女子高生達と俺

saikororo

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一日目

♯1

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女子高生と知り合いたい。

そう唐突に思い、その想いに理由などないのだと、更に唐突に理解した。

合法的に交流が持てた学生時から数年。社会人である身分が煩わしい。

当時、携帯ゲーム機に熱中していた自分にこう言いたい。見るのはそれじゃない。女子高生だと。

そんな過去に対して嘆きながらも、自身の指は軽妙に動き、スマホにこう打ち込んだ。

女子高生。出会う方法。

我ながら簡潔であり、会いたいという気持ちがよく伝わる検索ワードであったと思う。

それに応えるか如く、検索エンジンは素早く文字の羅列を表示させ、求めた答えを同じく簡潔に出してくれた。

援助交際。

俺は震えた。スマホを持つ手だけでなく、身体全身が小刻みに。

なんて、なんて妖艶な言葉なんだろうと。なんてエキゾチックかつ神秘的な言葉なんだろうと。

当然言葉の意味も知っているし、耳にした事もある。

けれど、こうして自らの意思で発現させる事とは全くの別物である。

援助交際。それが俺が求めた答えへの最短の道程なのだと検索エンジンが言っているようだった。

俺は着ていた寝間着を脱ぎ捨て、私服の中から上等な物を選び袖を通した。

夏季の長期休暇は始まったばかり。

俺はアパートを飛び出し、駅へ向かった。

頭皮を容赦なく焼く日射しさえ愛しい、そんな午前の出来事だった。
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