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2章
48話 連撃
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先ほどの痛みから、メーエルに突撃することに恐怖を抱くが、それを必死に抑えて俺は走る。
俺が迫るのを見ながら、メーエルはアーツを発言しようとするが、異常に気が付いたのだろう。メーエルの口の動きが遅い。
俺はエレキトラップ2つとタイムトラップ2つを設置した。
このタイムトラップというのは懐中時計の見た目をした罠であり、対象が触れると動きを半減させるという効果であった。この罠が2つ同時に逆転罠で設置されたことでメーエルのアーツの発言するスピードも遅くなっていた。
「決める!」
口に決意の言葉を発しながら、エレキトラップで動けないメーエルに向かって剣を振るい、連撃を仕掛ける。
まずは、短剣を持っている左腕を剣で切りつける。だが、左腕を切り裂くことは叶わず、薄い切り傷をつけるだけとなる。
……硬い!?なぜこんなダメージが入らないんだ!
俺はこいつを殺す気はない、殺す度胸もない。だから、左腕や全身を切りつけて殺さない範囲で動けない状態を作ろうとしたが、全く攻撃が通っていなかった。
『逆転罠 効果時間終了』
逆転罠の効果時間が終了したアナウンスが俺の脳内に流れた。それと同時に俺の近くに表示されていたポーチの画面表示が消えたが、発動した罠は消えていない。
もう後には引けず、俺はより力を込めて動けないメーエルに向かって剣を突き立てる。
「『スピ、リッ、ト…』」
胸、腹、腰、足と様々な箇所を剣で切り裂こうとする。が、メーエルの纏うマントや衣服に切れ込みが走り、薄い傷跡ができるのだが、あまり効いていない。
「くそっ!」
タイムトラップのタイムリミットは近い。俺は殺してしまう危険性はあるが、アーツを発言する。
「『パワースラッシュ』」
パワースラッシュのMP分は残っていたようで、ちゃんと発動する。俺の目線に袈裟懸けのようにメーエルの肩から腹にかけて斜めに矢印が表示され、それに従って思いっきり剣を振った。
「ふんっ!」
すると、威力は強大で肩から斜めに入った剣は胸のあたりまでメーエルの体を引き裂いていた。切り裂いた場所から血が噴き出し、殺すつもりはなかったが、致命的な傷を負ったのは明らかだった。
自分が付けた致命傷であったが、その光景に吐き気が生まれる。
さすがにやりすぎたか……と、俺はその傷を見た後、メーエルの顔を見た。
「……!」
すると、背筋がぞっとした。メーエルはこの怪我を負いながら、俺に向かってにっこりと笑っていたのだ。口をひん曲げて笑っているようなのに、その丸ぶちの眼鏡から見える目は虚空を眺めるように焦点が合っていなかった。
「『スピ、リット、ボム』」
「なぁ、しま」
その顔を見て少し呆然としていた隙によって、俺は離脱するチャンスを失っていた。
メーエルの体が爆発し、近くにいた俺はその爆風を受けながら、吹き飛ばされた。
「ぐぁ!?ああ、ぐう、があ」
体中に衝撃を受けて地面に転がされていた。予期せぬ全身の痛みに理性が悲鳴を上げた。
またも、視界が赤色に染まる中、震える手で下級ポーションを取り出して飲み込む。
「がぁ、はぁ、ふぅ」
何本か飲み込み、ある程度視界が赤色が消えたところで、辺りを見渡すと、そこにはやはりやつがいた。
「…くそっ、化け物がぁ」
爆心地のように、純白の部屋の床が黒色に焦げ付いており、その中心に奴が立っていた。だが、ただ立っているだけではなかったのだ。
奴は、全くの無傷だったのだ。先ほどまで、マントを切り裂いていた跡はどこにも見えず、そして肩から胸まで切り裂いていたあの致命傷もどこにも見えなかった。
「化け物、そう俺は化け物だ。いや、俺たちは化け物だよ、異世界人」
メーエルはこちらを見ながらニヤリと笑った。
俺が迫るのを見ながら、メーエルはアーツを発言しようとするが、異常に気が付いたのだろう。メーエルの口の動きが遅い。
俺はエレキトラップ2つとタイムトラップ2つを設置した。
このタイムトラップというのは懐中時計の見た目をした罠であり、対象が触れると動きを半減させるという効果であった。この罠が2つ同時に逆転罠で設置されたことでメーエルのアーツの発言するスピードも遅くなっていた。
「決める!」
口に決意の言葉を発しながら、エレキトラップで動けないメーエルに向かって剣を振るい、連撃を仕掛ける。
まずは、短剣を持っている左腕を剣で切りつける。だが、左腕を切り裂くことは叶わず、薄い切り傷をつけるだけとなる。
……硬い!?なぜこんなダメージが入らないんだ!
俺はこいつを殺す気はない、殺す度胸もない。だから、左腕や全身を切りつけて殺さない範囲で動けない状態を作ろうとしたが、全く攻撃が通っていなかった。
『逆転罠 効果時間終了』
逆転罠の効果時間が終了したアナウンスが俺の脳内に流れた。それと同時に俺の近くに表示されていたポーチの画面表示が消えたが、発動した罠は消えていない。
もう後には引けず、俺はより力を込めて動けないメーエルに向かって剣を突き立てる。
「『スピ、リッ、ト…』」
胸、腹、腰、足と様々な箇所を剣で切り裂こうとする。が、メーエルの纏うマントや衣服に切れ込みが走り、薄い傷跡ができるのだが、あまり効いていない。
「くそっ!」
タイムトラップのタイムリミットは近い。俺は殺してしまう危険性はあるが、アーツを発言する。
「『パワースラッシュ』」
パワースラッシュのMP分は残っていたようで、ちゃんと発動する。俺の目線に袈裟懸けのようにメーエルの肩から腹にかけて斜めに矢印が表示され、それに従って思いっきり剣を振った。
「ふんっ!」
すると、威力は強大で肩から斜めに入った剣は胸のあたりまでメーエルの体を引き裂いていた。切り裂いた場所から血が噴き出し、殺すつもりはなかったが、致命的な傷を負ったのは明らかだった。
自分が付けた致命傷であったが、その光景に吐き気が生まれる。
さすがにやりすぎたか……と、俺はその傷を見た後、メーエルの顔を見た。
「……!」
すると、背筋がぞっとした。メーエルはこの怪我を負いながら、俺に向かってにっこりと笑っていたのだ。口をひん曲げて笑っているようなのに、その丸ぶちの眼鏡から見える目は虚空を眺めるように焦点が合っていなかった。
「『スピ、リット、ボム』」
「なぁ、しま」
その顔を見て少し呆然としていた隙によって、俺は離脱するチャンスを失っていた。
メーエルの体が爆発し、近くにいた俺はその爆風を受けながら、吹き飛ばされた。
「ぐぁ!?ああ、ぐう、があ」
体中に衝撃を受けて地面に転がされていた。予期せぬ全身の痛みに理性が悲鳴を上げた。
またも、視界が赤色に染まる中、震える手で下級ポーションを取り出して飲み込む。
「がぁ、はぁ、ふぅ」
何本か飲み込み、ある程度視界が赤色が消えたところで、辺りを見渡すと、そこにはやはりやつがいた。
「…くそっ、化け物がぁ」
爆心地のように、純白の部屋の床が黒色に焦げ付いており、その中心に奴が立っていた。だが、ただ立っているだけではなかったのだ。
奴は、全くの無傷だったのだ。先ほどまで、マントを切り裂いていた跡はどこにも見えず、そして肩から胸まで切り裂いていたあの致命傷もどこにも見えなかった。
「化け物、そう俺は化け物だ。いや、俺たちは化け物だよ、異世界人」
メーエルはこちらを見ながらニヤリと笑った。
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