを挟む
『名前 カジ
種族 獣人(きつね)
レベル12
能力値
HP 18『UP↑2』
MP 12
力 6(+4/+3)=10/9
防御 6(+3)=9『UP↑1』
器用さ 8(+1/+2)=9/10
速さ 8(+1)=9
魔力 5
スキル
罠生成 5
罠設置 4
剣術 7
弓術 4
鑑定 5
アーツ
パワースラッシュ (MP-1)
自動設置 (MP-3)
罠解体
装備
胴 緑大蜥蜴のジャケット
脚 緑大蜥蜴のズボン
腰 マジックポーチ(小)
足 革のブーツ
背中 矢筒 20/50
武器 ブロードソード/強化弦弓』
飛んでいく2人を見ていると、力が尽きたのか俺は腰を落とした。エマが駆け寄ってきた。
「はい、カジはこれ飲んでねー」
そんな俺を見て、エマは俺を支えながら、自分のポーチから取り出したであろうポーションを俺の口に含ませた。
「んっ、んっー」
まるで、赤ちゃんに授乳するかのような体制とやさしさに俺は赤面するが、口の中に入るポーションの苦さにそんな恥ずかしさは吹き飛んだ。
「ぷはぁ……、あぁ、にがぁー」
「よし!もう大丈夫そ?」
苦さにのたうち回りたい俺であったが、俺の視界からダメージ表現であろう赤色に染まった個所はなくなっていた。
少し体を動かして平気なことを確かめる。
「うんー、大丈夫そうだ」
「よし、じゃあ……」
エマが話していると、先ほどシャチ頭のギョンゾと出会った場所の近くから、何か硬いものがぶつかり合うような鈍い音が響いた。
「……いこう、ケンジさんが心配だ」
俺たちはそちらへ向かった。
……
近くへたどり着くと、ケンジとギョンゾがとっ組み合っているのが見えた。いや、より近づいていけば、それがとっ組み合いなんて生易しいものではないことに気が付いた。
「ふん!あたまを、冷やせ!」
ケンジがギョンゾの頭を手でがっちりと掴み上げ、そして勢いのままに手当たり次第の固さのある、岩や大木などに頭を叩きつけていた。
「ぐふぉ」
そして、ケンジは近くの水たまりにギョンゾの顔に突っ込む。
だが、ギョンゾは魚人と言うべきか、水たまりに顔を突っ込んだとたん、素早い動きで顔の拘束を解き、逆にケンジの顔を水たまりに突っ込んだ。
「この悪者がぁ、お前はこの正義の使者である俺が倒してやるぞ!?」
その後もケンジさんがギョンゾの腹をけり上げ、ギョンゾの体が浮いた隙に脱出し、そのまま馬乗りのポーズになってマウントポジションから一方的に殴っている。
あわわわ、俺はどうすれば、か、加勢した方が良いのか?
どうしてケンジさんはステゴロなんだと近くを見れば、武器である斧と小盾は地面に置き去りにされていた。おそらく、あのまま武器を抜くこともできずに、俺たちと戦っている間もずっと素手同士でこんなゴツキ合いをしていたんだろう。
加勢しようとも思ったが、俺では足手まといになりかねない。勝負の行方を見届けるしかなかった。
「おぉぉおおおおぁ!」
マウントポジションから抜け出したギョンゾがケンジに渾身のアッパーを顎にお見舞いする。
体が上にのけ反り、よろめくケンジにさらに追い打ちを掛けようとするギョンゾだったが、それが罠だった。
ケンジはのけ反った状態のまま、鉄槌のような拳をギョンゾに向けて振り下ろした。
「だあああああぁあぁぁあああ!」
ギョンゾも拳を振るうが、速さが圧倒的に違った。
その鉄槌はギョンゾのシャチ頭にもろにめり込み、地面に吹き飛び、倒れ伏した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
息を上げた全身がボロボロのケンジがただ一人、この無差別のリングで立っていた。そして、一本指を高らかに上へとかざした。
「おぉぉー」
「すごぉーい」
観戦していた俺たちはそのラストを拍手で彩った。
「……は!」
ポーズを決めたまましばし動かなかったケンジであったが、俺たちを見やりはっとしたように手を降ろした。
そして、咳をしながら俺たちに近づいてきた。
「ごほん、んー、んー、あー、高校の時はボクシング部だったからな、ちょっとハッスルしすぎた」
岩に顔を叩きつけるのをボクシングというのか?
「まぁ、とにかく。そっちは無事そうで良かった」
照れ隠しのように言うケンジに俺は笑いながら言う。
「いえ、ケンジさんも無事で……!?」
安堵していた俺たちだったが、ケンジの後ろで、俺の目に立ち上がるギョンゾが映った。エマも気が付いたようで後ろを見ていると、二人の様子からケンジも気が付いたのだろう、後ろを振り返った。
ギョンゾは体中、特に顔面がぼろぼろになりながらやっとのことのように立っていた。
何か……、様子がおかしい。
俺はハッと気が付いた。ギョンゾが何か骨でできた笛のようなものを手に握っていたのだ。
俺は全身にダメージが残っているケンジを守るため、剣を構えてケンジの前へ出るが、ギョンゾは何やらブツブツと小声でつぶやいている。
「俺、では、勝てない。助けてくれ、正義の科学者様」
急にギョンゾは手に持つ笛のようなものを口に寄せ、思いっきり吹いた。
甲高い音が辺りに響く。俺は咄嗟に身構えたが、辺りの光景は何も変わっていはいなかった。
俺はギョンゾの意図が分からず、首をかしげた。どういうことだろうと、ケンジに意見を聞こうと後ろを振り向いた。
「えっ」
すると、俺の口から洩れるような声が出た。なぜなら、そこにいるはずのケンジの姿が神隠しのように消え去っていたからだった。
種族 獣人(きつね)
レベル12
能力値
HP 18『UP↑2』
MP 12
力 6(+4/+3)=10/9
防御 6(+3)=9『UP↑1』
器用さ 8(+1/+2)=9/10
速さ 8(+1)=9
魔力 5
スキル
罠生成 5
罠設置 4
剣術 7
弓術 4
鑑定 5
アーツ
パワースラッシュ (MP-1)
自動設置 (MP-3)
罠解体
装備
胴 緑大蜥蜴のジャケット
脚 緑大蜥蜴のズボン
腰 マジックポーチ(小)
足 革のブーツ
背中 矢筒 20/50
武器 ブロードソード/強化弦弓』
飛んでいく2人を見ていると、力が尽きたのか俺は腰を落とした。エマが駆け寄ってきた。
「はい、カジはこれ飲んでねー」
そんな俺を見て、エマは俺を支えながら、自分のポーチから取り出したであろうポーションを俺の口に含ませた。
「んっ、んっー」
まるで、赤ちゃんに授乳するかのような体制とやさしさに俺は赤面するが、口の中に入るポーションの苦さにそんな恥ずかしさは吹き飛んだ。
「ぷはぁ……、あぁ、にがぁー」
「よし!もう大丈夫そ?」
苦さにのたうち回りたい俺であったが、俺の視界からダメージ表現であろう赤色に染まった個所はなくなっていた。
少し体を動かして平気なことを確かめる。
「うんー、大丈夫そうだ」
「よし、じゃあ……」
エマが話していると、先ほどシャチ頭のギョンゾと出会った場所の近くから、何か硬いものがぶつかり合うような鈍い音が響いた。
「……いこう、ケンジさんが心配だ」
俺たちはそちらへ向かった。
……
近くへたどり着くと、ケンジとギョンゾがとっ組み合っているのが見えた。いや、より近づいていけば、それがとっ組み合いなんて生易しいものではないことに気が付いた。
「ふん!あたまを、冷やせ!」
ケンジがギョンゾの頭を手でがっちりと掴み上げ、そして勢いのままに手当たり次第の固さのある、岩や大木などに頭を叩きつけていた。
「ぐふぉ」
そして、ケンジは近くの水たまりにギョンゾの顔に突っ込む。
だが、ギョンゾは魚人と言うべきか、水たまりに顔を突っ込んだとたん、素早い動きで顔の拘束を解き、逆にケンジの顔を水たまりに突っ込んだ。
「この悪者がぁ、お前はこの正義の使者である俺が倒してやるぞ!?」
その後もケンジさんがギョンゾの腹をけり上げ、ギョンゾの体が浮いた隙に脱出し、そのまま馬乗りのポーズになってマウントポジションから一方的に殴っている。
あわわわ、俺はどうすれば、か、加勢した方が良いのか?
どうしてケンジさんはステゴロなんだと近くを見れば、武器である斧と小盾は地面に置き去りにされていた。おそらく、あのまま武器を抜くこともできずに、俺たちと戦っている間もずっと素手同士でこんなゴツキ合いをしていたんだろう。
加勢しようとも思ったが、俺では足手まといになりかねない。勝負の行方を見届けるしかなかった。
「おぉぉおおおおぁ!」
マウントポジションから抜け出したギョンゾがケンジに渾身のアッパーを顎にお見舞いする。
体が上にのけ反り、よろめくケンジにさらに追い打ちを掛けようとするギョンゾだったが、それが罠だった。
ケンジはのけ反った状態のまま、鉄槌のような拳をギョンゾに向けて振り下ろした。
「だあああああぁあぁぁあああ!」
ギョンゾも拳を振るうが、速さが圧倒的に違った。
その鉄槌はギョンゾのシャチ頭にもろにめり込み、地面に吹き飛び、倒れ伏した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
息を上げた全身がボロボロのケンジがただ一人、この無差別のリングで立っていた。そして、一本指を高らかに上へとかざした。
「おぉぉー」
「すごぉーい」
観戦していた俺たちはそのラストを拍手で彩った。
「……は!」
ポーズを決めたまましばし動かなかったケンジであったが、俺たちを見やりはっとしたように手を降ろした。
そして、咳をしながら俺たちに近づいてきた。
「ごほん、んー、んー、あー、高校の時はボクシング部だったからな、ちょっとハッスルしすぎた」
岩に顔を叩きつけるのをボクシングというのか?
「まぁ、とにかく。そっちは無事そうで良かった」
照れ隠しのように言うケンジに俺は笑いながら言う。
「いえ、ケンジさんも無事で……!?」
安堵していた俺たちだったが、ケンジの後ろで、俺の目に立ち上がるギョンゾが映った。エマも気が付いたようで後ろを見ていると、二人の様子からケンジも気が付いたのだろう、後ろを振り返った。
ギョンゾは体中、特に顔面がぼろぼろになりながらやっとのことのように立っていた。
何か……、様子がおかしい。
俺はハッと気が付いた。ギョンゾが何か骨でできた笛のようなものを手に握っていたのだ。
俺は全身にダメージが残っているケンジを守るため、剣を構えてケンジの前へ出るが、ギョンゾは何やらブツブツと小声でつぶやいている。
「俺、では、勝てない。助けてくれ、正義の科学者様」
急にギョンゾは手に持つ笛のようなものを口に寄せ、思いっきり吹いた。
甲高い音が辺りに響く。俺は咄嗟に身構えたが、辺りの光景は何も変わっていはいなかった。
俺はギョンゾの意図が分からず、首をかしげた。どういうことだろうと、ケンジに意見を聞こうと後ろを振り向いた。
「えっ」
すると、俺の口から洩れるような声が出た。なぜなら、そこにいるはずのケンジの姿が神隠しのように消え去っていたからだった。
0
あなたにおすすめの小説
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活
シン
ファンタジー
世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。
大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。
GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。
ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。
そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。
探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。
そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。
たまに有り得ない方向に話が飛びます。
一話短めです。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略
神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。
そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。
これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。
彼はその日から探索者――シーカーを目指した。
そして遂に訪れた覚醒の日。
「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」
スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。
「幸運の強化って……」
幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。
そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。
そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。
だが彼は知らない。
ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。
しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。
これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる